2006年2月19日

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民主党岡山県連 新代表就任挨拶

津村 啓介

本日、私たち民主党岡山県連は、新しい歴史の第一歩を踏み出します。それは、本来の意味における二大政党制実現への道のりだと思います。

私たちは、諸先輩に敬意を払い、歴史と伝統を重んじる政党です。しかし、その思いが時として強すぎ、真の国民政党として、そしてまた、二大政党制の実現を目指す政党として、必ずしも十分な包容力を示してくることができませんでした。

私たちはもっと寛容になり、また、包容力を持たなければなりません。そして左右に、あるいは前後上下、縦横無尽にウィングを広げて、真の二大政党の一角を担う責任野党として成長を遂げていかなければなりません。

私たちの左には広大なフロンティアが広がっています。社民党、共産党を含む様々な進歩的な政治勢力が、岡山にはあります。私たちはこれらの勢力と様々なレベルで対話を進め、共通理解、そして信頼関係を築き、ダイナミックな政治の動きを共に作り出していかなければならないと思います。

私たちの右手にも、大きな、とても大きなフロンティアが広がっています。私たち民主党がともすれば敵視しがちな保守系勢力の中にも、現在の日本の政治のあり方に飽き足らない方々がいます。あるいは現在の小泉自民党に不満を持つ、良識的でかつ穏健な方々も数多くいらっしゃいます。例えば、保守系無所属議員の方々です。もちろんその中には、色々な方がいらっしゃいます。しかし、私たちは、その方々と共通の理解や信頼関係を築けるか否かを見極められるほどにも、党外の方々のことを知りません。とりわけ私自身も含め若い世代は、まだまだ多くのことを学ばなければいけないと思っています。党の中にも、党の外にも、沢山のヒントがある、そう思っています。多くの人々と交わり、謙虚に学ぶ姿勢を持ちたいと思います。

ウィングを広げていくために必要なのは、地に足の着いた堅実な日常活動です。私たちは日々街頭に立ち、地域コミュニティの活動に参加を流しながら、日々それぞれが汗を流して、県民の思いを汲む存在にならなければなりません。また、新たに日常活動の一環として、友好関係にある連合岡山をはじめとする労働界の皆さん、そして経済、社会、文化、宗教、その他岡山県内に存在する様々なカテゴリーに属する団体の方々と対話を進めたいと思います。まず共通理解をたくさん作り、可能な場合にはしっかりと信頼関係を結んで、岡山県内から新しい政治の動きを作ることが、県民、国民の皆さんが私たち民主党に与えた期待であり、私たちの歴史的な使命だ、そう考えています。

経済界、地方自治体との連携も重要です。私たちに期待を与えて下さった方々の中には、経営者をはじめとする経済界の皆さんや、あるいは農業その他あらゆる産業に従事して働いている皆さんも含まれています。また、石井岡山県政、高谷岡山市政、古市倉敷市政をはじめとする県内の様々な地方自治体行政についても、私たちはこれまでの様々ないきさつを時には乗り越えて、新しい関係を作り、県民のため国民のために何をなしうるか共に議論をしなければなりません。政治は結果が全てです。であるからこそ、経営者や地方自治体の責任ある方々と密に連携をし、結果を残せる取り組みをしなければならない。そう思っています。私たちは、近い将来与党になるべき政党です。政権獲得後の政策実行までをも見据えて、現実的な議論をし、また実行力を備えなければなりません。政策のクオリティとともに、実行実現のためのリアリティを備える、それが責任ある国民政党の務めだからです。

最後に、理念について一言申し上げ、話を終わります。私はいま、政権交代可能な真の二大政党制をこの岡山県に定着させることがゴールだと申し上げました。つまり「目標」です。そしてそのために左右にウィングを広げ、民主党を小選挙区で多数議席を獲れる、51%以上の国民の皆さんからしっかりと支持される政党に育てていきたいと申し上げました。これは政権交代という目標達成のための「手段」です。しかし、目標と手段の根底には、「理念」がなければなりません。

一つのヒントは、皆さんがよくご存じな政治の考え方の中にあると思います。江田三郎さんが提唱された江田ビジョンです。アメリカの高い生活水準、旧ソビエトの高い社会保障水準、イギリスの議会制民主主義、そして日本国憲法の平和主義、こうした人類史の偉大な遺産が、現代社会に存在しています。この人類史の遺産、成果を、当時の言葉では大衆参加ができる社会主義によってこの日本で実現していこうという、壮大な夢が語られた。それが江田ビジョンでした。私は、この歴史的なビジョンに新しい装いを与えたいと思います。現在の世界に受け継がれている様々な英知、日本の平和主義を含めた様々な価値、地球上に存在する人類史の遺産、成果をしっかりと政治が実現し、日本を、この国に生まれてよかったと国民誰もが思える、誇り高い国家にしていかなければいけない。そんなふうに考えております。

誇りは、国家のみならず、地域、家庭、会社や政党など様々な組織に存在します。人間社会においては、組織と個人の関係がしばしば問題となり、人の悩みのタネにもなります。私は、この悩み多き民主党岡山県連を、これからさらに変化させ、前進させていくために、皆さんと共に、次のことを心に誓いたいと思います。

「みんなは一人のために、一人はみんなのために」。あるいはこういう言葉もあります。ジョン・F・ケネディの言葉ですが、「国が何をしてくれるかではなく、自分が国に何をできるかを問え」。これはあらゆる組織に通じる人類の英知だと思います。

どうか皆さん。様々な課題はありますが、「民主党が何をするのか、してくれるのか」、それを客観的に眺める視点と共に、「自分が民主党のために、日本のために何ができるか」、この視点を併せ持ちながら、これからの民主党岡山県連の歩みにご期待下さい。

今日はありがとうございました。


2006年2月19日

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