民主党の「15の挑戦と110の提案」
- 道州制を導入し、国のかたちを分権連邦型国家に変えます。
- 中央集権=政官業癒着による膨大な無駄をなくし、財政を健全化します。
- 長期連続休暇制度の導入などにより、豊かな生活時間を創り出すサービス経済を拡大します。
- インターネット料金を水道料金並に引き下げ、IT革命を加速します。
- 再就職支援ビジネスの自由化と採用募集などにおける年齢差別禁止法を実現します。
- 課税最低限を引き下げ、児童手当の拡充や住宅ローン利子の所得控除などに充てます。
- あなたの年金は減らしません。社会保障制度を再構築します。
- ゼロ歳児保育・24時間保育の確立で、仕事と家庭の両立を支援し、男女共同参画を促進します。
- 学校に実践体験学習期間を導入し、社会性を培う教育を確立します。
- 環境税を導入し、「水素」や「風」「太陽」など新エネルギー利用を促進します。
- 吉野川可動堰、川辺川ダム、中海・諫早干拓については、中止を含めて見直します。
- 天下りを禁止し、議員に対するあっせん利得収賄罪を法制化します。
- 国家公安委員会の独立性を高め、監視機能を整備するなど警察法の改正を行います。
- 議院内閣制における首相権限の強化とあわせ、首相公選制の導入を検討します。
- 歴史の争いや過ちを克服し、「和解と共生」の積極外交を進めて、平和な国際社会を創ります。
1.道州制を導入し、国のかたちを分権連邦型国家に変えます。
明治維新以降の日本は、文明開化・軍国主義・戦後復興という各段階を経て、中央政府が権力を独占し、地方自治体をその補完と位置づけてきました。しかし、いまや中央集権の弊害が目立っています。「中央集権の道」を続けるのか、それとも「地域主権の道」へと歩み出すのか、日本はいま、大きな岐路に立っています。
民主党は、「地域のことは地域で決める」という民主主義の原点に立ち返って、徹底した分権化と地域主権の確立に取り組み、21世紀日本の国のかたちを分権連邦型国家につくり変えていきます。
このため、国の役割を限定し、基礎自治体たる市町村の権限と財源を拡充するとともに、道州制の導入に段階的に取り組んでいきます。
- 「国」の仕事を外交・防衛・司法・通貨などに限定し、地域に権限と財源を委ねます。
- 地方自治体の権限と財源などについて明記した「地方自治基本法」を制定します。
- 自治体の課税自主権を確立するとともに、財政調整制度のあり方を検討します。
- 将来的には、国と地方の税源比率を現在の「2対1」から「1対1」に転換します。
- 全国の自治体を10程度の「州」と1000程度の「市」に再編します。
2.中央集権=政官業癒着による膨大な無駄をなくし、財政を健全化します。
「景気対策のためなら赤字がどんどん増えるのは当然だ」という自公連立政権の態度に国民は“将来の大増税”を予測して消費を抑えています。これでは、個人消費の冷え込みは解消されず、景気の低迷を脱することも困難です。
民主党は、「財政健全化の道」を明確に示すことが、消費と経済の活性化につながる道であり、財政の健全化と経済の構造改革を同時並行的に進めていくことが必要だと主張しています。
しかも、自公連立政権の下で、バラマキ、口利きが行われ、税金の無駄遣いがますます顕著になって、その歯止めがかからない状態となっています。こうした膨大な無駄をなくし、国民の税金を大切に使う政府の実現とともに、財政健全化のための計画的な努力が、いま、最も求められています。
- 国民の将来不安を解消する、財政健全化10カ年プランを策定します。
- 新たな成長軌道への移行をめざして、経済と財政の構造改革を同時に進めます。
- 財政の透明性を高めるため、国のバランスシートを作成して国民に公表します。
- 「安心の社会」の実現に向けて、公共事業から社会保障への資源配分の転換を大胆に行います。
- 中央省庁のスリム化と地方への税財源の移譲に取り組みます。
- 特別会計をゼロベースで見直し、整理統合を行うとともに、財務内容の公開を義務づけます。
- 国会に強力なチェック機能を有する「行政監視院(日本版GAO)」を設置し、予算の無駄遣いや不正使用をなくします。
