1999年9月11日

戻るホーム民主党文書目次


横路孝弘候補の抱負


 民主党の代表選挙に立候補した横路孝弘です。どうぞよろしくお願いいたします。

 今の政治の中で、野党第1党としての民主党の責任は極めて重いものがあります。今もお話がありましたように、巨大な与党勢力が出来ている。この暴走をしっかりくい止めていくこと、その中心になっている自由民主党としっかりと対決、対峙をしていくことも大事な点でありますし、私たちが対決対峙をしながら、自民党と違うどんな日本の社会をつくっていくのか、そのためにどういう政策を実行していくのか、つまりこの大きな巨大勢力に対する対抗軸の旗をどのように立てるのかということが、私たち民主党は問われている。われわれはそれに対してしっかりとした答えをしなければならない責任を持っていると思っています。

 この代表選挙を通じて、「ああ、民主党。旗がようやくしっかり立ったな」、こう国民の皆さんに評価される代表選挙にしていきたいと、このように思っています。

 私は政治の原点を、やはり弱い立場の人たちを支援することだと思っています。国民の皆さんの仕事を守り、生活を守り、一生懸命働いて流した汗と、そして一生懸命働いて納めた税金、それをしっかりと大切にすることだと思っています。

 世論調査をしますと、今、国民の70%の人たちが将来への不安を訴えています。その大きな点は、雇用の問題と老後の不安であります。高齢者の生活を見てみますと、年収200万円以下という人が全体の40%を占めておられます。恩給と年金だけで生活しておられる高齢者世帯の方が全体の半分です。一人暮らしの女性の方は、年金だけという方が70%なんですね。一生懸命この国のために働いてくれた方たちの老後、その大事な年金を今の自民党政府は切り下げようとしているわけですね。こういうことを許してはいけないと思うんです。積立金が140兆円近くあるわけですから、今の給付の水準は守っていくというのが民主党の政治でなくてはいけないし、政治の責任だと思っています。

 失業の問題も非常に深刻になってきています。世帯主の失業が増えてきて、しかも失業期間が長くなってきている。この時に自民党政府は何をやりましたか。民間の企業に対して、リストラ計画を作りなさい、そのリストラ計画を役所に出せば認めてあげますよ、認めてあげれば税金をまけてあげますよ。こういう産業再生活性化法という法律を通してしまいました。世界中に、政府が民間企業に対して、従業員をクビにしなさい、クビにしたら税金をまけてあげますよという、こんな政府がどこにいったいありますか。

 今夏休みが終わりまして、先日友人から聞きましたが、子どもさんが東京の私立高校に通っている、学校に行ってみたら、友達がひとりふたり転校してしまっているという訳ですね。たぶん親御さんも子どもさんも苦しんで、失業してしまって授業料がなかなか大変だからということだと思うんですね。しかしそれならちゃんと奨学金を増額して手当をするということが大事だと思います。

 今サラリーマンの家庭1300万世帯で住宅ローンで皆さんそれぞれが苦しんでいます。それでなくてもボーナスがカットされて大変なところに、首を切られて失業してしまえばそれはもう大変です。その時に、失業したときに元本の返済を猶予しましょうというのが、やっぱり政治だと思うんですね。私は雇用と年金、このふたつの問題にしっかりとしたセーフティネットを作ること、それが政治の役割であり、私たち民主党の役割であると思っています。

 自自公という違う旗はいくつかありますが、ひとつは、ともかく競争と効率ばかりを進める中で−−経済はフェアな競争を前提として効率的であった方がいいと思いますが、社会はやはり公平で、安定、安心のある社会でなくてはいけないわけです。雇用や年金に安心感があることが、経済の活性化していく前提になるんです。冷たい今の政治に対して、あたたかい政府をしっかりと作る、その旗を立てていくことが、私は民主党の一つの対抗軸だと思っています。

 こういう対抗軸をこれから、例えば、特別な集団に利権を配分する政治から市民が主役の政治をつくっていくとか、いくつかの対抗軸があると思います。そのことをめぐって、菅さん、鳩山さんと議論をしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。


1999年9月11日

戻るホーム民主党文書目次