1999年6月19日 民主党岡山 経過報告と活動方針 |
私たち民主党岡山県連は結成から半年、ここに実質的に初めて本格的な議論と意志決定の場として、大会を開きます。
21世紀を目前にして、わが国は大きな璧に突き当たり、この国のかたちを変えなければ、これ以上先に進めません。その力は、政治にしかありません。そこで払たちは、国民の選択により政権交代を実現するため、民主党を結成しました。
国のかたちを変えるには、何よりも地域の力を飛躍的に強めなけれぱなりません。そこで私たちは、県民の皆様とともに、市民が主役の民主党岡山県連を作り上げます。
岡山からこの国と世界を変えるため、大胆な討論に取り組みます。
今、国の内外を問わず政治・経済・社会とも不安定、不透明な状況にあります。とりわけ我が国の経済は政府の政策の誤りから不況は長期化・深刻化し、相変わらずのバラまき予算で景気は一見回復に向かっているようですが、やがて再び景気が低迷することは目に見えています。そのことは真面目に働き、生活している国民に一番のしわ寄せとなって表われており、過去最悪・4.8%の失業率、年金・医療費等福祉の切り捨てに代表されています。
現在全国の自治体が多額の財源不足と累積する借金の重圧に喘いでいますが、公債費負担率が全国で最悪の我が岡山県は、その最たる県であります。
経済と財政の再建と雇用問題解決のためには、旧来の大型事業中心の財政運営から福祉・教育・環境・情報通信等新しい産業の創出など産業構造の大転換と、歳出構造の抜本的改革が必要です。
我が民主党岡山県連はこういった現状を重く受け止め、情報公開を中心に、開かれた政党として県民の皆さんとの共同作業で真に安心して生活できる社会の創造のため、その役割を積極的に担うこととします。
(1)県連の特徴的取り組み
この間県連として取り組んだことは、統一地方選挙に全力で臨むということでありました。その活動を通じて、組織拡大や活動家の発掘をしていくことを心掛けて参りました。可能な限り公認・推薦候補の擁立を目指しました<別表1>。新たな試みとして、新人発掘を行うための公募制を取り入れ広く県民にアピ一ルし、県連が結成して間もない時期である中で県議会候補1名を擁立した事は一定の評価が出来、今後も継続していく事が求められています。
(2)岡山市長選挙の闘い
県連としては、3期目を目指す安宅敬祐氏を推薦することを県連結成大会前の統一準備会で決定しました。選挙戦は「民主党岡山県連・連合岡山」対「自民党・財界」という対決構図となり、両陣営共に中央政界から大物議員等が応援するなど熾烈な闘いとなりました。安宅候補は2期8年の実績を訴えましたが、長引く景気低迷の中、閉塞感から脱出したいという市民の思いが新人への期待感につながり、敗北したと思われます。民主党は党をあげて自民党利権政治に対峙すべく取り組みましたが及びませんでした。
(3)県議会議員選挙の闘い
(a) 公認候補の闘い
岡山市第1区2名、岡山市第2区1名の公認3名全員当選を果たしました。岡山市第1区の新人女性候補は、女性票、浮動票をつかみ上位で当選できました。また、従来の岡山市選挙区が分区された中で、岡山市第2区の新人候補は短期決戦で議席を獲得しました。結果として民主党の県都岡山市における足掛りを作ることが出来ました。
(b) 推薦候補の闘い
7名推薦(倉敷市・都窪郡、津山市、赤磐郡、和気郡、邑久郡、浅口郡、小田郡の各選挙区)しましたが、結果は2名の当選でした。
公募については、党員に徹底すると共に、マスコミを通じ広く県民にアピールしました。応募者の中から、論文の提出を含む書類審査、面接を経て候補者を決定し、候補者とは政策協定を結びました。公募候補を推薦した選挙区は、過去自民党独占を許してきた1人区であり、今後県議会の自民党過半数を崩す新しい取り組みとして一定の評価ができます。この盛り上がりを日常活動・組織拡大につなぐ事が重要であります。
