水俣病関西訴訟最高裁判決について（談話）

民主党『次の内閣』ネクスト環境大臣
佐藤 謙一郎

本日、最高裁で水俣病関西訴訟の判決が言い渡された。二審に引き続き、国と熊本県の責任を認めたこの最高裁の判断は極めて重く受け止める。そしてこれを「公害の原点」と呼ばれる水俣病の1956年の公式発見以来、1995年「政治決着」をも経てたどりついた半世紀に及ぶ長い係争の真の終着点としなくてはならない。

民主党はまず、このように係争を長引かせ患者・被害者、家族の方々に二重三重の苦しみを与えてしまった要因が、今回の最高裁の判断の如何にかかわらず、立法府と行政府の「怠慢」にあったと反省せずにはいられない。ここに改めて患者・被害者、家族の皆さまに心よりお詫びを申し上げる。また、国は長きにわたり責任を認めてこなかったことについて、被害者や家族の方々に謝罪すべきである。

患者・被害者、家族の皆さまのご苦労がこの長過ぎた係争の終着点をさらに超えるようなことは許されない。そしてこの未曾有の悲劇を未来に活かしていくことのみが、患者・被害者、家族の半世紀に及ぶ苦悩の歴史に私たちが応える唯一の途である。

水俣病問題は、国民一人ひとりのいのち・暮らしや自然環境よりも産業・経済成長を優先させた過去の「負の遺産」にとどまるものではない。

民主党は、この水俣病の教訓を活かし、食品や医薬品の安全性問題から生活や自然を破壊する大規模公共事業まで、いまだ利権・権益擁護を優先する自民党型政治に終止符を打つ政治改革にさらに全力をあげる。

未曾有の悲劇で地域社会に甚大な影響を受けた地元水俣市では、市民が一丸となって環境と調和したまちづくりを進めているという。私たちすべての国民一人ひとりが、水俣の告発を風化させることなく水俣を未来に活かす途は、その水俣市民の姿に示されている。

民主党は NO MORE MINAMATA を世界に発信しつづける。

以　上