タイムラグ
名古屋弁護士会は、2月20日、福岡事件について会長声明を発表しました。最高裁判所と最高検察庁に対して、徹底した調査を求める内容です。よその県でおきた事件について、あさっての単位会が、日弁連をさしおいてこの種の声明を出すのは異例中の異例です。日弁連があんまりダンマリをきめこんだままなので、辛抱たまらなくなったのでしょう。敬意を表します。
「しかし友よ、これほど親切な便法にも一つの欠点があった・・・出るのが遅すぎた。」(ホレス・ウォルポール/1778年)
この声明が、次席検事の記者会見の直後に・・・せめて翌週早々に出ていれば!今となっては、このしごく当然の声明も、世間の目には、「ご同業」意識のあらわれとしか見えないのではないでしょうか?
いま社会の司法に対する信用をとりもどすためには、「身内」の調査と結果の発表だけではとても間に合わないでしょう。いま行われているようなブラック・ボックスの中での調査では、世間がしんそこ納得してくれるとは思えません。
いま進められている調査は、オープンにされるべきです。ちくいち、成果を公表すべきです。そうして初めて、司法に対する社会の信用を取り戻すことが可能になるのだと思います。
いま弁護士会が声明するのは、その要求であるべきだと、私は信じます。
( 2001/02/26) |