河田英正の主張

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2001/08/07 見えぬ民主党のかたち

参議院選挙は,民主党の敗北であったことは数字のうえで明白な事実である。この事実を真摯に受け止めてしっかりとい痛みのある「総括」をして欲しい。鳩山代表をはじめ,議員の皆さんが真剣に懸命に選挙に取り組んでいた事実はテレビの画面を通じて私たちにも十分に伝わった。

しかし,やはり「民主党のかたち」がみえなかった。首相の靖国参拝問題についてさえどう対応するのか明確でないように見える。どのような理念に基づいて,どう対処するかは国のかたちを考える基本的な内容を含んでいる。A級戦犯が分祀されれば問題は解決するのか,公式でなければ自由なのか,民主主義のしっかりとした理念の中で対応はおのずと決まってくるはずである。

構造改革についても自民党の主張するものと同じものであれば,自民党にまかせればよい。民主党よりは政権党のほうが実現可能性が高いのは当然である。私は,自民党とは民主党の構造改革とは基本的に目線が違うと考えるから民主党を応援している。しかし,ほんとうにそうなのだろうか,目線はどこにあるのだろうか。その位置がわからなかった。

民主党のかたちがみえないなか,今回の立候補者からメッセージが聞こえてこない人も多数いた。また,メッセージをもっている人も,短期的に党が利用しただけの結果になっていなかっただろうか。日頃から,しっかりとそれらの人々を支え,ともに改革の運動をしているという基礎がないまま候補者としているなどの事情があったように見える。小泉旋風だけが敗因ではない。

民主党のかたちをしっかりと見えるものにして欲しい。私たちの未来を真に託せる政党であることを。いま,民主党に一番欠けているところである。


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