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民主党訪韓議員団報告

2001年5月1日〜4日


1.民主党訪韓議員団の構成

団長
団長代行
副団長
事務局長
鳩山由紀夫
中野 寛成
伊藤 英成
古川 元久
江田 五月
仙谷 由人
鉢呂 吉雄
円 より子
平野 博文
大谷 信盛
山村 健
(代表)
(副代表)
(外交・安全保障NC大臣)
(国際交流委員長)
(NPO委員長)
(企画委員長)
(農水総括NC副大臣)
(参議院国会対策委員長代理)
(教科書問題検討WT座長)
(国際交流委員長代理)
(広報委員会副委員長、政権奪取委員会副委員長)


2.民主党議員団訪韓の成果


3.民主党訪韓議員団の日程


<5月1日(火)>

時 刻 行 動  場 所
16:00
16:40
18:20
20:00〜22:00
結団式
関西国際空港発 NH-177便
仁川国際空港着
大使夫妻主催夕食会(在留邦人代表同席)  

【ソウル泊】
関西国際空港
 
 
大使公邸

ロッテホテル


<5月2日(水)>

時 刻 行 動  場 所
09:00〜09:20
09:20〜10:45
 
12:30〜14:00
15:00〜15:40
18:00〜19:00
19:20〜22:00
安山市視察:アパート戸別訪問
アパート居住者(サハリン残留韓国住帰国者)と 
の集会出席
朴槿恵ハンナラ党副総裁との昼食会
韓昇洙外交通商部長官表敬
金重権新千年民主党代表表敬
新千年民主党主催夕食会

【ソウル泊】
安山市「故郷の村」
同上
 
ロッテホテル
外交通商部
新千年民主党本部
ロッテホテル
 
ロッテホテル


<5月3日(木)>

時 刻 行 動  場 所
07:00〜09:00
08:30〜09:40
 
09:40〜10:00
 
10:00〜10:50
11:00〜11:50
12:00〜13:45
14:50〜15:40
16:00〜17:00
17:30〜18:30
 
18:30〜21:00
李仁済新千年民主党最高委員との朝食会
金泳鎭議員との朝食会
(中野副代表・江田・鉢呂・平野議員)
(上記に引き続き)イ・マンソプ韓国国会議長表敬
(鳩山代表・仙谷議員加わる)
李会昌ハンナラ党総裁表敬
金鍾泌自民連名誉総裁表敬
金鍾泌自民連名誉総裁主催昼食会
林東源統一部長官表敬
金大中大統領表敬
在留邦人向け意見交換会
(鳩山代表・古川・仙谷・円・平野・大谷・山村議員)
李会昌ハンナラ党総裁主催夕食会

【ソウル泊】
ロッテホテル
国会
 
同上
 
ハンナラ党本部
自民連本部
ロッテホテル
統一部
青瓦台(大統領官邸)
ロッテホテル
 
新羅ホテル
 
ロッテホテル


<5月4日(金)>

時 刻 行 動  場 所
08:00〜09:00
09:30〜10:00
10:15〜11:45
14:45〜16:15
19:05
21:25
金徳龍ハンナラ党議員との朝食会
記者会見(鳩山代表・伊藤副団長・古川事務局長)
シンクタンクとの意見交換
板門店視察
仁川国際空港発 UA-807便
新東京国際空港着
ロッテホテル
ロッテホテル
ロッテホテル
板門店
 
 

 

4.今後の課題等


附録:韓国訪問における会談等概要


(1)安山市サハリン残留韓国人居住アパート視察と集会出席(5月2日 9:00〜11:00)

 訪韓議員団は、日本軍の応召を受け戦後もサハリンに残留せざるを得なかった韓国人の永住帰国のために日本政府の援助を得て建てられたアパートを視察した。かつてアパートの開所式には鳩山代表・仙谷議員が出席しており、議員団は住民から歓迎を受けた。一行はアパートを戸別訪問し、住民の要望等を聴取した後、住民による集会に出席した。鳩山代表らの努力によりアパート建設が実現したことに対して、住民代表から鳩山代表に感謝状が贈られた。鳩山代表はスピーチの中で、過去の歴史を直視してこそ平和で友好的な日韓関係の未来が開けることを強調し、住民の大きな拍手を受けた。

