河田英正の主張 |
2001/02/01 会期と民主主義
森首相が「通年国会」について検討を指示したとの新聞記事を読みました。効率的な国会運営を確保したいためだそうです。
国会は,憲法上,会期制がとられています。「第○○回通常国会」と連番がつけられて国会が特定されます。会期制がとられているのは,その国会で成立しないような法案であれば,もう一度頭を冷やして審理をやり直すことに意義があります。もし,会期制がなくなれば,選挙で多数をとった政党が,最後には数の論理でどんなことでもやりきることが可能になります。少数者の意見を尊重する民主主義を守る歴史的な制度といってよいでしょう。
牛歩戦術,審議拒否もこの会期との関連で,少数者の戦術としての力をもちます。議会制民主主義のなかでの会期制を利用した少数党の戦い方の一つです。民意を反映するためには,非効率的部分もあることは仕方のないことです。
選挙制度を数の力で自党に有利にして,多数を国会内で形成して,通年国会で数にものを言わせてこの国を動かそうと言う恐ろしい思考を許してしまうこの国が怖いと思いませんか。
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