河田英正の主張 |
2001/05/08 民主党は何をめざす。
森総理から改革断行を唱える小泉総理に代わった。世論調査の結果は驚異的ともいえる高支持率である。民主党側から聞こえてくる反応は「民主党の政策を盗られた」とか「選挙は戦いにくくなった」などのため息ばかりである。森首相当時盛り上がっていた衆参同時選挙に追い込むとの声も一挙にトーンダウンした。
自民党のなかで大きく改革が進もうとしていることはいいことである。自民党の党員の方々が今回の党首選にしなやかな発想で臨まれたことを素直に敬意をはらいたい。こうした経緯をたどりながら,自民党自体が変わっていき,政治が生まれ変わっていくのであればそれにこしたことはない。政策において違いがなくなり,めざすものについて違いがないのであれば,政権政党にまかせておけばいい。
民主党は自民党とどこが違うのか。その違いを明確にうちだすことが今こそ必要である。同じ政策にみえても目指すところが違えば,その違いは必ずでてくる。この違いが見えてこなければ民主党に未来はない。自民党との違いを際だたせていくこと,それが民主党の魅力をアピールしていくことではないか。政策は一緒だが自民党では実現できないというだけでは,国民の信頼を得ていくことはできない。
環境問題,歴史認識,地方分権(行政権力の分配ではなく地方自治の発展)など,目指すものの違いが明確にでてくるはずである。市民,生活者の立場から見えてくるものを大切にする民主党なのだから。
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