河田英正の主張

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2000/10/18 吉永産廃訴訟参加認められる

司法もまだまだ信頼できる。捨てたもんではないと今日は実感いたしました。圧倒的な多数の住民投票で産廃設置の反対を勝ち取り、県知事の設置を認めない決定をえ、さらに厚生省の県の決定を維持するとの採決がなされ、その後に提起されていた業者から県に対する不許可決定取り消し訴訟において、住民の訴訟参加が認められる決定が本日ありました。

法律専門家であれば理解できるかと思いますが、従来、直接の法律的利害関係がなければ訴訟参加が認められず、本件のような場合には住民の訴訟参加は認められないてきていませんでした。つまり、今回、県が負けて不許可処分がとりけされたとしても法的効果としてすぐに産廃処分場が設置されることになるわけではないと言う論理なのです。

確かに、そうです。しかし、一番影響を受けるのは住民です。今回の決定は、実質的に利害関係を有すれば、訴訟参加できるとしたもので、全国ではじめての判断でした。環境問題を争う他の訴訟に大きな影響を与えることになったと思います。環境問題に住民が積極的に関与することのできる門戸を広げた記念すべき決定だと評価できるものです。喜びにわく現地から帰ってきたところですが、いささか私も興奮しています。民主主義は生きていた。21世紀に大きなプレゼントができました。

約一ヶ月前、私は統一協会を相手にした「青春を返せ裁判」に高裁で逆転勝訴しました。この判決も全国初の、世界でも3例めともいえる判決でした。カルトに対する対策の必要性を訴えるものとなったのではないでしょうか。フランスでは、この観点からマインドコントロール罪のようなものが今年7月に下院の全一致で可決されました。日本でもこれを契機にカルト問題について真剣に考えてもらいたいものです。

この判決も私を十分に興奮させました。今年は、この二件の裁判を経験して、本当に弁護士をやっていてよかったと実感しているところです。


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