赤磐郡選挙区では、新人女性候補を擁立・推薦し闘いました。選考が大幅に遅れ、選挙戦わずかニヶ月前の候補者決定というハンディを背負ったにもかかわらず、手作りの選挙戦を展開し結果2位に肉薄する惜敗だった事は、次回に大きな期待を残したといえます。 邑久郡選挙区では、前回惜敗した新人候補を推薦決定しました。対立候補は連続9期当選の自民党県連幹事長でした。推薦候補がはつらつとした若さを強くアピールしたこと、有権者が自民党の利権政治に決別したこと、そして何よリ4年間地道な努力を積み重ねたことで悲願の議席を獲得しました。
倉敷市・都窪郡選挙区では、民主党議員の後継として立候補した新人候補を推薦しました。終始精力的に活動し議席を勝ち取りました。
推薦候補について、連合岡山(各地協)、平和センター、友愛会議などの支援体制とのリンクの仕方について、課題が残りました。
(c) 県議会の現状と課題
制度改正により、定数は58名から2名減の56名になりました。
自民党39名・非自民17名で、選挙前勢力から非自民が2名減となり、自民勢力は以前にもまして絶対多数を占める結果となりました。その中で、県議会の会派について民主党公認・推薦、連合岡山推薦という枠組みで協議を進めました。結果8人全員で民主・県民クラブを結成しました。
(4)首長・市町村会議員選挙
久米町議会議員選挙では現職の山田候補を推薦しましたが、見事当選しました。
津山市長選挙では、現職候補と政策協定を結び推薦決定をしましたが無投票当選でした。
岡山市議会議員選挙の公認候補3名・推薦候補1名も全員当費でした。
(5)統一地方選の結果を受けての問題点と課題
県議選での公認候補の拡大を目指しましたが岡山市の3名にとどまったことは、民主党の組織基盤が県内で確立できていないことと、1人区で闘うことの難しさの現われであり、今後の課題です。1人、2人区や郡部の選挙区での聞いは、民主党支持層のみならず他党支持層や無党派層をも巻き込んで闘う必要があるにもかかわらず、現実には候補者の支援母体や後援会組織がまちまちであるため、今回選挙では、きめ細かい地域での対策がほとんど出来ず、地域での闘いに委ねられました。県連の主体的な係わりが求められます。
(6)労働団体との意見交換
民主党岡山県連の結成後もクリアする課題が多く残されている中で、労働組合との意見交換をしました。
(a) 連合岡山との協議
1月11日:県連統一後初めて開催し、統一地方選について協議しました。
2月21日:統一地方選挙にあたり、民主党県連は連合岡山推薦候補を、連合岡山は民主党県連推薦候補を、それぞれ相互に支援することを確認しました。(b) 平和センターとの協議(2月9日)
参議院選2人公認問題などについて意見交換し、具体的課題として核実験反対座り込みについての討論会の開催、人権、環境、ゴミ、産廃、街づくりについて要望がありました。今後も協議を継続することを確認しました。
(7)公明党との協議(1月15日)
統一地方選挙の具体的協力、衆議院選挙など当面の課題について協議しました。また、今後も協議の場を定期的にもつことを確認しました。
(8)県連ニュース
1月の常任幹事会で、党員へのPRを主目的とする県連のニュ一スの発行を決定し、以後毎月1回、5号まで発行しました。折りから、自治体選挙支援のための記事を多く掲載しました。
(9)県連組織の現状と課題
衆議院小選挙区毎に総支部を結成し、当面各総支部200人の目標を掲げ党員拡大に努めましたが、統一地方選挙取り組みのため総支部結成に至りませんでした。
(10)常任幹事会の行動報告
私たちは、何時でも政権交代が可能な政治状況をつくること、そのことによって初めて日本の政治を変えることができるとの考え方で、二大政党的体制づくりに執念を燃やしてとりくんできました。
その結果、昨年新しい「民主党」が結成され、国民の熱い期待に応えるべく、最大限の努力を傾注してきたところです。
