2002/06/27　でもロースクールはできます

司法改革審議会は昨年報告書を発表し，ロースクールの設置について他の項目に比し極めて詳しい内容の提案をしています。その提案にもとづいて司法改革推進本部では司法改革の核心部分として，具体的に実現に向けて動いています。文科省の大学改革の一環としての意味もあり，これはもはやとめることはできません。

現段階は，その法科大学院が真の法曹を育てることのできる内容となる制度が作られるよう意見を言っていかなければなりません。今，地方において特色ある法科大学院を設置しようとする国立大学に予算の拘束をかけてこれを困難にしようとする動きがあります。また，先行する東大や私学の有名校はいずれも「国際化した経済社会に対応できる法曹」の養成を掲げるなど，ビジネスローヤーの養成に力点が置かれているように思われます。

人権を守り，社会正義を法の支配のなかで実現していくという本来の法曹の役割が軽視されているのではないかと思われます。法科大学院の教育にどのように在野の法曹が関わっていけるか，全国各地に誕生させることができるか，もっと国民の議論が必要です。