民主党2002年度活動報告
第228回常任幹事会決定
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はじめに
2002年は、第19回参議院議員選挙の結果を受けた総括にもとづき、党の地域基盤を強化するため、党員・サポーターの拡大および地方自治体議員ネットワークの拡大・整備に取り組むとともに、次期衆議院選挙候補者の発掘・擁立、広報宣伝活動の改善をはかるなど、活動方針に盛り込まれた党務改革を着実に実施しました。
しかし、4月の統一補欠選挙では辛うじて1勝1敗としたものの、次期衆議院総選挙の前哨戦と位置付けて党を挙げて取り組んだ10月の統一補欠選挙では、衆参7選挙区で1勝するにとどまり、敗北の結果となりました。
昨秋の代表選挙以降の党の混乱により、支持率はかつてないほど低迷し、結党以来最大の危機を迎えることとなりました。
今後、新体制のもと、民主党に対する国民の厳しい審判・批判を真摯に受け止め、党の再生と反転攻勢に向け、全党一丸となって取り組むことが求められています。
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2度の代表選挙を実施
1.鳩山前代表の退任にともない代表選挙を実施
昨年12月に任期途中で鳩山由紀夫前代表が退任したことにともない、党規約の定めにもとづき、両院議員総会において「2002年12月の民主党代表の選出に関する特例規則」を定め、12月10日の両院議員総会において代表選挙を実施しました。
選挙は中央代表選挙管理委員会によって管理・執行され、岡田克也さんと菅直人さんが立候補し、両院議員総会における国会議員による投票の結果、岡田候補が79票、菅候補が104票を獲得し、菅直人さんが新代表に就任しました。
2.初の党員・サポーター投票を実施
それに先立つ昨年9月23日、鳩山前代表の任期満了にともない実施された代表選挙は、党員・サポーターの本部登録と「県別ポイント式」によってはじめて行われ、国会議員および党公認候補予定者による直接投票とあわせて、党員・サポーターおよび地方自治体議員による郵便投票が実施されました。
選挙は中央代表選挙管理委員会によって管理・執行され、横路孝弘さん、菅直人さん、鳩山由紀夫さん、野田佳彦さんの4名が立候補し、14日間の選挙期間中、全国20都市において立会演説会が開催され、外国特派員協会や日本記者クラブ主催の講演会・公開討論会なども行われました。
投票の結果は鳩山候補294ポイント、菅候補221ポイント、野田候補182ポイント、横路候補119ポイントであり、各候補の獲得ポイントはいずれも過半数に達しなかったため、鳩山候補と菅候補による決選投票が行われました。その結果、鳩山候補254票、菅候補242票となり、鳩山由紀夫さんが新代表に就任しました。
代表選挙の総括および制度改善の課題については中央選管委員長名で報告書が提出され、常任幹事会はこれを受けて検討委員会を発足させ検討を開始しています。
今後、この度の代表選挙の検証を含めて検討委員会で十分な検討を行い、全党的議論を積み重ねていく必要があると考えます。
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ネクスト・キャビネットの活動
1.菅・『次の内閣』(ネクスト・キャビネット)発足
第4次鳩山ネクスト・キャビネットの活動展開、そして退陣を受けて、菅・『次の内閣』(ネクスト・キャビネット)が編成され、統一地方自治体選挙、また、解散・総選挙を視野に入れ、4次にわたる「鳩山ネクスト・キャビネット」で積み上げられた政策議論の開花、結実に向けた取り組みをスタートしました。
とくに新しい『次の内閣』編成にあたっては、安全保障、経済対策、雇用対策、子ども政策など、小泉政権の無策によって我が国が危機的状況に当面している分野について、十分な政策提言・対案を手に小泉総理と対決していく姿勢を鮮明にする構成、布陣となっています。
2.政策集を相次ぎ出版――政策広報の充実へ
