2003年7月25日(金) | 戻る/ホーム/記者会見目次 |
岡田克也幹事長 定例記者会見要旨
■参院問責決議と衆院不信任決議
【幹事長】まず昨日、参議院で外務大臣、防衛庁長官、そして官房長官の問責決議案を出しましたが、それぞれの大臣の責任が明確になったと思います。
それを受けて、先ほどの代議士会で野田国対委員長から報告があったように、衆議院に内閣不信任決議案も出し、やがてその採決が行われるということです。
これは1つの190日間の国会の総括・締めくくりということでありまして、我が党の菅代表が出て、今までの190日間、もっと言えば2年半の小泉政権の総括・総くくりをやるということです。
その結果として解散ということになれば、これは我が党としては堂々と受けて立ち、国民の審判を仰ぐということになります。
とくにかく、非常に重要な局面です。堂々と代表にはその所信を述べていただき、国民に分かりやすい、なぜ我々が小泉内閣に対し不信任案を出すのかという説明をしていただきたいと、非常に期待しているところです。
■自由党との合併問題
【幹事長】それから、自由党との合流問題ですが、合流について党内的には両院議員総会、それに先立つ常任幹事会で異論なく認められていますので、そういう意味で党内的な第一次的な手続きは終わっています。
あとは具体的な詰めといいますか、合併準備委員会の中で藤井幹事長と私が中心になって具体的な問題を議論し決めていく、そういう局面になっています。
まだ藤井幹事長とは正式にご相談していませんが、来週には第1回の準備委員会がなるべく開けるように、日程的にもかなり厳しい日程ではありますが、第1回目が開けるように下打ち合わせを両党間でしていきたいと考えています。
まだ藤井幹事長とは話していませんが、やるべき課題はたくさんあります。2つの政党が1つになるわけですから当然ですが、その中でも特に急がれるのは選挙の問題ですので、選挙区の調整につきましては、すでに両党代表・党首の合意文書の中に2つの基準が書かれていますが、現職、小選挙区で勝った人が優先する、それから惜敗率の高い人を優先する――そこまでは書かれていますが、それ以外のことは触れていませんので、それ以外の場合、例えば新人候補者同士の場合ですとか、あるいは惜敗率でいうと新人といいますか、現職でないほうが上だけども、(復活当選に必要な)両党の惜敗率の違いから惜敗率の低い方が今現職として現にいるというケースですとか、そういったそれぞれのケースについてどういうふうに対応していくのか。
これは、基本的な考え方をまず整理したうえで、個別具体的な話をしていったほうがいいと思いますので、すでにある2原則に加えてもう少し原則を議論して、その上で個別の当てはめをしていくべきではないかと現時点では考えています。
■民主党本部収支報告の公開
【幹事長】3点目ですが、今日の午後6時から我が党のホームページで平成14年度の党本部としての収支報告書と使途等報告書の公開を行います。
これは、一般に公表されるタイミングに先立ってということと、ホームページでアクセスできるようにする、公開するという点に新しさがあるわけで、発表後は総務省に行けば見られるわけですが、誰でもがアクセスできるなかで、そこにもし問題があれば、間違いや誤魔化しがあればたちどころにチェックできるような形にしていく、つまり説明責任を果たしていくということです。
ただ、1点だけおことわりしておかなければいけないのは、基本的に全部載せるということですが、個人名がいろいろ出てきます。
特に党で政調などでお呼びして講師として謝金を払っているケースというのがあります。例えば4万円とか5万円とかですね。
そういった場合に個々の名前や住所まで政治資金収支報告書や使途等報告書には載っていますが、それをホームページで全部公開することがプライバシーの保護との関係でどうなのかと。ここは議論があるところです。
したがって、今回そこは件数と金額だけを公開してまして、名前や住所は省略させていただきました。
(来年公表する)今年度分については、お金をお支払いするときに、こういう形でホームページに金額と名前が出るということをあらかじめお断りするという扱いに最近切り替えましたので、それ以降のことは載せることが可能ということになります。
ただ、その場合にも、細かい住所・番地まで含めて載せるのがいいのかどうかと。これは、議論をもう少し要するところではないかと考えています。
