2006年8月8日(火) 戻るホーム民主党文書目次記者会見目次

小沢一郎代表 定例記者会見要旨

○広島・長崎原爆の日:世界平和のためにより積極的な役割を
「小沢ビジョン」の位置付けについて
参院選公認候補者発表について
川上前衆議院議員の参院選擁立の可能性について
岩手県知事選について
長野県知事選について
参議院選挙比例区の候補者について
安倍自民が誕生した際の対応について
これまでの民主党候補者に足りなかったもの/公募で求める人物像について
靖国神社の自民党内での国家管理化の議論について

■広島・長崎原爆の日:世界平和のためにより積極的な役割を

【代表】一昨日は広島に原爆が落ちた日であり、また明日は長崎でありますけども、この原爆によって亡くなられた方や、いまなおその被爆で苦しんでおられる方々に、心からお見舞い申し上げると同時に、これはやはり国の責任で、きちんとした対応をしていくべきだと思っています。

それはそれとして、このような悲惨な戦争を、唯一の原子爆弾の被爆国として二度と起こしてはならないという、世界平和のためにより積極的な役割を日本は演じていかなければならないと思います。党としてこれらの問題について、菅代表代行を窓口として、いろいろ対応してもらいたいと思います。

<質疑応答>

■「小沢ビジョン」の位置付けについて

【記者】小沢ビジョンについてお尋ねします。発表時期は8月下旬にも、と伺っていますが、そのビジョンの位置付けは私的な考え方をまとめることなのか、あるいは来年の参院選のマニフェストの下地になるものなのか、今後どのような形で党内議論を進めていくお考えか、お聞かせください。

【代表】9月に代表選がありますので、4月の就任時は何しろ突然のことでありましたから、政策論議をかかげる時間も議論する時間もありませんでしたが、この9月に、もし私が代表選に立候補するということになったら、私なりの考え方を今度は明確に示して、党員の審判を仰ぐというのが当然の選挙としてのやり方ではないかと思います。

そして、あとは選挙戦がどうなるか、ということと絡みますが、いずれにしても3〜4日、お盆に休めますので、その時に自分自身もよく考えて、月末になるのか告示直前あたりになるのか分かりませんが、もしそういう自分自身の決断がついたならば、そういう考え方を多少のメモランダムとして出すということになるだろうと思います。

■参院選公認候補者発表について

【記者】参院選の公認候補者の発表がありましたが、重視している1人区について29のうち11選挙区の発表にとどまりましたが、これについては擁立作業が遅れているのか、あるいは戦略的に発表していないという意図なのか、お聞かせください。

【代表】そのどちらでもありません。意図的に遅らせているわけでもありませんし、遅れているわけでもありません。お盆前にということでしたので、それを目標にして、各県連等々を急かせながら良い候補者の擁立を目指してきましたが、お盆前に完全にはできませんでしたけれども、まあまあ良い線で進んでいると思います。

■川上前衆議院議員の参院選擁立の可能性について

【記者】その参院選に関連してですが、先日、鳥取に入り、鳥取2区の川上義博さんと話をされましたが、川上さんついては参院選についてもお考えであるとの報道がありますが、その点について、いまどのようなお考えでしょうか。

【代表】その後まだ川上さんと話し合いはしていません。彼自身もこのお盆にかけて、ゆっくり自分自身も考え、皆とも話をして、結論を出すことだろうと思います。私も早々、後送りするわけにもいかないので、ほどほどの時期で川上さんともう一度話し合って、どちらにするか決めたいと思います。

【記者】小沢代表の意向としては参議院、衆議院、どちらに擁立されたいとお考えですか。

【代表】それはご本人と支持者皆さんの意向を重視したいと思っています。もちろん、この参院選というのは、今までの参院選以上に非常に大きな国政の大転換を促すような意味合いを持っているということは、本人にも皆さんにも申し上げておりますので、あとはご本人と支援者の皆さんがご判断してもらいたいと思います。

■参議院選挙の公認候補者、公認内定者について

【記者】本日決定した参議院選挙の公認候補者・公認内定者の評価をお聞かせ下さい。

【代表】決めた以上は、必ず勝つということを前提として頑張るということです。

■岩手県知事選について

【記者】岩手県知事選についてお聞きしますが、候補者はもう決まっているのではないかと思いますが、どのような人物か。発表はお盆前ということですが、いつごろでしょうか。またその時には小沢代表は立ち会うのでしょうか。

【代表】候補者はいま決まっているわけではありません。しかしご指摘の通りお盆まであと数日しかありません。その方程式を解く以外ないのですが、約束通り、一応12日までに県連から発表されると思います。私はあまり行く必要はないと思うのですけど、来いと言われれば、県政を預かる知事のことですから、行かざるを得ないかなとは思っております。

