人間空母 弁護士を笑え! 戻る目次

原告、アメリカ合衆国

で、被告が○○株式会社、という珍しい裁判が、いま横浜地方裁判所で、あまり世間の関心をひかずに、進行中です。ナカミはなんと、「廃棄物焼却炉の操業さしとめ」。

なんでこんな裁判になっているかというと、この焼却炉は、米軍厚木基地のすぐそばにあるのです。20〜30メートルくらいの高さのエントツがあるのですが、具合の悪いことに、基地は台地の上にあり、エントツはそのそばの谷の底に立っていて、台地は谷底より20〜30メートルほど高いのです。つまり基地から見ると、地面から煙がわいてでているのと変わりません。なおさら具合の悪いことに、焼却炉は旧式で煙にはたっぷりとダイオキシンがはいっており、極め付けに具合の悪いことには、エントツの隣りの一角に、基地の居住区域があるのです。つまり、海軍さんのアパートが。

米軍としては困りますから、神奈川県や日本国政府に、何年も前から、なんとかしてくれ、と申し入れしてきたそうです。ところがなんにもしてくれない。しまいに日本の外務省が、裁判するならどうぞ好きにやってくれ、と言ったそうです。それで、この珍しい裁判になった、という次第。

さて、私はいいかげんサヨクで、米海軍に肩入れをする筋合いでは元来ないのですが、それにしてもこいつはちょっとヒドすぎます。憲法だ9条だの問題はしばらくおいといて、米軍さんには日本の安全「も」守るために条約にもとづいて駐留していただいている(少なくともそういうことになっている)以上、わが国のこの態度は、仁義に反することおびただしい、と私には思えます。私が米海軍軍人で、このアパートに住んでいて、外務省のこのあいさつを聞いたなら、なんちゅうヒドい国だ国民だと、そう感じるにちがいないと思うのです。皆さんはそう思われませんか?

いや、これは、サヨクにあるまじき表現ですが、どうかんがえても、国辱です。(英語では、dishonor of nation,「国民の恥」というのだそうです。)

(2001/05/30)

とは言っても  河田英正 5月31日

人間空母さんへ
今回の被告の程度の設備はあちこちにあります。そして,被害をまき散らしています。国が仁義ある行動をとれば,逆に日本国民をなおざりにするのかとの批判がきます。廃棄物処理の安全性の問題として,本質的な問題提起となればおもしろいですね。
とは言っても、河田さん

このレベルの施設がごろごろしているのは、まさしくその通り(それにしても、実煙突高さ0メートルというのは、そうそうないと思いますが)なのですが、この場合、相手はお客人でしょう?

行政が改善命令や停止命令を出さないのは、それが前例になるのを嫌っているからだ、というのは一目瞭然です。

しかし、そういうコソクな理由で客人に対して理不尽な仕打ちをするというのが、「国民の恥」であることは、確かじゃないですか?

(2001/05/31)


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