河田英正の主張

戻る目次


2000/11/03 弁護士人口の増大、そして証券被害

11月1日、日弁連の臨時総会がありました。司法改革審議会の現行1000人の司法試験合格者を3000人にする方針を追認するための総会でした。午後1時に開会され、終わったのは午後10時前、荒れた総会でした。企業や役所で働く弁護士を増加させようというものです。人権擁護と社会正義の実現を自らの職務として働く在野の精神をもった弁護士像とは基本的に性格がことなったものとなっていくでしょう。この変革の過程を確認すべく深夜までこの議論に参加しました。

2日、3日は新潟で開催された証券問題に取り組む弁護士の会議に参加しました。ナスダックの上場審査の担当者の話を聞いたり、来年4月から施行される金融商品販売法に関してコンプライアンスの問題点について、学者とともに研究会をもちました。銀行から信託の勧誘を受けたり、金融ビッグバンに対応する消費者保護のさびしい実態を改めて認識しました。

裁判官が証券取引被害にあい、私たちの仲間の弁護士が代理人となって損害賠償訴訟訴訟を起こしましたが、判決は裁判官のいうことは信用できないというもので敗訴判決でした。裁判官でさえ、被害にあうのです。そしてこれを争っても、消費者としてその証言は信用できないとして、棄却されるのです。まだまだ、消費者のおかれている状況は厳しいものがあります。やはり、消費者契約法が必要です。来年4月から施行されます。不十分ですが、消費者の味方となる法律です。


河田英正の主張

戻る目次