2003年4月1日 常任幹事会決定 戻るホーム民主党文書目次

企業団体献金など政治資金の取扱いについて

幹事長 岡田克也


 政治とカネをめぐる自民党の疑惑・事件は後を絶たず、今国会においても自民党長崎県連事件や大島農水大臣疑惑などが次々に明るみに出ている。これまで、わが党としては、より高い政治倫理を確立して国民の信頼を取り戻すため、政治資金規正法を改正強化する法律案等を提出するなどの取り組みを続けてきた。しかし、当事者である自民党などの抵抗により、残念ながら未だ法改正は実現していない。

 そこで、わが党としては、ヤミ献金の規制強化などを含め、引き続き法改正を追求していくものの、それを待つことなく、他党に先駆けて党の政治資金等の取扱いについて現行法より厳しい基準による制限等を党独自に導入することとする。具体的には、今年2月19日、3月25日の両院議員懇談会での議論および今月実施した県連・総支部アンケートの集約結果を踏まえ、以下の通りとすることとし、できることから順次実施に移していく。

1.企業団体献金の取扱い

 現在、支部を含む政党に限り認められている企業団体献金については、将来的にはより制限ないし禁止すべきであると考えるが、個人献金が定着していない現状に鑑み、個人献金拡大策を講じつつ、当面は存続することとする。

 ただし、他党のこととはいえ、多額の企業団体献金が腐敗や癒着構造の温床となってきた過去の事例を顧み、公共事業受注企業からの献金受領を自主的に制限することとする。

1)一定範囲の公共事業受注企業からの献金制限

 公的資金を受け入れている金融機関からの献金受領自粛に加え、公共事業受注企業からの献金受領を自粛することとする。本来であれば、公共事業受注金額によって制限すべきであるが、それを容易に確認することが困難なため、当面いわゆる大手・準大手等の総合建設会社(ゼネコン、日本建設業団体連合会加盟63社)を対象とする。

2)個人献金の拡大

 個人献金を拡大するため、幹事長の下にプロジェクト・チームを設置して検討を行い、逐次実施に移していく。

2.政治資金の透明性を高めるための措置

 政治資金の透明性をより高めるため、以下の通り政治資金全体についての情報開示を一層すすめるための措置を講ずる。

1)党HP上での政治資金収支報告書の公開

 政治資金の情報開示をより積極的にすすめるため、本部については平成14年分から政治資金収支報告書を党HP上で公開することとし、都道府県連および現職国会議員、公認予定・内定候補者が支部長を務める総支部については、事務作業を勘案し、平成15年分から公開できるよう準備を行う。その他の支部については、同様の措置を期待しつつ、各都道府県連に委ねる。

2)政治資金収支報告書の外部監査の導入

 現行法では、政党本部の政党交付金使途等報告書に限り外部監査義務が課せられている。わが党としては、この趣旨に則り、本部については平成15年分から、支部については平成16年分から、政治資金収支報告書の公認会計士、税理士などによる外部監査を導入する。このため、本部分の外部監査導入準備を急ぐとともに、支部における外部監査の基準および実施方法等の検討・準備を行う。

3)国会議員のより踏み込んだ資産公開

 現行法では、国会議員本人の資産に限り、その公開が義務づけられている。わが党としては、閣僚等の資産公開基準に合わせ、その対象を配偶者および扶養する子に拡大して、任期開始時に公表することとし、衆議院議員については次期総選挙から、参議院議員については次期通常選挙から実施するものとする。

4)公設秘書名および主たる勤務地などの公表

 国会議員の公設秘書の氏名およびその主たる勤務地、および一定範囲内の親族である場合にはその旨を、毎年1月1日および7月1日を基準日として公表することとする。

以 上


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