3.長期連続休暇制度の導入などにより、豊かな生活時間を創り出すサービス経済を拡大します。
日本の経済は、モノづくり中心の大量生産・大量消費・大量廃棄の時代から、情報とサービスが中心の多品種少量生産・時間消費・循環経済の時代へと大きく転換しています。自公連立政権は、旧い経済構造を温存する救済策と公共事業のバラマキによって景気回復をはかろうとしていますが、これでは新しい成長経済を実現することは望めません。これからは、情報、福祉医療、介護、教育、旅行・レジャー、環境、健康・クリニックなどのサービス産業を中心した新しい経済への移行を促進していかなければなりません。
民主党は、規制改革やIT革命を加速させ、介護・医療・福祉などの社会サービス基盤の整備などに思い切った支援策を充実させていきます。それとともに、長期連続休暇制度の導入によって、国民にゆとりの消費時間を保障し、文化芸術鑑賞、旅行・レジャー、学習教育などを享受して人生を豊かにするサービス経済社会の実現をめざします。
- すべての規制を時限制にするとともに、現在、対GDP比40%以上を占める規制分野の割合を20%程度に半減します。
- とくに、情報通信、バイオ、環境・エネルギー、福祉、健康・医療、教育・文化などの分野で自由化を進めて、新規参入を促進します。
- 起業家を5年で倍増します。
- ベンチャー向けの新しい資本市場や債券市場の創設を支援します。
- 長期休暇制度の導入などにより、芸術鑑賞、旅行やレジャー、自然体験など文化的消費の拡大を促します。
- 中小事業者に向け個人保証の要らない事業者ローンを実現します。
4.インターネット料金を水道料金並に引き下げ、IT革命を加速します。
21世紀はインターネットとマルチメディアの時代です。高度情報社会への移行期において、情報インフラは最も重要な社会基盤であり、社会資本です。インターネット料金の低廉化や通信事業分野におけるより一層の規制緩和など情報基盤の整備に積極的に取り組んでいくとともに、とくに、情報格差の拡大を防ぎ、すべての人が平等かつ公正にアクセスできるよう環境を整えていく必要があります。
民主党は、旧いタイプの公共事業については徹底した見直しを行って無駄を省くと同時に、情報基盤の整備やインターネット教育に係る新しい公共投資には思い切った予算の投入を行います。とりわけ、インターネット利用料の定額化と低廉化を促進支援して、米国やヨーロッパにも遅れをとっているIT革命を加速させ、情報格差の少ない公平な情報社会の実現につとめていきます。
- 市内通話及び通信料金を定額・低廉化し、常時接続のインターネットの普及を促進支援します。
- インターネット確定申告を実現します。
- すべての人が情報社会の主人公となれるよう、情報リテラシー100%(=誰もが基礎的な情報機器操作力を持てる状態)の実現をめざします。
- 小中学生に一人一台パソコンを配置します。
- 行政情報を100%電子化し、国民に開かれた「電子政府」を確立します。
- 電子投票・インターネット投票の実施を検討します。
- 「情報通信関連予算10倍化」政策を実行します。
5.再就職支援ビジネスの自由化と採用募集などにおける年齢差別禁止法を実現します。
国民の雇用不安を解消することは政府の仕事です。何よりも、経済の活性化を進めて雇用の創出につとめ、高い失業率を解消することが大切です。また、日本はいま、国民一人ひとりが、自己の人生を自由に選択できる成熟社会を迎えています。これからの日本は、失敗してもやり直しのきく「セカンドチャンスのある社会」を築いてゆかなければなりません。
民主党は、ハローワーク(職安)の自由化と職業再訓練制度の充実を大いに促進し、職業選択の機会を拡大します。また、年齢や性による差別をなくすよう既存の制度を見直して、公正な労働市場の確立につとめます。
ワークシェアリングの考えに立ち、パートタイム労働、フレックスタイム労働を含めて、働くことを望むすべての国民にその機会を保障する「新しい完全雇用」社会の実現をめざします。
