2005/10/15 共謀罪審議の難しさ
共謀罪について、ついに審議入りした。法律家としての常識でみればとんでもない法律である。極めて広範囲な法律で適用となり、思想そのものを罰することになりかねない内容を抱えている。そのことは衆議院解散までは法務省も法案の問題点をそう思っていたはずである。
日弁連、各単位会も反対の立場である。民主党も従来から反対の立場である。このまま対立の状態で推移すれば与党があえて修正することはなく、このまま悪法は成立してしまうだろう。与党側の修正の動きをうまく引き出して妥協するしかないのではないかとも思える。そんな対応しかとる方法がなくなってしまっている政治状況になってしまっている。表向き日弁連も決して修正で良いとは言えない。法律家団体の職務として容易に妥協してしまうことが許されないからである。
今の政治状況のなかで最悪を避ける戦術をとることも政治の世界では許されるのではないか。民主党として突っぱねるだけでなく、与党側からうまく修正(適用犯罪を狭くし、成立要件に犯罪への準備行為など一定の行為の存在を加えることなど)をひきだすことなど柔軟な対応を期待したい。こんなとても嫌なことを、つい考えてしまうのも自民党圧勝の後遺症である。