河田英正の主張 |
2000/10/21 議院内閣制と民主主義
国会の多数を占める政党によって内閣を構成する体制を議院内閣制といいます。国会は直接国民から選挙によって選任された議員によって構成され、最も国民に近いところにあります。その意思がよく行政に生かされるシステムが議院内閣制なのです。
しかし、この制度の大前提の国民の意思を反映させる基本的な方法である選挙制度を与党の都合で変えようというのが、今回の参議院の選挙制度改革です。一般の法案に賛成するか否かの問題ではないでしょう。この法案に反対するためにはあらゆる抵抗が許されて良いと考えます。民主党のこれまでの抵抗を支持いたします。
政府、与党の考えと他の政党と考えが分かれ、どうしてもこの一致が得られないとき、総理大臣は、国会を解散し、その問題について改めて国民の意思を問い、新しい議員の構成で審議することになっています。これが、憲法69条の解散の意味です。ところが、与党は解散をするときを、最も自分に都合の良い時をねらって行います。国民の意思を正直に反映する政治をしようという考えがないのです。
現在の状況のように、重要な案件に関して激しく意見が対立すれば、国会を解散して国民の意思を問えばいいのです。これが、民主主義を生かすために総理大臣のとるべき道です。でも、まちがっても解散はすることはないというのが政治の世界の常識です。
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