- ハローワークを民間開放し、再就職ビジネスを活性化させます。
- 職業再訓練のためのバウチャー(利用券)制度を導入します。
- 採用募集などにおける年齢を理由とした差別を禁止します。
- 育児・介護休業制度を拡充します。
- 多様な市民事業を促すNPO支援税制を確立します。
- 地域にコミュニティカレッジを創設します。
- 転職に伴う不利益を解消する「労働移動支援法」を整備します。
- 女性の再就職を支援します。
6.課税最低限を引き下げ、児童手当の拡充や住宅ローン利子の所得控除などに充てます。
税は、政府と国民をつなぐ結節点であり、国のかたちを端的に現わすものです。その税のあり方に対する国民の信頼が失われている現状は、まさに政治の貧困そのものです。不信の一つは、クロヨンなど税の不公正や、複雑な租税特別措置、各種控除制度によって生まれた税の不透明さにあります。また、無駄な公共投資やバラマキ型歳出の現状は、税の使い方に対する国民の信頼を損ねています。
民主党は、「公平な税制」「簡素な税制」「中立的な税制」を基本として、透明度の高い税構造の確立を進めます。また、「誰もが納税をし、その使途を監視していく社会」「すべての人が自立した納税者として成り立つ社会」の実現をめざします。特に、法人課税における租税特別措置や、所得課税における人的控除制度など合理性の低い税制度を改革し、すそ野の広い税制の確立につとめます。
- NPOに対する寄付金控除税制を具体化します。
- 消費税の一定割合を基礎年金財源に充てる目的税とします。
- 人的控除を見直し、課税最低限の引き下げを行います。
- 扶養控除の見直しなどにより、児童手当を拡充します。
- サラリーマンなどの既存の住宅ローン利子の所得控除を実施します。
- 中小事業者に向け個人保証の要らない事業者ローンを実現します。
- 法人事業税の外形標準税化を進めます。
7.あなたの年金は減らしません。社会保障制度を再構築します。
民主党は、国民生活の安全と安心を何よりも優先します。生活の基盤がしっかり確保されてこそ、国民一人ひとりの自由な選択と自立が可能となるからです。しかし、国民の多くはいま、将来に強い不安を抱いています。年金空洞化や薬漬け・検査漬けへの不信があり、介護サービスの確保にも不安を持っています。自公連立政権は、将来のビジョンを示すこともなく、もっぱらその場凌ぎの保険料引き上げや年金給付水準の引き下げなどを行っています。
民主党は、誰もが安心して受けられる「国民基本年金」を確立し、その財源に税方式を導入します。国民の将来不安につながる年金の削減は行いません。また、新たに高齢者医療保険制度を整備するとともに、デイケアやグループホームの整備など介護サービスの基盤整備に集中投資します。
- 年金水準の切り下げはいたしません。
- 基礎年金財源は税方式とし、「国民基本年金」として確立します。
- 医療保険の保険者機能を強化し、医療の適正化・効率化をはかります。
- 「患者の権利法」を制定します。
- エイジフリーの高齢者医療保険制度を確立します。
- 「スーパー・ゴールド・プラン」を策定し、介護基盤の整備に集中投資します。
- 特別養護老人ホームの個室化を徹底します。
- 介護の切り札、グループホームを全国2万カ所設置します。
- 「痴呆ゼロ作戦」を展開します。
- 「まち」「情報」「こころ」の100%バリアフリー社会を構築します。
8.ゼロ歳児保育・24時間保育の確立で、仕事と家庭の両立を支援し、男女共同参画を促進します。
今日の社会では、まず、国民一人ひとりの自立が尊重されなければなりません。それと同時に、すべての人々の自立を支える社会がそこにしっかりと築かれていなければなりません。民主党は、「自立」と「共生」が基本原理となって作用する、そんなバランスのとれた社会の形成をめざします。
とりわけ、女性と男性が共に個人として、社会のあらゆる分野の活動に参加し決定する、男女共同参画社会を確立します。このため、税制や年金制度についても個人単位に転換するとともに、育児や介護を男女が共に担うことができるよう、その支援の仕組みを充実します。
