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鉄面皮

7月27日,政府の「行政機関等個人情報保護法制研究会」(いつもいつも思うことですが,このネーミングのセンスは,なんとかならんもんでしょうかね)が,「中間整理」を発表しました。総務省のHPにのっていますので,読みたい方は原文で読めるんですが,例によってほとんど暗号文ですのでね。目をひかれた箇所だけ,日本語訳してみました。

「お役所が個人情報を手に入れるときには,利用目的などを本人に通知する必要はない。目的は法律にちゃんと書いてある。」
そりゃ書いてあるんでしょうがね。国民がみんな六法全書を隅から隅まで読んでるとでも思っとるのかね。

「お役所がもっている個人情報ファイルは,各お役所が自分のところのHPで公表する。」
頼むから,どっかひとところにまとめてくれよ。たいていの国民は,自分の個人情報を探してお役所のネット・サーフィンやるほどヒマじゃないんですよ。

「お役所が個人情報を本来の目的以外に利用することも,「相当の理由」があれば,やってよい。」
おーい,こんなんだったら,法律に書いてある利用目的なんてどうだってかまわんわけじゃないか。

セキュリティのこともちょっとだけ書いてあるんですが,ここんとこは私の語学力では日本語訳できないので,そのまま引用します。
「行政機関における個人情報のネットワーク処理の動向等を踏まえた安全確保体制の充実強化を図ることとするが,そのための方法として法制上の措置の要否については,政府において検討する。」
これ,誰か解読してもらえませんか?

で。思うにですね。
最近は電子政府とやらで,住民基本台帳法を改正するとかして,国民に全部背番号振って,電脳的に管理しようとしています。それ自体は時代の流れなんでしょうがね。

それにしても,まず第一に,「お役所はアタリマエの権利として,個人情報を好き勝手に利用できる」と言わんばかりの,このフテブテしい態度は何ざましょ。

第二に,いま現在,お役所の個人データは漏れまくってます。住民登録データから社会保険データ,果ては前科データに至るまで。実態として,デジタル化されたデータは右から左へ漏れちゃうのです。
お役所は電脳データの処理を涼しい顔して民間に外注に出すもんですから,どこに漏れ口があるかさえわかりません。
ああそれなのに,「安全体制の充実強化を図ることとする」の一言でおしまいですかい?反省のポーズもしないんなら,サル以下だぜ。

要するに,穴だらけのセキュリティは頬っかむりしたまんまで,お役所の得手勝手でもってデータの利用だけはフル活用しようとする。
そんな電子政府なら願い下げにしたいと思うのは,私だけでしょうか?

(2001/08/13)


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