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小沢一郎代表 定例記者会見要旨

○村上ファンド関連会社からの秘書給与肩代わりに係る松井孝治議員の説明について
福井日銀総裁の村上ファンドへの投資の立場上の責任と出処進退について
政府・与党の教育基本法改正案について
秋の補欠選挙の持つ意義
イラクからの陸上自衛隊撤退の正式決定について
党首会談について
北朝鮮のテポドン2号の問題と国連安全保障理事会への付託について

<質疑応答>

■村上ファンド関連会社からの秘書給与肩代わりに係る松井孝治参院議員の説明について

【記者】松井孝治議員の記者会見の報告を受けられましたか。

【代表】概略の報告は受けました。

【記者】その報告を受けて、松井議員自身は説明責任を果たしたと代表は受け止めていますでしょうか。

【代表】最近「説明責任」という言葉が流行していますが、それがどういう意味かは別にして、松井議員が行ってきた事実について、きちんと全てを皆さんの前でお話をし、自分自身のそれに対する姿勢もきちんと述べていただろうと思います。

【記者】この会見を受けて、松井議員に対する党としての処分は何かお考えでしょうか。

【代表】党としての処分ということ以前に、こういう問題はすべからく、まずは本人の判断で、国会議員なのですから、きちんと本人自身が、今日、皆さんの前で自分の事実をきちんと述べて説明し、反省しているところは反省しながらも、きちんとまた自分の職責を全うしようと述べているので、詳細はいずれまた機会があれば本人に聞きたいと思っていますが、党として処分云々ということを今の時点で考えていません。

■福井日銀総裁の村上ファンドへの投資の立場上の責任と出処進退について

【記者】一方で、村上ファンドへの投資をめぐって、日本銀行の福井総裁が、きょう国会へ報告しましたが、改めて福井日銀総裁という立場の責任についてどのようにお考えになり、出処進退についてどうすべきとお考えですか。

【代表】これは国会議員全体のうちの1人ということ以上に、はるかに大きな影響を持つ立場にある人だと思っています。特に日銀総裁という金融の最高責任者でありますから、その金融の総元締めが投資ファンドに、日銀総裁に就任しても投資ファンドというよりも投機ファンド的な性格を持っているものに対して、何ら立場を考えずに投資し続けたことは、その責任の重さからいっても大変不見識な問題だと思っています。

 そういう意味において、私がどうこう言う前に、自らその職責をきちんと認識し、そしてその職責に照らして適切妥当な行為であったかどうか、自ら真剣に深刻に判断すべき問題であると思います。

【記者】いまの質問に関連しますが、日銀の福井総裁の行った行為について、代表自身は、辞任に値するものだとお考えでしょうか。

【代表】日銀総裁として、非常に不見識な問題のある行為だと思います。それ以上のことはありません。

■政府・与党の教育基本法改正案について

【記者】教育基本法改正についてお聞きします。先週、全国の大学教授およそ1600人が、政府・与党案の廃案を求める声明を衆議院の特別委員会に提出したようです。その内容は、与党案では教育が国家の統制下に置かれるのではないかと懸念し、いまの時点での改正の根拠が見つからないという2点を挙げていますが、政府・与党案について、どう思われますか。

【代表】その人たちがどのような基本的考え方を持っているのかは分かりませんが、政府・与党案では、今日の教育の問題について、何ら解決をもたらすような案ではないと思っています。

 マスコミは愛国心云々のところだけ一生懸命気にしていて、他の部分を全く忘却していますが、日本の学校教育、教育行政というのは、敗戦後の占領政策の中で形づくられたものであることは事実です。だから良いとか悪いとか、という問題とは別にして。そういう意味で、いまのような教育の仕組みでいいのかどうかということについての視点が、自民・公明党案にも、あるいは今お話のあった1600学校の先生がどうお考えか分かりませんが、その他の皆さんも、その視点が全く欠落していると思います。どうぞひとつ、我が党の案を細かく読んでいただきたいと思います。

■秋の補欠選挙の持つ意義

【記者】補欠選挙についてお伺いします。きょう衆院大阪9区補欠選挙の候補者が正式決定しましたが、改めて秋の補欠選挙が持つ意義と、これに対して民主党はどのようにたたかうか、お聞かせください。

【代表】それは今回の10月の補欠選挙だけの問題ではありませんが、特に時期的に、来年の統一地方選挙、そして参議院選挙と近くなってきているので、そういう意味では、一層それらと関連しながら、何としても国民の皆さんの理解、支持を得たいと思っており、全力で取り組んでいきたいと思っています。

