河田英正の主張 |
2000/11/28 憲法改正問題と「保・革」
長いあいだ、政治勢力を保守・革新という分け方をしてきていた。最近では必ずしもこの分け方でいいきれない情勢ではある。
「保守」は憲法改正を、「革新」は憲法改正反対を主張してきていた。私は、この言葉の矛盾をおかしいと思い続けていた。変えるほうが「保守」であり、守るほうが「革新」というのはどうしてそうなのだろうかという疑問であった。
この疑問に単純に応えてくれたのが日本の民法を体系化した民法の権威我妻栄先生でした。私がまだ学生時代に聴いた憲法記念講演会での話でした。単純なことです。憲法は世界の憲法をリードする未来を先取りしたものである。だから古い体質にこだわり守り続けたいたいという人は改正を唱え、新しい未来をみつめている人々は進んでいる(現状よりすすんでいる)憲法を守ろうとするからだということでした。そうなんです。単純なことでした。
加藤周一さんも憲法調査会で日本の憲法の先進性に触れられています。脅威を作らない外交こそが平和を守り、武力による威嚇によって平和が訪れた歴史はなく、「正義の闘い」は常に言い訳でしかすぎないことを主張されています。日本の良心とも言われている人の冷静な発言です。憲法問題が冷静に語られ、まだ若い憲法を着実に私たちの肉にしていく論議が必要です。
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