少なくとも、名前は来年度分は載せる方向で今、検討しているところです。
■九州豪雨災害
【幹事長】最後に、九州地方の豪雨災害の問題につきましては、今日の午後、第1回の対策本部を開催いたしました。私が本部長なんですが、現地に行かれた大畠ネクスト内閣府担当大臣、島ネクスト防災担当総括副大臣、その他関係者の皆さん、あるいは関係省庁から状況をヒアリングしたということです。
特に、水俣市長から調査団に対して「激甚災害の早期指定」あるいは「被災者の生活再建へのサポート」等々、ご要望が具体的に出ていますので、こういった問題について我が党としても政府に働きかけをする。そのことを確認させていただいたところです。
<質疑応答>
■合併問題と旧党派の壁
【記者】合併の問題なんですが、民主党結党から5年、旧党派の壁を乗り越えようと苦労を重ねてこられたと思うんですが、新しい方々が入ってこられることについての認識をお聞かせください。
【幹事長】もちろん、我が党は政権を取っていくために国会議員の倍増ということになるわけですから、そういう意味では常に新しい血が入ってくるというのは我が党の宿命であり、またそれが大きくなっていくための必要条件でもあります。
自由党と民主党は5年間のブランクがあります。その前には一緒の党だった方も多いわけですが、いろんな党の政党文化の違いとかそういったものはあると思いますが、是非民主党の政党文化に早く馴染んでいただきたいと思っています。いろんな形で交流していくなかで、そういうものができていくんだと思います。
■衆議院と参議院の対応の違い
【記者】今国会ではイラク人道復興支援法について野党はいろいろと抵抗していますが、元々民主党はイラク法案には反対の態度を取っていたとは思いますが、今の参議院での対応は衆議院での対応とは大分違うように見えますが、この違いはどういったことから来てるんでしょうか。
【幹事長】民主党の対応ですか? いや、基本的には変わっていません。
ただ、我が党は自衛隊を海外に出すことについて、頭から反対という立場は取っていません。そこは社民党さんや共産党さんとは違うわけですね。国会審議の中でしっかり議論をする、議論をしながら賛否を決めていくという考え方でした。
議論をしていったなかで、例えば戦闘地域と非戦闘地域の区別ができないことがはっきりしました。そんな議論をしていくなかで、具体的な問題が出てきました。
あるいは、戦争が終わったのか終わらないのかということについても、まだ戦闘状態が続いているということも明確になったと思います。
そういう中で我が党としては、これは戦地に自衛隊を送るものである。そして同時に我々はイラクの国民のための支援は必要だ、是非しなければいけないと考えてきましたが、今回の法案の実態は米英軍に対する後方支援であって、イラクの国民に対する支援ではないということも判断できましたので、そういった観点を踏まえて強く反対をするという立場を取っているわけです。
■参議院での対応への批判
【記者】今の関連なんですが、結局反対をされていると。徹底審議をするとおっしゃってるんですが、その一方で昨日の夜のような問責とか、不信任も先ほど出されたわけですが、国民から見ると非常にわかりづらい。本当に時間切れにするなら、もっと例えば全閣僚の問責を出すとか牛歩をするとか、他にも方法があると思うがそこまではしない。かといって衆議院の委員会のようにすんなり採決に応じるわけではないと。なんとなく中途半端に見える、本気じゃないんじゃないかと思われる、それに関してどう思われますか。
【幹事長】何をしても文句は言われると思いますが、我々は議会のルールの中で最大限のことをしようと思っています。牛歩の話も出ましたが牛歩はハプニングです。これは我々が目指すものではありません。
問責決議をどんどん出す、今回の法案に関わる3大臣以外にも問責決議を出すというのは、これも1つの考え方だと思いますが、やや牽強付会というか、こじつけの感は否めないと思いますし、恐らくそういうものを出してもそれが意味がある、効果があるような形にはならないのではないか。
つまり委員会の審議はそれに関係なく進んでいくのではないかと思われますので、そういう意味で取り得る最大限の努力をしている。廃案に追い込むためにやっているということをご理解いただきたいと思います。
■自由党以外の政党との合併