また、特に近年著しい、女性に対するあらゆる暴力を禁止するための法制度を整備し、女性の人権をしっかり守る社会を実現します。
- 育児・介護休業制度を拡充します。
- 認可保育所の運営を弾力化し、ゼロ歳児保育・24時間保育などを確立します。
- 有給休暇取得の義務づけなど長期休暇制度の導入により、自由時間の拡大を促します。
- 女性の年金権を確保します。
- 選択的夫婦別姓制度を導入します。
- 女性に対する暴力や異性へのストーカー行為には厳格に対処します。
- 所得税における人的控除制度の見直しなどと合わせて、児童手当などの充実をすすめます。
9.学校に実践体験学習期間を導入し、社会性を培う教育を確立します。
日本の土台を担ってきた教育がいま大きな曲がり角にさしかかっています。初等・中等教育の現場は、不登校、校内暴力、いじめ、学級崩壊などに直面しています。また、学力の低下も顕著になっています。高等教育においても、大学の実態は文部省のめざす「個性輝く大学」とはほど遠く、学生のモラルや学力水準の低下が問題となっています。
民主党は、21世紀の新しい日本に向けて教育改革を断行し、未来を担う子どもたちが感受性や創造性豊かな人材に育っていくよう、「学校の再生」にチャレンジします。義務教育にボランティア活動や農作業などの実践体験学習を一定期間義務づけて、子どもたちの社会性を涵養する仕組みを確立します。学校選択の自由化や特別教員の採用の弾力化など、学校改革に取り組みます。
国立大学については、その公立化・民営化を含めて検討し、そのあり方を抜本的に見直します。
- 義務教育などに介護や農作業などの実践体験学習を一定期間義務化します。
- 学校選択の自由化を進めます。
- 学校長の公募制の導入を検討します。
- 教員採用の弾力化を実施します。
- 地域に「学校運営協議会」を創設し、学校運営の自主性を確保します。
- 「30人学級」の早期実現と「複数担任制」の導入に取り組みます。
- リカレント教育制度を確立します。
10.環境税を導入し、「水素」や「風」「太陽」など新エネルギー利用を促進します。
民主党は、循環型経済社会をめざした省エネルギー国家の構築を目標に掲げています。また、資源小国である日本は、石油、天然ガスなどのエネルギー資源を国の責任で確保すると同時に、過渡的エネルギーとしての原子力についてもその安定供給につとめていかなければなりません。しかし、原発についてはゼロベースで計画を見直してその建設を抑制し、効率的で環境負荷の少ない新しいエネルギー資源への移行に取り組みます。
このため、現在の燃料課税等を抜本的に見直して環境税の導入をはかるとともに、水素や風力・太陽熱など再生可能な新エネルギーの開発と利用を促進します。とりわけ、水素燃料電池、太陽電池の開発利用の先進国としてその普及につとめ、2010年には総発電量の5%以上を新エネルギーでまかなうことをめざします。
- 現行の燃料課税を見直し、環境税を導入します。
- 燃料電池や太陽光などの「再生エネルギー開発プラン」を策定し、「水素」「風力」「太陽光・太陽熱」などの新エネルギーのシェアを2010年 までに5%にします。
- 資源利用の節約とゴミゼロ社会をめざした「資源循環・廃棄物管理法」を制定します。
- オゾン層破壊・地球温暖化物質であるフロンガスの回収を義務づけます。
- 遺伝子組み換え食品や使用農薬の表示を義務づけます。
- 原発の増設についてはゼロベースで見直し、情報公開の徹底をはかる「原子力情報公開ガイドライン」を設定します。
- 農業については、法律に基づくデカップリング(直接所得補償)制度を導入し、環境を重視した農政を進めます。
11.吉野川可動堰、川辺川ダム、中海・諫早干拓については、中止を含めて見直します。
吉野川可動堰など無駄の多い大型公共事業については、事業のストップを含めて再検討します。
財政肥大化につながるうえ、その目的も変化している公共事業については大胆な見直しを行い、少なくとも5年間で2割、10年間で3割の削減をはかります。このため今後の社会資本整備については、「公共事業コントロール法」など新たな法制度の整備を行い、その必要性・効果・効率性が明確になるよう改革します。