とくに女性政策、環境政策、産業再生政策立案に集中的に取り組み、各々政策集に取りまとめました。また、在沖縄の有識者との共同作業を重ね「民主党沖縄ビジョン」を取りまとめました。加えて、99年のネクスト・キャビネット発足以来約3年間の政策議論を単行本『ネクスト・キャビネット―日本を変える民主党の重点政策』に取りまとめ、出版しました。また、国会内の法案対応や議員立法・政策立案活動の詳細を記録した『国会レポート』の2002年版も編集・発行しました。
その他、週2回の定例『次の内閣』閣議の模様を報告する「民主党
ネクスト・キャビネット
ニュース」を作成し、全国会議員事務所、都道府県連、関係団体、報道各社等にデータ送信し独自の広報活動の取り組みを進めています。また、広報・宣伝委員会と連携し党ホームページの一層の充実にも取り組んでいます。
3.海外との政策交流
『次の内閣』官房長官(政調会長)を団長とする『次の内閣』代表団が訪韓し、新千年民主党、ハンナラ党、自民連の各党と政策を中心とした政党間交流をすすめ、今後は定期的な政策交流を深めていく事を確認しました。また、『次の内閣』総理の命を受けてネクスト環境大臣を団長とする『次の内閣』代表団がモンゴルを訪れ、環境問題を中心とした実態調査、首脳との会談を行い、支援態勢づくりに取り組みました。「欧州政策検討プロジェクトチーム」を設置し、各国の政策研究を深め中間報告書に取りまとめました。また、自由党、社民党、連合とも連携し、我が国の公務員制度に関する勧告を行ったILOに現地(ジュネーブ)調査団を派遣しました。
4.地域NCも連続開催
『次の内閣』活動を国民の目に見えるものにし、開かれた政策論議を展開するための試みとして2000年に「ネクスト・キャビネットIN東海」(愛知)でスタートを切った「地域NC」は、2001年の「IN中国」(岡山)、「IN四国」(徳島)、「IN九州」(福岡)、に続き2002年は大分と釧路で開催しました。
また、全国政策担当者会議を2002年7月に開催し、とくに自治体改革政策などについて、地域の声を政策づくりに活かしていく取り組みを行いました。加えて、2002年もインターネットによる政策公募を実施し、寄せられた様々なアイデアの法案化に取り組んでいます。
5.霞ヶ関を凌駕する立法活動
民主党は、この1年で70本を超える議員立法に取り組んできましたが、民主党の議員立法がリードし、政府・与党が後追いする形でその政策が事実上実現したものとして、危険運転による事故の刑罰を従来よりも加重する法案、無認可保育所の届出制について定めた児童福祉法改正案、官製談合防止法案、ホームレスの自立支援法案、シックハウス対策法案、自然エネルギー発電促進法案、雑居ビル火災対策法案、迷惑メール防止法案、BSE対策法案等々があげられます。これらは、与党のみならず霞ヶ関の官僚機構も追随せざるをえないほど、民主党の議員立法の能力と実績が高まってきていること、政権担当能力が高まってきていることの証しでもあります。
(*国会内の法案対応や議員立法・政策立案活動の詳細は既に発行・配布済みの『国会レポート2002』を参照願います)
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国会活動の取り組み
1.第154回通常国会
第154回通常国会は1月21日に召集され、7月31日までの192日間の会期で開かれました。通常国会の審議は平成13年度の第2次補正予算の審議で始まり、序盤は「アフガン復興会議」への「NGO参加拒否問題」に端を発した「田中外務大臣」の辞任、そして「鈴木宗男衆議院議院運営委員長」の辞任と、この国会を象徴するようなスタ−トになりました。
その後、「BSE問題」が大きな問題となり、農林水産省の行政責任が焦点になりました。民主・自由・共産・社民の4党は共同で武部農林水産大臣の責任を問い、衆議院で不信任決議案、参議院で問責決議案を提出しました。この決議案は与党の反対多数で否決されましたが、政府の責任問題があらためてクロ−ズアップされた意義は小さくありません。
