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総選挙向け政策の中の少年法Q&A
Q10 凶悪犯罪を犯した少年は、大人同様に処罰し、罪を償うべきではないでしょうか
民主党は、政府提出の「少年法改正案」には反対です。
「保護と教育を理念とする少年法があるから、少年が社会を甘く見、少年犯罪が相次ぐのであって、少年法を改正して厳しく罪を償わせるべきだ」という意見があります。しかし、少年犯罪の大多数は凶悪なものではなく、また凶悪犯も1970年頃から減少に転じています。凶悪化の一途を辿ってはいません。
また成人なら罰金のところ、少年だから収容処分になることもあり、処分の時に16歳以上になっていれば、刑事処分を科すことも可能で、実例も多くあります。犯罪傾向にある少年を保護する「虞犯(ぐはん)」という規定もあります。決して少年だから処分が軽いわけではありません。
「応報」は刑罰の基本理念ですが、あくまでその一つに過ぎず、社会の進歩に伴って、応報から「教育」に刑罰の重点が移ってきたのが歴史の流れです。そして保護主義を基本理念とする少年保護法制が各国で確立し、わが国でも、そのような歴史の流れに沿って現行の少年法が出来ました。不服申立の方法など、手直しすべき点はありますが、少年法の基本理念は堅持すべきです。
裁判官の事実認定能力が低下しているから法改正が必要だという意見があります。この背景には、関係者の少年保護に対する確信と情熱の低下と、少年保護体制の脆弱化があります。日本の司法は長い間、少年事件を軽視してきました。そこが問題の核心なのです。
今必要なことは、社会の少年事件への対応能力を飛躍的に高めることです。それが少年事件を未然に防ぐことにつながります。民主党は、家庭裁判所調査官や少年保護の社会的バックアップ体制の飛躍的な充実と強化により、少年保護に情熱をもった人々が元気になれるよう、全力で応援します。
また民主党は「犯罪被害者基本法」を提案していますが、少年犯罪の被害者についても、この考え方に立って被害者の権利を確立し社会的に支援することを約束します。
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