また、入札制度についてはその透明性を確保するよう、行政裁量型の随意契約方式を改め、その結果についても公正なチェックが可能な制度を確立します。
- 公共事業の効率化や削減を進め、社会保障の拡充に資源配分をシフトします。
- 公共事業は少なくとも5年で2割、10年で3割削減します。
- 公共事業コントロール法を成立させます。
- 吉野川可動堰などの無駄な大型公共事業については中止を含めて見直します。
- 長良川については河口堰の運用を弾力化し、川に自然の流れを取り戻します。
- ハブ空港、ハブ港湾を戦略的・重点的に整備します。
- 高速道路については料金の無料化を含めて見直します。
- 21世紀型の新しいインフラである情報通信基盤の整備に対する支援を拡充します。
- バイオ・遺伝子など生命科学の基礎研究や応用研究を戦略的に進めます。
12.天下りを禁止し、議員に対するあっせん利得収賄罪を法制化します。
民主党は、不正・不祥事・情報隠しと無駄の温床となっている公務員の天下りを規制・禁止します。
省庁の外郭団体が国の事業を独占して甘い汁を吸ったり、防衛庁調達実施本部や道路公団のように相次ぐ不祥事を発生させても責任を取らずにお茶を濁したりするなどの事件は、いずれも、公務員の天下りと補助金などが結びついて生じたものであり、税金の不正使用と無駄を大量に生み出しています。
民主党は、国民の税金の無駄をなくしてスリムな行財政の実現をめざすとともに、役人と一部の業界とが結びついた不正・不公正な税金の使い方を抜本的に是正します。このため、不正と無駄の温床となっている公務員の天下りを規制・禁止し、透明性の高い、開かれた税金の使い方を確保します。
- 特殊法人及び認可法人への天下りを原則禁止します。
- 民間企業はもとより、他の公益法人への天下りも厳しく規制します。
- 天下りを受け入れている企業・民間法人に対しては「国からの委託・発注」を厳格に制限します。
- 特殊法人・認可法人・その他の公益法人の整理・縮小を進めます。
- 特殊法人や認可団体の政治献金は禁止します。
- 天下り禁止や公務員の再雇用に関する規定を明示する、公務員法改正を行います。
- 国会議員の不正を厳格に罰する「利得(=地位利用)収賄罪処罰法」を制定します。
13.国家公安委員会の独立性を高め、監視機能を整備するなど警察法の改正を行います。
国民生活の安心と安全は、不幸な事件やその恐れから国民を守る警察活動のあり方に大きく依存しています。ところが、警察が国民のニーズに応えないどころか、次々と不祥事を起こしては虚偽の報告をし、仲間内をかばい合うと事態が続発しました。これでは、国民は救われません。
民主党は、警察官の不祥事については厳罰をもって対処し、警備・公安中心の組織を刑事・交通・市民生活安全を中心とする組織へと改革して、国民が安心できる警察活動の実現をはかります。また、国家公安委員会に、警察組織から独立した事務局を設置整備し、その第三者機関としての機能を高めて、国民の信頼を確保します。さらに、少年法の運用を見直し、家庭裁判所の機能の充実をはかります。終身刑の導入等刑法改正を行い、犯罪に対して厳しく対応できる法整備を進めます。犯罪被害者基本法を成立させて、被害者の権利を保障する仕組みを確立します。
- 警察官の不祥事には厳罰をもって対処します。
- 警備・公安中心の警察組織を刑事・交通・市民生活安全中心の警察へと改革します。
- 独立した事務局の設置整備など、国家公安委員会の第三者機関としての機能を高めます。
- 裁判の迅速化をはかり、「国民に身近で、国民の権利を守る司法」に改革します。
- 刑法の見直しなど、犯罪に対して厳格に対応できる法整備を進めます。
- 少年の犯罪に対しては厳しく対処し、犯罪の原因についてもより厳しく究明します。
- 公務員の不正・汚職には厳罰化を原則に対処します。
- 犯罪被害者基本法を成立させ、犯罪被害者の権利を保障します。