また、平成14年度予算が可決された後、鈴木宗男議員の議員辞職勧告決議案を民主・自由・共産・社民4党共同で提出しました。この決議案は議院運営委員会で本会議上程を2度、与党の反対で阻止されましたが、ついには6月21日の衆議院本会議に上程され、衆議院史上初めて起立採決にて可決されました。
さて、通常国会の中盤では、「政治とカネ」の問題がクロ−ズアップされました。社民党の辻元清美衆議院議員、自民党の加藤紘一衆議院議員、田中真紀子衆議院議員さらには井上裕参議院議員(前参議院議長)が相次いで議員辞職するなど、問題の根は深く、議員辞職せずに逮捕された「鈴木宗男衆議院議員」の疑惑についての全容解明は現在司法の場に移っています。
通常国会は会期末になっても、今国会での重要法案であった、個人情報保護、郵政公社化関連法案、有事法制、健康保険の各法案の会期内成立が難しい状況に陥り、政府・与党側は会期の42日間延長を行いました。これらの法案のうち、「公職選挙法改正案」(=衆議院議員定数5増5減の法案)と「郵政公社化関連法案」、また「健康保険法改正案」については会期末近くに参議院本会議で可決・成立しました。とくに参議院では国民の負担増となる、健康保険法改正の改悪を強行採決した倉田参議院議長の不信任決議を提出し、徹底して成立阻止を求めました。なお、「武力攻撃事態対処関連法案」「個人情報保護法案」「同関連法案」は衆議院で継続審議に、「人権擁護法案」は参議院で継続審議となりました。
この国会では、与党多数の中で、少数野党がなんとか結束を保ちながら、与党の思惑通りの国会運営を阻止できたこと、三つの重要法案を継続審議に追い込んだこと、は大きな成果と言えます。
なお、会期末に衆議院に小泉内閣不信任決議案を、参議院に小泉内閣問責決議案をそれぞれ提出いたしましたが、与党の反対多数で否決されました。
2.第155回臨時国会
第155回臨時国会は10月18日に召集され、12月13日までの57日間の会期で開かれました。この臨時国会の焦点は一つには北朝鮮による日本人「拉致問題」の真相徹底解明と核開発問題、日朝国交正常化交渉の再開問題であり、今一つは深刻化するデフレ経済、株価の低迷と不良債権処理、金融機関への公的資金再注入とペイオフの大幅な延期、企業の倒産増加と失業問題など、わが国の金融・経済問題と景気・雇用問題でした。さらには前国会に引き続き「政治とカネ」の問題も浮上しました。
まず、北朝鮮による日本人拉致問題の徹底解明と核開発中止問題については、予算委員会等を中心に政府の姿勢を厳しく質しましたが、10月29日、30日の両日に行われた日朝国交正常化交渉で日朝双方の主張がかみ合わず、ともに次回交渉に持ち越しとなったことなどで、拉致問題について政府からの明確な答弁はありませんでした。
二点目の金融・経済、景気・雇用問題についても政府・与党は何ら具体策を示すことなく、「経済対策国会」の掛け声もむなしく響くばかりでした。民主・自由・共産・社民の4党はこのような政府の責任を問い、共同で衆議院予算委員会に「竹中金融・経済財政担当大臣問責決議案」を提出しました。
三点目の「政治とカネ」の問題については参議院で11月25日、衆議院で12月2日に予算委員会を開会させ、大島農林水産大臣、自民党の清水参議院議員や田野瀬衆議院議員の疑惑について徹底して追及しました。
なお、大島農林水産大臣の疑惑については、予算委員会以外での農林水産委員会等でも疑惑解明に取り組みました。また、清水議員及び田野瀬議員の疑惑解明については民主・自由・共産・社民の4党で疑惑解明のためのPT(プロジェクトチーム)をつくり、取り組みを開始しましたが、いまだ真相解明にはほど遠く、次期国会に向けた大きな課題となっています。
前国会から継続となっていた「武力攻撃事態対処関連法」「個人情報保護関連法」「人権擁護法案」は今国会も継続審議となりました。
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政権交代を実現する選挙態勢整備の取り組み
1.衆院候補者公募と候補者支援