■長野県知事選について

【記者】先日、長野県知事選がありましたが、投票直前に田中氏支持を表明されて、結果として負けてしまいましたが、そのことについてどのようにお考えか。また田中康夫さんとは、これからどういう協力関係を築いていきたいとお考えか、お聞かせください。

【代表】最初の点については、民主党長野県連の方々の意向として、やはり田中さんに勝ってもらった方がいい、という話だったので、それならばもっと早く言ってもらえればよかったのですが、たまたま記者諸君と顔を合わせていたから、その機会に、田中さんに勝ってもらったほうがいいな、ということを申し上げました。

それから、田中知事は新党日本の党首でありますが、知事選が終わったばかりなので、先ほど橋本元首相の合同葬の式場で少し挨拶はしましたが、まだ今後のことについては話していません。

■参議院選挙比例区の候補者について

【記者】参議院の内定候補者についてお聞きしますが、比例区の内定候補者の中で、昨年の衆院選で落選された方々がいますが、この方々は衆院選で公認できないからなのか、あるいはご本人の意向なのかどうか、お聞かせください。

【代表】ご本人の意向です。比例区については、定数以上というわけにはならないけれども、できるだけそれなりの力を備えた人は候補者として頑張っていただきたいと思っています。現時点でも今日決めた以上にいっぱい意欲を持った方がいますので、それぞれ当分、自力更生で頑張っていただくというふうに考えております。随時これから、そういう候補の予定者、内定者がまた出てくると思います。

■安倍自民が誕生した際の対応について

【記者】来年の参院選で安倍自民と対決する可能性が高いと思いますが、小沢代表は、誰が相手でも関係ないと言っていますが、改めて安倍自民といかに対峙していくお考えかお聞かせ下さい。

【代表】安倍自民ということではなく、戦後長年続いてきた政治・行政の権力の仕組み、あるいはいろいろな制度、そうしものが半世紀以上経過して制度疲労していると。そして大変化の中で、国際化の中で、その矛盾がぎしぎしと、制度の歪みやひずみが音を立てて、いろんな現象として現れている。こんなやり方であってはいけないと。まさに基本から見直し、変えていこう。こういうことが私どもの主張であり、自民党は誰が出てきても官僚の上にのっかっているだけですから、そういう意味で関係ないと。我々の議論の視点は、個人のどうのこうのといったところにあるわけではありませんから、そういう意味で逆に言うと、我々自身の問題でもあると。そういった日本社会の、あるいは戦後体制と言ってもいいけれども、そのこと自体をいかにしたらいいのかを、いかに明確に分かりやすく国民に伝えきれるかどうか、その一点にあるということです。

■これまでの民主党候補者に足りなかったもの/公募で求める人物像について

【記者】今日、候補者公募の関係で有識者会議が開かれましたが、代表の目から見て、これまでの民主党の候補者に足りなかったものは何であり、応募された人たちにどのような要件を求めたいとお考えでしょうか。

【代表】それはいろいろあるけれども、最大の資質としては、一生懸命ひたすら誠実に全力で頑張るという気持ちと、我々が目指すものと同じように大きな志を持ってくれる人であれば、どなたでも良いと。別にそんなに勉強できなくても良いと、私だってそんなにできなかったですから。勉強できるかできないかではなく、本当にひたすらにひたむきに政治に打ち込んでいけるかどうか、その志と、その情熱と誠実さ、そういうところだね。

【記者】今までの民主党候補者に足りなかったところは。

【代表】そういうところ。良いところも悪いところも裏表だからね。自民党の例えば、いつも私は例にとるけれども、選挙に勝つためには何でもする、土下座しようが何しようが何でもやる。それは悪く言えば何かあれだけども、本当にある意味で、政治、自分の目的に対する強い意志と執念だからね。みんな良し悪し、プラスマイナスそれぞれあるけれども、そういったプラスの面をそういう思考でもってやっていく必要がないと駄目だね。楽して国会議員になれるわけないのだから、国民の代表になるのだから、あらゆる全力を投じて国民の代表たらんとする資質を磨き、運動するということだと思います。

■靖国神社に関する自民党内での国家管理化の議論について

【記者】靖国神社の関係ですが、いま自民党のほうで、靖国神社の宗教法人格をなくして国家管理にしようという動きがあり、かつてはそのような議論もあり法案を提出しようとする動きもありますが、この動きに関してどのようにお考えですか。

【代表】国家管理にして、話題の人たちはどうするの?それが分からないのでは議論にならない、国家管理だろうが何だろうが。自民党の方々の消極論も積極論も、明確な理由と結論が分からない、常にうやむやなのです。それでは駄目だと私は言っている。では国家管理にしてどうするのだと、そういうところを、ぜひ与党に厳しく追及して下さい。

編集/民主党役員室


2006年8月8日(火) 戻るホーム民主党文書目次記者会見目次