私たちは、「民主党」こそが、現自民党政権に代わり政権の中心になりうる政党であるとの認識に自信と誇りを持って、党勢拡大運動の前進に一路邁進しなければなりません。
以上の基本的立場に立って、今後の活動方針について提案いたします。
(1) われわれのめざすべき運動の基本目標
<1> 昨年12月に結成した「民主党岡山県連」は、これまで既得権益の構造から排除されてきた人々、まじめに働き税金を納めている人々、困難な状況にありながら自立を目指す人々の立場に立ちます。すなわち、「生活者」「納税者」「消費者」の立場を代表します。
<2> 県民・有権者との情報交流をもとに対話を最重要視し、常に開かれた政党として活動します。
<3> 今日のわれわれをとりまく厳しい情勢に鑑み、社会の仕組みを変えること、すなわち現状に即し、かつこれを変革する政策の提言と実現を中心とした活動に全力を尽くします。
<4> 党員の拡大、総支部体制の確立等、日常不断の党組織の充実・強化に最大限の努力を傾注します。
<5> 来るべき衆議院解散・総選挙を今世紀最後の政治決戦と位置づけ、政権交代を目指し必勝を期します。
(2) 向こう1年間の具体的取り組み
<1> 一方通行でない県民の皆さんとの総対話活動を地域・職域等毎にきめ細かく行い、県民参加の運動を推進します。 その中心は各級議員が担うこととし、県連が直接地域へ出向くことを原則とします。
<2> 県民参加型の運動をつくっていくために、県連が知り得た情報の全てを公開・提供し、県民の皆さんからのご意見・注文等を積極的に受け止めていく党の体制を確立し、広く県民各位各層とのネットワークをつくります。
<3> 県市町村毎の現状と問題点を洗い出し、行政機関への提言など実情にあった対応策を提起していくこととします。
<4> そのための政策立案体制として、学者・文化人・経済人・行政・労働組合・市民グループ等から人材を求め「政策調査会(仮称)」を設置し、恒常的な研究活動、対話集会(政策普及)などを行います。課題別プロジェクトチームの設置等についても 検討することとします。
<5> インターネットのホームベージやファックス・ネットワーク等を利用して情報ネットワークを構築し、党や議員と県民との情報の発信、問題提起等受け皿をつくります。
<6> 党組織の充実・強化に全力を尽くします。
(a) 総支部活動の指導・調整・財政措置等については、県連が統括することとします。
(b) 衆議院小選挙区毎に総支部を結成し、党員・サポーター等、党勢拡大につとめます。そのため早急に、党員や活動家による総支部準備会をつくります。候補者未定の小選挙区総支部については、総支部長を暫定的に県連代表もしくは県連役員とし、体制を確立します。
(c) すでに結成している参議院選挙区総支部、衆・参比例区総支部は、従来通りとし、党員・サポーターの拡大につとめます。
(d) 党員・サボ一夕ーの拡大にあたっては、県連一総支部が連携し、地域・職場などでの総対話活動を通じ、市民一人ひとリが能動的に参加することをめざします。
(e) 支部結成の単位としては、行政区・職場・議員後援会・階層別・年代別・市民運動別等多様な形態を認め、それぞれの支部の活動目標を明確にしていくこととします。
(f) 党活動には、財政の裏付けが必要です。一般党費、各級議員党費、交付金などについて、県連・総支部・支部間のルールなどについて確立します。
(g) 県連事務局の体制整備を図ります(事務局専従体制、事務所の移転など)。
(h) 県連宣伝カーによる街宣活動を各級議員を中心として、定例的に行えるよう計画します(県内全地域)。
<7> 衆議院解散・総選挙の取り組み
(a) 年内の総選挙も想定し、早急に候補者の確立を図ります。