2002年3月に本部選対委員会は、関係県連の協力を得て衆議院候補者公募を実施し、416人の応募があり46人の最終合格者を出しました。民主党公認候補者となるべき多様な人材を広く募るうえで、候補者公募は有効な方法であり、今後とも充実していかなければなりません。選挙対策委員会は、候補者公募を含め、国会議員・都道府県連紹介の候補者の発掘・育成に努め、12月末現在で現職議員をのぞく公認候補者92人の擁立を達成しました。また候補者研修会を2002年1月に開催し、選挙対策実務の経験交流や組織委員会各局による候補者支援の取り組み紹介などを行いました。
2.国政補欠選挙の取り組み
2002年4月28日および10月27日に執行された国政補欠選挙を、デフレ経済を加速させ、雇用・生活不安を拡大させる小泉政権からの政権交代を実現する前哨戦と位置づけ、全力を投入してたたかいを進めました。
4月28日に行われた参議院新潟県選挙区補選には、黒岩宇洋候補を民主・社民・自由3党と連合・市民団体の5者共闘による無所属候補として擁立し、勝利しました。自民党の岸本光造氏の死去に伴う衆議院和歌山2区補選では、民主・自由推薦で岸本健候補を擁立しましたが、惜敗におわりました。
政治スキャンダルによる加藤紘一元自民党幹事長や井上裕参院議長の議員辞職にともない10月27日に全国7ヶ所で行われた統一国政補選では、衆議院山形4区で斉藤淳候補、神奈川8区で折田明子候補、大阪10区で江村利雄候補、福岡6区で古賀一成候補を民主党公認で擁立しました。新潟5区の石積勝候補、参議院千葉選挙区の若井康彦候補、参議院鳥取選挙区の勝部日出男候補を民主・社民・自由3党共同推薦の無所属候補として擁立しました。衆議院山形4区で斉藤淳氏の当選をえたものの、他6選挙区では残念ながら当選には至りませんでした。
3.統一地方自治体選挙の候補者擁立
2003年4月に行われる統一地方自治体選挙を、党の基盤を全国各地域に広げる重要な節目と位置づけ、分権社会の実現を担う民主党の地方自治体議員を全国で誕生させるために、地方自治体議員ネットワークのブロック研修会開催や、女性支援基金や貸付制度などを準備し、各都道府県連での候補者の積極的な擁立を要請しました。12月24日時点で、43道府県で339人の県議会議員候補、168人の政令市議会議員候補の公認・推薦を決定しています。
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党員・サポーター本部登録による党基盤の形成と多様なネットワークづくり
1.党員・サポーター本部登録の実施
2002年定期大会では、政権交代を担うに相応しい党組織へと強化・拡大をはかるために、幅広い国民各層の参加のもとに10万人の党員・サポーター登録と、都道府県連・各総支部など党地域組織の確立・強化を方針化しました。「当面の党務改革案」にもとづき党員・サポーターの本部登録制度を導入し、党員・サポーター登録数に応じた県連交付金の拡充、候補内定者総支部への支援金交付などの改革を行いました。
5月末の定時登録で地方自治体議員党員1,520人、一般党員31,526人、サポーター67,985人の計101,031人の登録を達成しました。代表選を間近に控えた7月30日の常任幹事会では、20万人の追加登録(合計30万人)の目標が設定され、代表選挙の有権者登録締め切り時点で、地方自治体議員党員1,586人、一般党員34,878人、サポーター274,125人の計310,589人の登録を実現しました。
党員・サポーターの本部登録を基礎として、まさに政権交代を担うに相応しい党組織へと強化・拡大していくために、引き続き都道府県連・各総支部など党地域組織の確立・強化をはかっていかなければなりません。
2.地方自治体議員ネットワークの形成
2003年統一地方選で3,000人の地方自治体議員ネットワークを形成するために、7月26日に350人の参加をえて、地方自治体議員フォーラム全国研修会を京都で開催しました。各ブロック別にも、北海道・東北・東京・東海・中国・四国・九州でブロック研修会を開催し、のべ650人の参加を得て、各ブロック・各県地方自治体議会活動の情報交換と政策研修を行いました。現在31都道府県で民主党地方自治体議員フォーラムが設立され、1,829人が参加しています。