【記者】合併問題なんですが、先日、菅代表が自由党だけではなくてさらに加わる人もいるかもしれないという発言をされましたが、それについて幹事長のお考えと、そして恐らく社民党のことを念頭に置かれていると思うのですが、党丸ごとということではなくて。もし、そういうことがあるとすれば党内で何か対応を考えていらっしゃるんでしょうか。以上2点をお伺いします。
【幹事長】私は、代表のご発言はちょっとニュアンスが違うんだと思いますが、基本的には自由党と合流をする。しかし、政権交代を実現していくためには、より大きな勢力の結集が必要である――こういうことで、これは1つは永田町の中だけの話ではなくて、永田町の外、例えば最近我々が非常に努力をさせていただいている改革派の知事さんとか、経済人とか言論人とかいろんな各方面との連携の中で政権交代を実現していくということが1つ。
もう1つは永田町の中での話になりますが、具体的には例えば無所属の方とかいろいろな方がいらっしゃるわけですから、そういう方にも呼びかけていきたいと思いますし、社民党の件は菅さんが新聞各紙のインタビューで述べておられるそのとおりだと私は思いますが、今、社民党に対して合流の働きかけをするというような状況に、残念ながら社民党さんのほうはないんだと思います。
だからといって今、個別に社民党の議員に声をかけて、社民党を辞めて民主党に合流しないかと、そんな失礼なことは友党としてすべきことではありませんので、そういう意味で社民党に関してはしばらく時間を置くしかないと判断しています。
■自由党の政策とのすり合わせ
【記者】今回、自由党の方々が民主党に合流するということになるわけですが、国民にしてみれば選挙がもっと面白くなったという点はあると思うのですが、政策のすり合わせはどのように進めるのでしょうか。
【幹事長】まず、自由党の議員個々が民主党に合流するのではありません。自由党全体が民主党に合流するということです。そこはやや誤解があるかもしれませんが、今、私が言ったことが正しいことですので、そこはご理解いただきたいと思います。
その上で、政策についてどうするのかということですが、これは両党間のトップの間ですでに合意ができています。
つまり、民主党の政策、規約、マニフェストそういうものは踏襲するということですから、政策的には民主党の政策が合併したあとも、その政党、「新しい民主党」と言うべきかもしれません、その政党の政策になる。基本的にはそういうことです。
【記者】つまり、党の政策の見直しということはしないで、現在持っている民主党の政策をそのまま引き継ぐということですか。
【幹事長】基本的にはそういうことです。
【記者】でもそうすると、自由党の方たちは自分たちの結党の精神があったわけだからということで反発が予想されますよね。そこはどう対応するんですか。
【幹事長】そこは小沢党首自ら語っておられますが、政権交代という大きな目標のために、政策の違いというものは乗り越えると言っておられます。
つまり、自由党には自由党の政策が確かにあったと思いますが、私は民主党とそう極端に大きな差はないとは思いますが、基本的には民主党の政策に合わせていくという決断をして、今回の合流ができ上がったということです。そこは私は、小沢党首の政権交代を実現するためにという決断を改めて高く評価します。
もちろん、今後同じ党になったときに党の中で様々な議論をしていきます。旧自由党の方もその議論に参加していただきますので、そういう方の意見を取り入れながら党の政策が変わっていくということは当然あり得ることだと思います。しかし、スタートは今の民主党の政策だということです。
もう少し具体的に申し上げると、当面は選挙に向けてのマニフェストの作業ですね。その作業を今、党内でしていますが、自由党の従来のお考え、法案なども出しておられますが、そういうものをしっかりお伺いする機会をつくって、そして我々のマニフェストにもその中で取り入れられるものは取り入れていく、そういう作業は必要だと思っています。
■社民党との選挙協力の今後
【記者】社民党の話に関連するのですが、先ほどは合併についての話でしたが、選挙協力についても話す時期はやはりもう少し時間をおくべきだとお考えでしょうか。
【幹事長】我々はいつでも早く話をしたいと考えています。ただ、相手のある話ですので、そこは社民党さんがどういうふうにお考えになるか。いつでも我々としてはお話をしたいと思っています。
編集/民主党役員室
2003年7月25日 | 戻る/ホーム/記者会見目次 |