河田英正の主張

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2001/10/05 司法はこうして堕落する

司法制度改革審議会報告書の内容は,司法の現状について多くの問題指摘がなされているが,明らかに市民からの司法へのアクセスの障害となったり,人権擁護に問題の生じる改悪の方向にむかっている内容も含まれている。弁護士費用の敗訴者負担問題などがこれにあたる。日弁連もこれに対しては明確に反対の意見をだしてきていた。

このたび,立法されようとしている司法制度改革推進法は弁護士会はこの報告書に従って改革する事の義務を課されている。このように在野の法曹に官への協力を義務づけさせる法律を抵抗無く受け入れる日弁連の感覚はどうしたのでしょうか。この報告書と異なる意見,多数の解釈によって決められてしまう内容についてはもはや反対の意見をいうことを法的に制限されてしまうのです。

司法制度改革侵害の審議は,経済界の意見を反映する人,司法のキャリアシステムをいささかもかえさせまいという人々など多数の委員と少数の市民側の意見を代表する委員との激しい綱引きのなかで行われた。その意見の内容がどのようになっているか経過をみれば明らかである。司法改革は今後国会においてこの意見書に基づいて審議されていくことになるが,もはや日弁連は市民の立場で意見をいうことが法的に制限される足枷をはめられてしまったのだ。在野法曹までが権力に迎合してしまえば国民の人権を守る司法は崩壊してしまう。テロ対策の美名の下に,アメリカの言いなりになって,憲法違反の自衛隊派遣をも許してしまうこの構図にどこか似てないか。


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