3.NPO支援活動・多様な市民活動との連携
1)NPOの育成支援・基盤整備に向けた取り組みを実施
党としてNPOの育成支援・基盤整備に向けた取り組みをサポートするために、初めての取り組みとして、民主党主催でNPO関連政府予算・各省庁事業等の地域公開ヒアリングを開催しました。NPO関連の政府予算をはじめ、石川・福岡・山口・岡山・宮城・和歌山・京都の7つの地方自治体予算についてヒアリングを実施し、行政とNPO団体等との情報・意見交換を行い、地域においてNPOが定着・発展していくための基盤整備の取り組みを開始しました。またその結果を受けて、7月に開催された「地方自治体議員フォーラム」で、NPO育成支援に取り組む地方自治体議員間の連携について、情報交換を行いました。
2)市民団体とのパートナーシップの確立に向けた取り組み
市民団体等の取り組み課題交流や市民政策の実現をめざす「市民政策議員懇談会」は、「アフガニスタン難民問題」「BSE問題」「DPI世界会議」「菜の花プロジェクト」「介護保険見直し問題」「移送サービス問題」等々のテーマでヒアリングを実施しました。「BSE問題」「難民問題」については、党の政策反映や立案化に向けて作業を推進しました。「BSE問題」「交通基本法」については、公開シンポジウム等を開催し、関係する市民団体等との政策討論を実施しました。さらに、「DPI世界会議」については、資金カンパをはじめ全党的な協力体制をつくり、障害当事者自身による国際会議成功に向けた取り組みを支援しました。
4.各種団体・中小企業者等との連携
BSE対策法早期制定をめざして、農業団体・食品流通業界・生協・消費者団体と共同で1,000人集会や100万人署名を行い、政府与党を巻き込んで法制化を実現しました。議員立法の法制化運動を通じて、各種団体との連携をはかるモデルケースとなる運動展開をすすめることができました。
小泉政権のデフレ政策にあえぐ中小企業者・商店主・ベンチャー起業家との連携をめざした「がんばれ!中小企業キャンペーン」(民主党中小企業セミナー)の全国30カ所での開催や、年末に実施した中小企業アンケート調査等を通じて、現場の声を党の政策へ反映するとともに、党に対する理解と協力拡大に努めました。また経済団体と党幹部との懇談会を開催し、現下の経済情勢と党の経済政策に対する意見交換を行い、定期的な交流を始めました。
モータースポーツ団体をはじめ、アパレル・環境衛生・美容など新たな分野の業種団体との懇談会を開催し、各種イベントへの参加等を通じて交流を深めました。こうした諸団体とは、統一補選等でも協力・支援関係を形成することができました。
各文化団体等との連携をめざして、個々の団体への訪問活動、懇談会、勉強会などを通じて交流を重ねました。社会問題に取り組む民間団体とも意見交換をはかり、提言のとりまとめやシンポジウムの開催協力を進めました。
5.連合・労働組合との連携
連合や支援産別との連携強化をめざして、『次の内閣』による定期政策協議や産別担当者を交えての国会情勢報告会、各産別との政策議員懇談会の開催などに取り組みました。党の政策立案に対する労働組合からの政策提案と政策制度要求活動への協力、各種選挙における連合・産別労組による支援など、相互理解と信頼・協力関係の強化・定着化にむけ、一層の取り組み強化が求められています。
6.青年・学生ボランティアのネットワーク化
2002年度は、DPJリーダーズ・スクール事業と、民主党オフィシャル・インターン事業を中心に、若手サラリーマンや学生の企画運営への参加に主眼をおいた活動をすすめました。関東・関西で合計10回開催したリーダーズ・スクールの修了生は延べ1,000名、2回の議会インターンには50名以上の学生が参加しました。両事業の修了生約200人が母体となり、青年ボランティア団体「クラブ・デモクラッツ」関東・関西が設立され、1,000名を超える会員を擁して、代議士秘書セミナーやアジア・ユース・サミットなど独自の取り組みが開始されました。また青年局として災害ボランティア講座を4回開催し、危機管理問題にも取り組みました。こうした活動の広がりを通じて、先の統一補欠選挙ではのべ150名を超える青年学生の選挙ボランティアへの参加が実現しました。
