1999年9月11日 戻るホーム民主党文書目次

菅直人候補の抱負


 本日あらためて民主党代表選挙に立候補しました菅直人でございます。まずはこの民主党が出来て1年半。あるいは旧民主党から数えまして約3年、鳩山さんにも横路さんにも、また羽田幹事長をはじめ多くの皆さんに私を支えていただいたことをこの場を借りてお礼を申し上げます。どうも本当にお世話になりました。国民の皆さんにも、この1年半、民主党をお支えいただいたことを大変ありがたく思っております。

 しかし、ややもすれば、野党第一党としての民主党、皆さんの期待に十二分に応えられたか、そう言われるとまだまだ不十分な点が多々あったと思います。私も野党第1党というものに身を置いたのが、この民主党になって初めてありましたし、初めての経験が次々に連続しました。しかし、この党首選を通してもう一度あらためて野党第1党として、政権を担いうる政党に、そういう政治に変えていきたいと、心新たに決意をして、立候補いたしました。

 私はまずこの党首選を、総理大臣を選ぶ選挙の準決勝であるとの位置づけています。今、同時に行われております自民党の総裁選挙からひとりの総理大臣候補が選ばれ、そして野党第1党のこの3人の中から、ひとりの総理候補が選ばれる。その選挙は各党の中で行われるわけですが、決勝戦はすべての国民の皆さんが参加する総選挙で行われる。そういう形をとることで、国民の皆さん一人ひとりが自分が選んだ総理大臣なんだという気持ちが持てますし、また選ばれた総理大臣も何か派閥の力学でなったというんじゃなくて、国民が選んでくれた総理大臣なんだという、そういう国民と総理大臣の関係が出来たときに、私は日本の政治が国民主権の政治に変わる第一歩になると、このように考えております。

 日本の現状は本当に厳しい状況にあります。私は日本の力が本当に失われたとは思いません。本来まだまだ力がある、若い人たちにもいろんな提案がある、そういう日本の本来持っている力を発揮できない現状の問題点が、今私たちの前に立ちはだかっていると思います。例えば、官僚の皆さんが事実上政治と行政の7,8割を独占し、あの薬害エイズでも金融の破たんでも、ちょっと失敗するとそれを隠してさらに大きな失敗をし、それをさらに隠して、すべての国民に戻っていって、しかし取るべき責任はいっこうにとらない。こういうあり方ではなく、まさにとるべき責任はとって、もっと幅広い国民の中から行政の中、政治の中にどんどん参加してもらう。ベンチャー企業が今大変必要だとされていますが、今政治においてもベンチャー精神、創業者精神を持った若い人たちがどんどん出てきていただくことが必要だ。民主党は、そういう創業者精神を持った政党として、新しいものを目指して行くべきだと思います。

 のちほどご質問もあると思いますが、私は大政翼賛的な自自公政治に対決をすると同時に、未来に対して全く無責任な今の小渕政権に対して、未来にきちんと責任を持った形で、福祉の問題、経済改革問題に取り組んでいきたいと思います。

 今回の党首選を通して、「民主党、結束は大丈夫なのか」とご心配をいただいております。しかし私は、候補者はもちろん民主党に集っているひとり残らずが、この民主党を野党第1党として政権交代の担い手として結束を強めていかなければならないという思いは、変わらないと思っています。結束を保って、野党第1党として国民の皆さんの期待に応えられるように、私も頑張りますので、どうか皆さんのご支援をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


1999年9月11日 戻るホーム民主党文書目次