(2)朴槿恵ハンナラ党副総裁との昼食会(5月2日 12:30〜14:00)  朴槿恵ハンナラ党副総裁からは、日韓関係に様々な懸案があるのは最も近い国だからであって、議員同士の交流を深めるなどして問題を解決すべきだということ、教科書問題でも日本の民主党は特に周辺国に配慮しており、今回の議員団も到着早々に安山市視察を行うなど、その努力に敬意を表する旨の発言があった。他に日韓両国の国内政治状況や北東アジア情勢等について、食事を交えながら率直な意見交換を行った。
(3)韓昇洙外交通商部長官表敬(5月2日 15:00〜15:40)  韓昇洙長官からは、教科書問題に関する韓国の基本的な立場は、(1)1982年の近隣諸国条項・1995年の村山談話・1998年の日韓パートナーシップ共同宣言をベースにする、(2)日本は世界に模範を示してきた国であり、世界に模範を示す教科書をつくって欲しい、との二点である等の発言があった。日本の民主党の立場についても、政治家として国内の政治的制約があることは理解しており、政治で解決できない部分があって韓国側にも葛藤があるということについても発言があった。鳩山代表からは、民主党の基本的な立場を説明した上で、ドイツとポーランドの間で行われたような歴史教科書を議論し合う場をつくるべきであり、偏狭なナショナリズムに陥ることのないよう努力が必要である旨、発言があった。


(4)金重権新千年民主党代表表敬(5月2日 18:00〜18:50)

 金重権代表からは、同じ「民主党」として親しみを感じていること、両民主党間の交流が進展することを望むこと、教科書問題について韓国国民は真実と違うことが書かれていることを憂慮していること、在日外国人の地方参政権の立法作業が進んでいないのは残念である等の発言があった。鳩山代表からは、後二者については民主党が政権に就いていれば解決できた問題であり、そのためにも早期に政権をとらねばならないこと、金大中大統領の南北対話への努力を高く評価していること等について発言があった。民主党の教科書問題・歴史認識についても金重権代表から評価する旨の発言があった。また両民主党ともに若い議員が多いこともあり、若手議員同士・実務レベルで党間交流を進めることも確認された。その後行われた夕食会では、和気藹々とした雰囲気の中、両党議員団が膝をつき合わせての率直な交流が行われた。


(5)李仁済新千年民主党最高委員との朝食会(5月3日 7:00〜9:00)

 李仁済最高委員からは主に日韓の内政にかかわる発言があり、参加した議員同士、与野党の立場を踏まえ、活発な意見交換がなされた。


(6)韓国国会朝餐祈祷会への出席及び韓国国会議長表敬(5月3日 8:30〜10:00)

 金ヨンジン議員をはじめとする韓国のクリスチャン議員団からは、歴史の歪曲が行われていることは非常に残念であるが、日本の民主党が正しい歴史観の下で努力していることを評価すること、日本に敵愾心のような感情は全く持っておらず、村山談話等の立場に基づいて21世紀の日韓関係を切り開くべきであること、アジア経済の現状を考えても日韓両国の緊密な協力関係の構築は不可欠であり、そのためにも歴史問題の精算は不可欠である旨の発言があった。中野副代表から民主党の基本的な立場について説明を行った上で、両議員団同士が活発な意見交換を行った。後半は鳩山代表も参加し、韓国側から鳩山代表がこれまでに日韓関係に果たした役割に対して感謝の意を表する楯が贈呈された。議員団の意見交換後、国会内においてイ・マンソプ韓国国会議長への表敬訪問も行われた。


(7)李會昌ハンナラ党総裁表敬(5月3日 10:00〜10:50)