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男女共同参画をめざす取り組み
1.女性議員候補者支援の取り組み
「あなたの地域にプラス1の女性を!」をめざして女性議員候補者の発掘・支援を男女共同参画委員会の重点課題として設定し、取り組みを展開しました。具体的には、次期衆議院女性候補予定者とのヒアリングを行い、女性候補者の発掘・支援のあり方について、具体的方策・要望等を検討し、選挙対策委員会などへ提言・反映するとともに、「女性候補者支援キャラバン」の実施、女性候補者向け「選挙マニュアル」作成や、統一自治体選挙に向けた女性新人候補者のための「選挙資金貸付制度」創設、「女性支援基金」募集パーティ開催による基金拡充など、女性候補者の発掘・支援に関わる基盤整備事業を推進しました。
2.男女共同参画ネットワークの拡大・整備
男女共同参画委員会を中心に、地域や関係分野、協力団体等とのネットワークの拡大をめざして、7月25日に開催した「女性議員ネットワーク会議」をはじめ、女性地方自治体議員との交流・意見交換や、連合男女平等局・各産別女性部(委員会)との意見交換などを進めました。また各地で計画される「地域女性政治スクール」を募集し、地域における男女共同参画ネットワークの拡大・整備に支援を行いました。
3.アフガン女性支援会議の開催
2001年12月に開催された民主党「アフガニスタン復興NGO会議」、今春の民主党アフガン訪問女性国会議員団の交流を引き継ぎ、継続的なアフガニスタンの復興支援、とくにアフガニスタン女性の自立支援に向けた取り組みの第一歩として、NGOや関係支援団体等とともに民主党版「アフガニスタン女性支援会議」を11月に開催しました。
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運動・遊説活動の取り組み
政権交代の実現にむけ行動する民主党の姿をアピールするために、代表・幹事長を先頭に若手議員を中心にした街頭宣伝活動に取り組みました。「小泉内閣即時退陣」を求める5月の野党4党首合同街宣や、アフガン難民支援募金、BSE対策法早期成立の署名活動など、焦点のテーマを選んだ街頭演説を継続して実施しました。また若手議員による遊説チーム(「おかしなことをなくし隊2002」)を編成し、衆院予定候補者の選挙区や国会議員不在県などで、地域活動支援を目的に街頭宣伝と地域テーマによる懇談会をあわせた企画実施に取り組みました。
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広報・宣伝活動
1.広報出版活動
広報出版部門では、5月に討論誌「Discussion Journal民主」を創刊しました。創刊号は「経済と雇用の再生」、秋号は「アジア」、冬号は「税と国民負担」をテーマに、党内外から貴重な提言をいただきました。
月刊「民主」は、1月号から16ページに増ページし、時々の国会情勢や政策解説、自治体議員・地方の民主党組織の声などを幅広く掲載して定期発行を行ってきました。
すでに500号を超えたFax Newsは、党内配信分について、4〜10月の移行期間をはさんで電子メール配信に切り換え、国会開会中の定期発行を続けてきました。
2.宣伝活動
2002年における宣伝活動は、年初に「新年ポスターに関するアンケート調査」を実施し、その結果を踏まえ、4月から衆院議員候補者ポスター貼り出しの全国展開を行いました。あわせて、費用助成、ポスターコンテストを実施し、優秀作品を党大会で発表しました。7月には、民主党ポスター掲示板の普及・拡大をはかるため、掲示板の購入に対する助成を行いました。その際、掲示板の設置に協力下さった支持者を対象に民主党感謝状を贈呈しました。8月には、「政権交代で、日本を変える。」の文字ポスターの制作・配布を行いました。11月からインターネットによる世論調査『世党@net』を開始しました。
