2005年8月2日 戻るホーム民主党文書目次

第341回本部常任幹事会承認

2005年東京都議会議員選挙結果について


2005年東京都議会議員選挙は、6月24日に告示され、7月3日に投開票された。民主党は、今回の東京都議会議員選挙を、一地方議員選挙ではなく、次期衆議院総選挙にも重要な影響を及ぼす「前哨戦」と位置づけ、東京都連と本部一体で、「東京都議会議員選挙対策本部」を設置して、たたかいを進めた。

1 選挙結果について

3日投開票された東京都議会議員選挙において、民主党は、過去2番目の、43.99%という低投票率の中で、石原都政の与党である自民・公明による過半数の壁を崩すには至らなかったが、民主党が改選前の19議席(前回選挙時22議席)から35議席(公認)まで伸ばし、「都議会第2党」となり、先の衆参選挙の流れを引き継いで、2大政党化の流れを東京都議会でも定着させる議席増をかちとった。

一方、自民党は、現有51議席(前回選挙時53議席)を守れず48議席にとどまり、得票率においても過去の実績を下回る退潮傾向を示す結果となった。公明党は全員当選の23議席を維持し、共産党は13議席、東京・生活者ネットワークは3議席とそれぞれ議席を減らした。

2 選挙戦の成果と反省

(1)候補者擁立作業について
今回の都議選にあたって、第320回本部常任幹事会で決定した、(1)空白選挙区の解消をめざす、(2)定数3名以上の選挙区における複数候補者擁立をめざす(今回、都議選では定数4名以上の選挙区に複数候補者擁立)、(3)女性地方自治体議員候補者の積極的擁立をめざす、との「都道府県議及び政令市議選挙における候補者擁立方針」に基づいて、東京都連は、全42選挙区で51名の公認候補者と7名の推薦候補者を擁立した。

この「候補者擁立方針」の具体化は、民主党の地方における「足腰」をより一層強化し、政権交代を担うに相応しい地域基盤を強化するために決定された方針であり、東京都議選は、その最初の試金石であった。空白区を解消し、全42選挙区における候補者擁立を実現したこと、定数4名以上の選挙区において複数候補者を擁立したこと、現職・新人を含めて8人の女性候補者を擁立したことは、善戦健闘し惜敗した選挙区を含めて、「都議会第2党」達成の大きな原動力となり、首都・東京における民主党の党勢拡大に大きく貢献するものとなった。

今後、都議会第1党への躍進を果たすために、今回の成果と反省に立って、擁立経過、選挙区情勢分析・選挙結果等を詳細に検討し、複数当選選挙区のさらなる拡大や1人区選挙区における議席拡大などを達成し得る、より一層周到な準備を積み重ねていく必要がある。

(2)選挙態勢等について
51名の公認候補者の選挙態勢を確立するために、各小選挙区総支部長の日常的なバックアップ態勢をベースに、所属衆参国会議員による個々の都議選候補者への支援議員登録を行って、支援態勢を強化した。また南北関東ブロック及び所属県連では、支持者名簿集約、地方自治体議員による個別都議選対応援など、独自の支援対策を実施し、東京都連への支援を強める取り組みを行った。さらに複数候補擁立選挙区には、複数当選をめざして党幹部遊説の重点遊説を実施するなど、必ずしも個々の都議選候補者が万全な選挙態勢を確立していない中で、これらの現地総支部・都連及び支援議員・近隣県連・対策本部等による応援が、選挙戦推進の大きな力となった。

しかし、選挙時点のみならず、各都議戦候補者と小選挙区総支部長が連携して、後援会活動などの支持者拡大を一層推進することや、民主党と連携しうる各種団体等の発掘・育成など、日常的に党の支持基盤を拡大強化していく課題は、依然として緒についたばかりであり、次回選挙に向けた東京都連の引き続きの努力が求められている。

