河田英正の主張

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2001/06/07 国会決議の重み

ハンセン国賠請求熊本判決を受けて国会決議がなされる。隔離政策によりハンセン病患者・元患者が言葉では言い尽くせない苦難を受けたことを正面から受け止め,このことに対して反省と謝罪を内容とするものである。国会がこのような重みのある決議をされることを国民の一人として誇りに思う。

このような決議は,三権分立に反するとか,最高裁判例に反するとかさまざまな否定的な議論があった。しかし,ハンセン病国賠請求熊本判決は司法の場で確定したのである。この確定した司法の判断に反する政府声明をだしたり,その判断を拒否する内容の国会決議をしようとすることが三権分立に反する行為である。

国が控訴を断念するに至ったのは,小泉首相であったからではなく,あるいは法務官僚の単なるアイデアだったのではなく,すさまじい人権侵害の事実とそれを告発した原告の人たちのすさまじくも勇気ある行動によって,世論が形成されたからである。ここ数ヶ月,原告の方々や弁護団の限界を超える行動を提起してきていた現実を間近にみているとそのことにふれない論評が空虚に聞こえる。

国会の決議は,すみやかな患者,元患者に対する名誉回復と救済の立法にも触れられている。なぜ,このようなことが起きてしまったのかをしっかりと検証してこそ,真の救済が実行される。国会の責任は今後も重いものがある。


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