チラシはメール版配信を実施し、候補者ニュースを盛り込める形式にしました。また、海外向けに民主党のプレゼンスを高めるため、英語版ホームページを大幅に改善するとともに、英語版
Fax News、メールマガジンの定期的配信を開始しました。
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国際交流活動
1.政党外交の推進
1月、カシミール問題および印パ間の緊張関係の沈静化に向け、鳩山代表がインド側カシミールを訪問し、バジパイ首相らインド政府首脳らに緊張緩和を強く求めました。同時に羽田特別代表がパキスタン側カシミールを訪問し、パキスタン政府首脳に事態改善を強く働きかけました。
6月、日中国交正常化30周年記念事業として、鳩山代表を団長とした議員、支持者130名からなる訪中団を派遣し、江澤民中国共産党総書記(当時)ら要人と会談、蘇州で記念植樹を行いました。12月には「中国共産党青年幹部代表団」18名を招待し党間交流を深めました。
民主党アフガニスタン復興本部を軸に現地に党のスタッフが常駐する事務所を設置し、復興支援のための調査団をカブールに派遣しました。また、NC韓国政策調査団、モンゴル環境調査団、東ティモール独立記念訪問団を派遣しました。
2.党幹部の外交活動
パキスタンを訪問した羽田特別代表はペシャワールで、アフガニスタン難民支援NGO6団体に民主党が募金活動で集めた募金の授与式をしました。
菅幹事長(当時)は5月、人民党の招待でデリーでの日印国交樹立50周年記念イベントに出席、フェルナンデス国防大臣、人民党、コングレス党幹部と会談、日印関係を強化しました。引き続き中国・上海国際問題研究所主催のシンポジウムで基調講演を行いました。8月には、米国国際戦略問題研究所の招待で訪米し、学者、シンクタンクの代表者たちと広く意見交換を行いました。
また、党幹部は、来日中のプロディEU委員長はじめ各国要人と会談を行い、民主党の政策を伝えました。
3.国際的事件への対応と国際会議等への参加
在瀋陽日本総領事館における北朝鮮亡命希望者駆け込み事件では瀋陽、韓国に調査団を派遣しました。また、鈴木宗男疑惑ロシア調査団、台湾国家機密文書調査団、BSE調査団(英、仏、ベルギー)、インドネシアにおける戦時性的強制被害者問題調査団なども派遣しました。また、ダボス会議(米)、第2回アジア政党会議(タイ)、アジア・EUリベラル派会議(韓国)に参加しました。
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役員選任・承認および党倫理規則適用
1.党規約改正
12月13日の両院議員総会において、党規約第23条に「代表は、両院議員総会の承認にもとづき、党最高顧問を選任することができる」との条文を追加する改正を行い、最高顧問に羽田孜議員を選任・承認しました。(党規約第7条第2項および第4項の定めにしたがう報告・承認事項)
2.新体制発足にともなう役員選任・承認
昨年12月の菅新代表の就任にともない、党規約第7条第2項の定めにもとづき、12月13日の両院議員総会において役員の選任・承認を行いました。(党規約第7条第2項および第4項の定めにしたがう報告・承認事項)
3.党倫理規則適用
1)山村健議員より離党届が提出されましたが、常任幹事会はこれを受理せず、党規約および党倫理規則に違反する行為と判断し、倫理委員会の意見を聴取したうえで、除籍処分としました。(党規約第25条第4項の規定にもとづく報告)
2)熊谷弘議員、佐藤敬夫議員、金子善次郎議員、山谷えり子議員、江崎洋一郎議員より離党届が提出されましたが、常任幹事会はこれを受理せず、党規約および党倫理規則に違反する行為と判断し、倫理委員会の意見を聴取したうえで、除籍処分としました。(党規約第25条第4項の規定にもとづく報告)