- 国会に、強力な調査権限を持つ特別委員会(日本版ペコラ委員会)を設置し、金融犯罪・不祥事の真相究明と責任追及を徹底します。
- 政府から独立した人権擁護機関の設置や実効ある規制・救済制度の整備など、人権侵害に対する被害者救済のための仕組みを確立します。
14.議院内閣制における首相権限の強化とあわせ、首相公選制の導入を検討します。
政治が行政をコントロールし、その政治を国民が選挙を通じてコントロールすることによって初めて、「国民主権に基礎を置く政府」が実現します。しかし現状は、政治がリーダーシップを発揮しようと思っても、スタッフ機能が十分でなく、結局は官僚に依存せざるを得ません。時代はいま、改革を「思い切って迅速に」実施する強い政治のリーダーシップを求めています。民主党は、首相が国内外の問題についてより確かで迅速なリーダーシップを発揮できるよう、内閣制度の改革にチャレンジしていきます。
同時に、現行の議院内閣制を大きく見直し、国民が直接首相を決定できる仕組みも検討します。これにより、国民により身近な政府の実現と、より強いリーダーシップの発揮という二つの課題を同時に満たすことも可能となります。民主党はそうした新しい道も模索していきます。
- 間接民主主義を補完する国民投票制度の導入を進めます。
- 選挙年齢を18歳へ引き下げます。
- 永住外国人への地方参政権の付与を実現します。
- 地方自治体の首長の四選禁止を制度化します。
- 首相公選制については、議院内閣制における首相権限の強化とあわせて検討します。
- 国民の知る権利を明記した情報公開法に改め、情報隠しや不正な情報操作については厳しく対処します。
- いわゆる盗聴法や改正住民基本台帳法を振り出しに戻し、プライバシー保護法を制定します。
- 地方分権を大胆に進め、住民投票の制度化など国民の自己決定・政治参画の機会を拡大します。
15.歴史の争いや過ちを克服し、「和解と共生」の積極外交を進めて、平和な国際社会を創ります。
戦後の日本は、冷戦構造の中で、外交・安全保障上の判断と責任の多くを米国に依存し、自らは経済成長に専念してきました。しかし、世界で新たな国際秩序と平和のあり方が求められている現在、「平和の最大の受益者」であった日本が、その特質や経験、得意分野を生かして「平和を創る国」として積極的に貢献していくときを迎えています。
民主党は、歴史の過ちを謙虚に振り返るとともに、日米関係の創造的展開、国連改革への積極的取り組み、アジアにおけるリーダーシップの発現とARF(アセアン地域フォーラム)を軸とした東アジア地域の安全保障の確立につとめます。とくに、唯一の被爆国として、核軍縮・不拡散と核兵器等の廃絶のために積極的にイニシアティブを発揮していきます。また、ODA(政府開発援助)をPKO(国連平和維持活動)と並ぶ重要な外交手段と位置づけ、その改善に取り組みます。
- 核軍縮・不拡散にリーダーシップを発揮します。
- 安全保障理事会の見直し、経済社会理事会の強化など、国連改革に積極的に取り組みます。
- 道路・ダム建設などハード中心から人材育成・技術支援などのソフト中心へと、新しいODAへの転換を進めます。
- 国連平和維持活動についてはPKFの凍結解除を行います。
- 緊急事態における自衛隊の活動については、国民の権利に対する必要以上の侵害とならないよう、そのルールを明確にします。
- ARF(アセアン地域フォーラム)を中心に東アジア地域の安全保障対話に積極貢献します。
- 日米地位協定の改善を求め、沖縄米軍基地の整理・縮小に取り組みます。
- 慰安婦問題など残された戦後処理問題の解決をはかります。
民主党の「15の挑戦」は、個々の政策では「110の提案」となっています。これが単に公約ではなく、「提案」となっているのは、民主党中心の政権が誕生したとき、国民とともに国民との対話を通じて実現すべきものばかりであるからです。
その上、この「110の提案」にはもう一つの提案が隠されています。実のところ、この提案の中では政策項目数は109個しか提示されていません。それは、最後の一つを国民の皆さんからの提案で完結したいと考えたからです。