 李會昌総裁は、日韓関係の重要性にも鑑み、国会での代表演説において朝鮮半島情勢に関する日韓米中朝ロの6カ国によるマルチな協議体の設立を提言したことを紹介し、南北関係の進展にも日本の果たす役割が非常に大きいことを強調した。これに対して、鳩山代表は、不戦共同体構想をかねてより提案していることや、民主党の対朝鮮半島政策と合致することを指摘しながら、賛意を示した。歴史認識問題については、李総裁から、教科書問題のようなことが起これば日本は過去に縛られ続けることになり、日本にとって不幸であること、鳩山代表が説明した民主党の主張に期待をかけていること等の発言があった。その後行われた夕食会でも、李會昌総裁と鳩山代表が旧知の間柄であることもあって、和気藹々とした雰囲気の中、率直な意見交換が行われた。


(8)金鍾泌自民連名誉総裁表敬(5月3日 11:00〜11:50)

 金鍾泌総裁からは、南北関係の進展状況や韓国国内政治について意見を述べた後、教科書問題についても、日韓両国が互いに認めあえる表現の方法があるはずで、この問題で日韓関係が冷え込むことがあってはならないとの認識が示された。鳩山代表からは、日韓で歴史教科書対話を進めるべき等の意見が出され、金名誉総裁も賛意を表した。引き続いて行われた昼食会でも日韓両国をめぐるさまざまな問題について意見交換がなされた。


(9)林東源統一部長官表敬(5月3日 14:50〜15:40)

 主に南北関係の進展状況や今後の展開について意見交換が行われ、鳩山代表からは、昨年の訪中で江沢民主席に提案した北東アジアにおける不戦共同体構想の提案等を行った。林東源長官も、OSCEがモデルになりうると応じた上で、北東アジア情勢や日韓関係等について鳩山代表らと様々な意見交換を行った。


(10)金大中大統領表敬(5月3日 16:00〜17:00)

 金大中大統領からは今回の民主党訪韓団を心から歓迎する旨の発言があり、鳩山代表からも、金大中大統領が1998年の訪日時に行ったスピーチや日韓文化交流促進への功績について高く評価する旨の発言があった。鳩山代表は、林東源長官との会談に引き続き、北東アジアにおける不戦共同体構想を紹介した。金大統領は、日韓両国の友好関係促進に対する信念を語った。教科書問題について、(金大統領の)受けた衝撃は大きかったこと、明日(4日)にも外交文書として韓国政府の見解を伝えること、日韓両国の交流の歴史を振り返れば、ほとんどの時期において両国は友好関係を維持してきたこと等の発言があった。その上で金大中大統領は、教科書問題について政府の見解を作成するにあたり、(1)感情的に非難するのではなく、問題の中身を学問的・実証的に検討すること、(2)日本人全てがあのような考えを持っているのではないので、(韓国側が)日本人全てを批判したり感情を害したりすることのないよう、区別して記述すること、の二点を指示したことを明らかにした。また日朝国交正常化交渉の進展に期待するとともに、日韓両国の友好関係が進展することで北東アジアにおける不戦共同体構想も実現に向けて大きく前進できる旨の発言があった。


(11)在留邦人向け意見交換会(5月3日 17:30〜18:30)

現地の在留邦人(ビジネスマン、留学生)約30人が参加して、盛況の中、意見交換会が行われた。在留邦人の出席者からは民主党の政策について活発に質問が出され、鳩山代表も同席する中、活発な意見交換が実現し、非常に有意義な会となった。


(12)シンクタンクとの意見交換(5月4日 10:15〜11:45)

ソウル大学教授など韓国の学識経験者10名(李正馥ソウル大教授、金栄作国民大教授、尹正賜中央大教授、廉載鎬高麗大教授、金浩燮中央大教授、李淑鍾世宗研究所研究委員、陳昌洙世宗研究所研究委員、李元徳国民大助教授、孫洌中央大助教授、金長權崇実大助教授)と民主党議員団とで、日韓両国の政治・経済・社会の多岐に渡る政策課題について突っ込んだ意見交換を行った。


(13)板門店視察(5月4日 14:45〜16:15)

 韓国訪問日程の最後に板門店を視察し、訪韓議員団は、南北首脳会談開催後もほとんど状況が変わることなく緊張状態が続いている南北分断の最前線の厳しさを実感した。
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