2007年5月30日(水) | 戻る/ホーム/民主党文書目次/記者会見目次 |
小沢一郎代表 定例記者会見要旨
<質疑応答>
■党首討論を振り返って
【記者】党首討論を振り返って、総理の答弁はこれまでの繰り返しの感があるが、いかがでしょうか。
【代表】5000万件調べるのも、第三者機関を使ってやるというのも、それは別にいいですが、結局、私も何度も繰り返したように、第三者機関を作っても、国民の皆さんの主張をきちんと受け入れる、尊重する前提に立たなければ、同じことではないかと言ったわけです。「あなたが証明しろ」といったことを言われたのでは同じことでしょう。安倍総理は明確に答えませんでした。むしろ「言ってきたのを全部自動的に払うのか」という混ぜ返しはありましたが、私も再度、自動的にとは言っているわけではない、プロセスは必要だが、国民の主張を取り入れるということを前提に立っているのかと。(国民が)証明しろという前提に立っているのでは全然違う。裁判の時には挙証責任を負わされるというのは敗訴に等しい。ましてや、一般の人が国や行政を信頼して年金や保険料を払っているわけだから、当然、国としては全面的に支払うという姿勢で臨むというのが当然だと思います。
■消えた年金の挙証責任に関する総理の姿勢/総理の「政争の具にしてはいけない」発言
【記者】挙証責任に関して、国民のほうに挙証責任があるのかそれとも政府側に挙証責任があるのか明確な答えがなかったことについて、総理大臣のこの問題に対するどのような姿勢が見えてくると思いますか。もう一点は、党首討論の中で安倍総理が「この問題は政争の具にしてはいけない」と話していましたが、実際この問題が政争の具になっているとお考えか、あるいはなっているとしたらなぜなのか、どちらに責任があるのか、お聞かせ下さい。
【代表】安倍総理は、できるだけやります、誠意をもってやります、一年以内に5000万件の記録の照合もできるだけやりますと努力項目はお使いになりましたが、記録のない人に対して挙証責任がどちらにあるかということは全く曖昧だったし、挙証責任は国にあるのだということは、私の言った申立人の主張を基本的に認めるという前提に立つということです。そこは全く言葉を明確にしていなかったから、たぶんそういうやり方はしないのだろうと思います。いまの自民党政権では役所がとても了解するとは思えませんけれども。
政争の具に、というのはいけないけれども、選挙の政策論争にするのは当たり前のことで、当然のことだと思います。政争と言うと、ものすごくレベルが低いからね。
■年金問題に関する国民の意識
【記者】このところ安倍内閣に関する支持率が世論調査で10ポイント近く下がっています。この点についていろいろな原因が指摘されていますが、中でも年金不信で安倍内閣の支持率が下がったという指摘があります。代表から見て、現在の年金問題に関する国民の関心はどのように感じていると考えていて、今日の党首討論では年金一本にテーマを絞りましたが、その狙いはどういうものか、改めて説明いただければと思います。
【代表】年金は自分たちの生活の問題であり、老後の問題であり、国民にとって切実なテーマだと思っています。ですから、その意味で、安倍総理が言う憲法論争など大事なこともありますが、まずは国民の生活不安を解消する、生活を安定させる、そして人心を安定させるということが政治の要諦だと私は思っていますので、そこは我々も明確な主張を今後も選挙に向けて国民に主張していかなければならないと思っています。
■参院選の争点について/政治とカネの問題の今後の追及
【記者】参院選まで2ヵ月を切っていますが、年金の問題を一番の争点にしているのか、また争点していくならどのような形でしていくのか、また政治とカネの問題で松岡大臣がお亡くなりになったことで今後どのように追及をしていくのかお聞かせ下さい。
【代表】とにかく機会、機会でそれぞれが明確にきちんと分かりやすく主張していくという方法しかないです。党は党として、いろいろな広報や運動の機会に、国民の関心のあるテーマについて明確な主張を繰り返していくということしかありません。年金問題はもちろん大きな争点のひとつだと思います。
政治とカネの問題については幹事長以下にお任せしていますが、何も松岡さんが亡くなったからといってその問題が解決したわけではないので、解決しない限りは解決しなければなりません。
■社保庁法案の本会議採決の際の対応について
【記者】今日の党首討論の中で、年金の問題はじっくりと議論すべきだと主張していましたが、それにも関わらず与党側は明日にでも強行採決と言っていることに対して、国会対応は幹事長だと思いますが、代表としてどのような対応をしようとお考えかお聞かせ下さい。
【代表】テクニカルなことは幹事長以下に聞いてください。
■参院選一人区空白区の擁立の見通しについて
【記者】参院選の一人区の空白区についての見通しはいかがか。とくに島根県についてお聞かせ下さい。
【代表】ほぼ方向は定まりつつあるだろうと思います。私の一応の予定としては、合意が得られれば、5日に島根に入りたいと思っています。
■格差問題に関する連合高木会長の発言
【記者】昨日、連合の高木会長が格差について、「いまの日本の最低賃金がアメリカもイギリスも上がるので世界最低だ、これについては政府に期待できないので政権交代しかない、それに向けてこの参院選頑張りたい」とおっしゃっていましたが、それについてのコメントをいただければと思います。
【代表】高木会長が言ったとおりだと私も思います。最低賃金を引き上げることは大きな大事なことだと思っていますが、日本の場合は中小零細企業が非常に大きな割合を占めています。したがって、最低賃金を引き上げることも大変結構ですが、中小零細企業の税制面あるいは投資面等々で十分活力を維持できる方策を同時に考えなくてはならないだろうと思っています。編集/民主党役員室
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