河田英正の主張

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2003/05/10 ゴミゼロ社会は夢物語ではない

吉永町の産廃問題は業者が完全撤退を表明し,建設予定地を町に寄付する形で決着した。住民側の完全勝利であった。住民の訴訟参加を認める最高裁の画期的な決定を得るなど大きな産物もあった。

産廃問題において,建設反対運動は地域エゴではないかという批判に常にさらされる。ゴミ処分場のいらない社会は夢物語といわれる。しかし,現実にはドイツでは産廃処分場にゴミをよこせという新たなゴミ戦争が始まっている。

先日,千葉で開催されたゴミ弁シンポジュウムでカナダハリファックス市の挑戦はわずか数年間でゴミを半分に減少させ,処分場建設問題に終止符を打った例が報告された。カナダノバスコシア州最大の町人口36万人の漁業を中心としたごく普通の町である。90年代のはじめ最終処分場建設をめぐって激しい行政と住民の対立があった。しかし,住民参加で生ゴミの堆肥化,デポジットの導入,リサイクル工場の設定,収集拠点の環境デポの設置などであらたな雇用を創出し,5年でゴミを半分以下にし,徹底した資源管理でゴミ問題を解決している。行政の試みでやろうと思えばここまでできるというお手本です。首長が住民の力を引き出し,ゴミ問題にとりくめば,夢物語ではなく,ゴミゼロの町をつくりあげることができる。

こうしたことを考えるゴミ弁のシンポジュウムを今年岡山で開催すべく準備中です。


河田英正の主張

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