小選挙区1〜5区全てに公認候補の擁立をめざすこととし、非自民の勢力が結集できる選挙区については推薦候補も是とします。 そのために、県連に衆議院候補者選考委員会を設置します。(b) 総選挙の取り組みは、小選挙区総支部を基本に、参議院選挙区総支部、衆・参比例区総支部・支援団体との連携を密にした体制とします。
(c) 他党・労働団体等との協議を通じ、非自民の提携も模索します。
(d)県連大会後の早い時期に、総選挙闘争対策本部を設置、必勝を期します。
(e)選挙資金力ンパ(党内外の浄財)についても検討することとします。
<8> 現職各級議員・候補者を含め「自治体議員ネットワーク(仮称)」を設置し、政策研究、調査活動を行います。なお、無所属議員・候補者にも参加を呼びかけることとします。
<9> 女性や若い人々との連携を積極的に進め、支援・協力体制をつくるよう努力します。
<10> 他の政党一労働団体等との定期協議を積極的にすすめます。
結成大会以降の民主党公認推薦候補者(選挙施行順)
久米町議会議員選挙 | 推薦 山田誠 | 当選 |
岡山市長選挙 | 推薦 安宅敬祐 | 落選 |
岡山県議会議員選挙 | 公認 草苅隆幸 | 当選 |
公認 姫井由美子 | 当選 | |
公認 森本徹磨 | 当選 | |
推薦 藤木靖史 | 落選 | |
推薦 山本秀一 | 当選 | |
推薦 田原隆雄 | 落選 | |
推薦 徳永純子 | 落選 | |
推薦 三原誠介 | 当選 | |
推薦 林達人 | 落選 | |
推薦 高橋剛吉 | 落選 | |
岡山市議会議員選挙 | 公認 羽場頼三郎 | 当選 |
公認 若井たつ子 | 当選 | |
公認 田原清正 | 当選 | |
推薦 高津利明 | 当選 |
結成大会以降の経過
【1998年】 | |
12月19日 | 県連結成大会、結成記念パーティー、第1回常任幹事会 |
12月27日 | 第2回常任幹事会 |
【1999年】 | |
1月 4日 | 新春街頭宣伝、99年自治体選挙対策本部設立 |
1月 9日 | 第3回常任幹事会 |
1月11日 | 連合岡山との協議 |
1月15日 | 公明党との協議 |
1月16日 | 地方財政危機対策本部シンポジウムin岡山 |
1月17日 | 久米町・柵原町議会議員選挙 |
1月17日 〜18日 |
民主党本部大会 |
1月31日 | 岡山市長選挙 |
2月 9日 | 平和センター三役民主党県連三役懇談会 |
2月13日 | 第4回常任幹事会 |
2月13日 | 第1回選対委員会 |
2月28日 | 第2回選対委員会 |
3月14日 | 第5回常任幹事会 |
3月20日 | 第3回選対委員会 |
4月11日 | 岡山県議会議員選挙 |
4月17日 | 第6回常任幹事会 |
4月25日 | 統一地方選挙・後半戦 |
5月 1日 | 備中町陥没問題調査団、第7回常任幹事会 |
5月 6日 | 大会実行委員会、組織検討委員会 |
5月12日 | 大会実行委員会、組織検討委員会 |
5月15日 | 第8回常任幹事会、統一地方選挙総括会議 |
5月22日 | 組織検討委員会、第9回常任幹事会 |
6月 6日 | 第10回常任幹事会 |
役職 | 旧役員 | 新役員 |
代表 | 江田 五月 | 江田 五月 |
副代表 | 石田 美栄 | 石田 美栄 |
一井 淳治 | 一井 淳治 | |
中桐 伸五 | 中桐 伸五 | |
姫井 成 | 姫井 成 | |
幹事長 | 草苅 隆幸 | 草苅 隆幸 |
幹事長代行 | 森本 徹磨 | 森本 徹磨 |
副幹事長 | 今川 鉄夫 | 小笠原 照也 |
小笠原 照也 | 横山 泉 | |
横山 泉 | ||
幹事 | 綾 大介 | 綾 大介 |
上西 庸雄 | 上西 庸雄 | |
妹尾 博之 | 岡垣 勲 | |
姫井 由美子 | 塩見 俊輔 | |
森本 栄 | 妹尾 博之 | |
若井 たつ子 | 姫井 由美子 | |
若井 たつ子 |
1999年6月19日 民主党岡山 経過報告と活動方針 |