■イラクからの陸上自衛隊撤退の正式決定について

【記者】きょう小泉総理は、自衛隊のサマワからの陸上自衛隊の撤退を正式に発表しましたが、陸上自衛隊は撤退しても、航空自衛隊は今後サマワへの補給物資だけではなく、バグダッドへの米軍及び多国籍軍への物資輸送など、業務の拡大を一方で行おうとしていますが、こうした動きについて、民主党としてどのようにお考えでしょうか。

【代表】お話のように、陸上自衛隊は、外国の軍隊に治安維持は守ってもらって給水などを行っていたということですが、それがもう自衛隊を守ってくれるところがいなくなってしまうから撤退ということになったように見えますが、その半面で空の方は、単なる自衛隊に対する物資の輸送だけでなく、お話のように米軍その他の支援活動を行うという意味で、仕事の量の拡大以上に、その質的中身も、政府・与党が言っていた以上に結果として踏み込んでいくものではないかと思っています。この陸上自衛隊の撤退を小泉総理自身がショーアップするようなものでもなければ、実態もそうではないと私は見ています。

■党首会談について

【記者】関連して、きょうの党首会談には民主党は出席しませんでしたが、社民、共産両党は、陸上自衛隊の問題を含めて出席して小泉総理に意見を言うべきだったのではないかという考え方を示していましたが、やはりそれよりも出席しないことで、小泉総理の手法について問題を指摘するお考えが強かったということでしょうか。

【代表】以前にも何度か、野党党首の皆さんの意見を聞きたいということで、党首会談に呼び出されて行ったことはありますが、意見を言ったからといって全然参考にするわけでもないし尊重するわけでもない。ただ、そういう形をとったという形を残すだけの話です。だから私はそういう意味で、それは責任の所在をむしろ不明確にする、あまりよろしくない我が国の慣例、手法だと思っています。

 私は以前に党首会談で数回出たときも、我々の考えというよりも、まずは総理としての自分の考えを言いなさいと、その都度申し上げてきました。しかし全然、その時にも、ご自分の考えは言わない。

 イラク戦争開戦時もそうでした。私が追及し、アメリカに協力するのかと聞いたら、「いや、その時の雰囲気で考える」と。何か別に2人でデートする話ではあるまいし、外国に軍隊を送るというのに、その時の雰囲気で考えるという程度の話なのです。私はその2つ、内容においても、そしてその(会談の)持ち方、両方について問題があると以前から考えを持っていました。

 そして特に今回は、それにかてて加えて、野党党首会談と言いながら、国民新党と新党日本は声を掛けないし呼ばないということを皆さんはよく考えてほしいと思います。よっぽど気に入らないということは想像がつきますが、政党として国会に僅かとはいえ議席を持っているわけだから、自分が気に入らないからといって呼ばないという、本当に自分本位の勝手気ままなやり方がまかり通ることは、私は日本の政治のあり方に、本当に危険な、また悪い影響を持つものだと思っています。憲政はどうあるべき、政治はどうあるべきということを改めて言うまでもなく、こうしたやり方を許容すべきではない。むしろ糾弾、指弾されるべき小泉総理の恣意的なやり方だと思います。

【記者】いまの質問に関連して、小沢代表は党首会談に参加しなかったのですが、仮定の質問になりますが、会談した場合、小泉総理に対して意見を述べるとすれば、どのような意見を言おうと思われたでしょうか。

【代表】私は最初から言っているように、イラクへの自衛隊派遣には反対であり、派遣すべきではないと。私の考えは、国連のきちんとした行動であれば別ですが、アメリカが始めた戦争に協力する余地はないと、ずっと前から言ってきています。

■北朝鮮のテポドン2号の問題と国連安全保障理事会への付託について

【記者】北朝鮮のテポドン2号の問題について、発射された場合、日米が国連の安保理への付託や日本独自の経済制裁を政府内でも検討すべきという意見があります。一方で、発射されなくても、もともと北朝鮮は核保有を宣言した段階で安保理の付託の検討に値するのではないかと思いますが、これに対する見解をお聞かせください。

【代表】君の言った通りだと思うよ、僕もそう思う。ただ、いまの例えばブッシュ政権のやり方も、片方は本当か嘘か分かりませんが、核兵器があると言っているわけです。一方でイラクはフセインが「ない」と言っていて、「ない」と言っている方に軍事力で制圧して、「ある」と言っている方には何もしないというのは理屈に合わないと思います。そして核政策そのものについても、もう少し一貫したグローバルに通用する哲学を持ったアメリカのリーダーであってほしいものです。その場その場でいい加減なことを言っていては、世界の国々はついて行くことができないと思います。私はそういう意味で、日本が本当の同盟国であったならば、それはもっとそういった問題についても対等に議論できるだろうけれども、ただ付いて歩くだけというのは非常に残念です。

編集/民主党役員室


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