(3)マニフェスト選挙について
今回の都議会議員選挙にあたって、東京都連は、地方自治体議会議員選挙としては、初めて「ローカル・マニフェスト」を作成し、都議会選挙における選挙争点を明確にして、取り組みを進めた。この「東京マニフェスト2005」は、「震災対応力」を柱に、「7つの約束」と23の政策提案を掲げた。都議選開始前段から、都内全域で「マニフェスト号」を運行して、各選挙区における事前宣伝に努め、都民からの意見・要望を募る中で、171件の「ピープルズ・コメント」が寄せられるなど、マニフェストを深化させるプロセスとともに、意欲的な試みであった。

今回の都議会議員選挙は必ずしも「マニフェスト選挙」となった訳ではないが、東京JC等によって開催された「各選挙区公開討論会」など、政策争点を鮮明にして有権者の審判を仰ぐ、選挙本来の意義を明確にし、民主党の基本姿勢・政策をアピールするうえで有効な取り組みとなった。

しかし、一方では、マニフェスト策定が短期間での作業を余儀なくされ、マニフェスト策定プロセスが十分に活用し切れなかったこと、各都議候補のマニフェスト活用にバラツキが生じたり、支援団体等を含めた各界各層とのマニフェスト・ミーティングの開催ができなかったことなど、マニフェスト選挙を全体化していく課題については、不十分な面があった。今後は、マニフェスト自体が、都議選候補者全体の重要な武器として活用されるよう、一層取り組みを強化していく必要があると考える。

(4)今後の課題等について
今回の都議選にあたって、各党ともに次期衆院選に向けた中間選挙と位置づけて、国 政選挙並みの態勢で臨んだ。しかし、直近に国政選挙を控えた都議選ではない単独選挙であったことや、政策的な争点に乏しい「争点なき選挙」と言われたことを含めて、低投票率選挙が危惧された。

自民党は小泉ブームが去った今回、「現有51議席が勝敗ライン」とする「守りの選挙」を徹底させた。業界団体などの旧来の支援団体の組織力や日ごろの候補者の運動量をフルに発揮させるとともに、選挙中5日間、初めて石原都知事を激戦区の自民党候補に投入し、また16選挙区、17人の自民党都議候補者が初めて公式に公明党から推薦や支持を受け、石原都政の知事与党の立場と、自公連立政権の実績を強調した選挙戦を展開したが、議席及び得票率をも減少させる退潮傾向を払拭することはできなかった。

これに対して民主党は、「東京マニフェスト」を掲げて都政における重要政策を明確にするとともに、石原都政をチェックすべき都議会が自公知事与党によって形骸化している現状を改革するために、民主党の議席増が何としても必要であることを強く訴えた。

また国政上の課題では、一向に改まらない税金のムダ使いと国民負担増、袋小路に入り込んだアジア外交、老後の生活に直結する年金制度の抜本改革、国民の関心と本来の改革レールから外れた郵政民営化など、行き詰まる小泉改革の本質を強く訴えて選挙戦を取り組んだ。とくに、選挙戦直前に発表された政府税調による「サラリーマン増税路線」は、小泉改革によって生じた借金財政をサラリーマンにツケ回すものとして、多くの都民の反感を呼び起こすものとなった。

低投票率の中、「争点なき選挙戦」と言われつつも、2大政党による激突が行われ、有権者の選択は明確に示された。今次、都議選の選挙結果は、都政・都議会における民主党の役割、また政権交代をかけた民主党の今後の取り組みに、次のステップを要求している。

選挙結果は、大都市の有権者が地方自治体議会でも「2大政党化」への流れを選択したことを示し、民主党への期待感が「都議会第2党」へと躍進させる結果を持たらした。都議会の閉塞感を打ち破り、都政との緊張感を維持した、活気に溢れた都議会改革の実現に向けて、「都議会第2党」となった民主党の真価が問われている。有権者の負託は、都政と都議会の「是々非々」関係の中味を問い、石原都政に対してより一層メリハリのきいた、民主党の一致結束した対応を求めている。

また、今回の都議選結果を踏まえて、国民無視・国会軽視の姿勢を続ける小泉自公政権に対して、政権交代で日本を変えるための民主党の取り組みは、いよいよ本格的な準備が求められている。都議選で示された有権者の期待をしっかりと受けとめ、次期衆議院総選挙における政権交代の実現へ一層の取り組みを推進しなければならない。 

以上


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