河田英正の主張

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2003/03/18 国連決議はなかった。

戦争をしないためにつくられた国連が戦争するという決議はしなかった。致命的な副作用の発生とともに最大の皮肉な結果だけは避けられた。それでも戦争をしようというアメリカに国際協調主義の日本が追随するとは。最近受け取ったメールの1部を紹介します。国会も平和憲法を持つ日本国民の名誉が護られ,責任が果たせるよう最後まで頑張ってください。

 ■13歳のシャーロッテ・アルデブロンが
           メイン州の平和集会で話した内容■

アメリカ人がイラクに爆弾を落とすことを考えるとき、頭の中で想像するのは軍服を着たサダム・フセインとか、銃をもった黒い口ひげの兵隊とか、バグダッドのアルラシード・ホテルの玄関フロアに「罪人」と説明つきで描かれた父ブッシュ大統領のモザイク画とかでしょう。 でも、知っていますか? イラクに住む2400万人の人たちのうち半分以上は15歳以下の子どもなんです。1200万人の子どもですよ。私と同じような子どもたちです。私はもうすぐ13歳ですけど、もっと大きい子たちや、もっとずと小さい子たちがいて、女の子ではなくて男の子もいるし、髪の毛は赤毛じゃ なくて茶色だったりするでしょう。でも、みんな私とちっとも変わらない子どもたちです。ですからみなさん、私をよ〜く見てください。イラク爆撃のことを考えるとは,頭の中で私のことを思い描いてほしいからです。みなさんが戦争で殺すのは私なんです。

もし運がよければ、私は一瞬で死ぬでしょう。1991年2月16日にバグダッドの防空壕で、アメリカの「スマート」爆弾によって虐殺された300人の子どもたちのように。防空壕は猛烈な火の海になって、その子どもたちやお母さんたちの影が壁に焼きつきました。いまでも石壁から黒い皮膚を剥ぎ取ってお土産にできるそうです。 ほんとに小さな子たちでも戦争のことを知っていて、不安がっているそうです。

中略

5歳のアセムは戦争について、「鉄砲と爆弾で空が冷たくなったり熱くなったりして、ぼくたちものすごく焼け焦げちゃうんだ」と語りました。10歳のアエサルは、ブッシュ大統領にこう伝えてほしいと言いました。「イラクの子どもが大勢死にます。あなたはそれをテレビで見て後悔するでしょう。」

小学校のとき、友だちとの問題は叩いたり悪口を言い合ったりするのではなく、相手の身になって話し合うことで解決しましょうと教わりました。相手の行動によって自分がどう感じるかをその子に理解してもらうことで、その行動をやめさせるというやり方です。ここで、みなさんにも同じことをお願いします。ただし、この場合の“相手”とは、いま何かひどいことが起ころうとしているのを待つしかないイラクの子どもたち全部です。ものごとを決められないのに、結果はすべてかぶらなければならない世界中の子どもたちです。声が小さすぎたり遠すぎたりして、耳をかしてもらえない人たちのことです。

そういう“相手”の身になれば、もう一日生きられるかどうかわからないのは恐ろしいことです。ほかの人たちが自分を殺したり、傷つけたり、自分の未来を奪ったりしたがったら、腹が立つものです。ママとパパが明日もいてくれることだけが望みだなんて、悲しいです。そして最後に、自分がどんな悪いことをしたのかも知らないので、何がなんだかわかりません。
(翻訳:星川 淳)


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