判事の桃色な日々
……という本が出ていたのを見て、思わず買ってしまいました。(ハヤカワ・ミステリ文庫。舞台はニューオーリンズ。フィクションです。たしかに辛辣でユーモラスで面白いんですが、かなり「入った」小説なので、翻訳ミステリ・マニア以外の方にはあまりお勧めしかねます。うかつにオビと裏表紙につられませんように。)
すごく派手な装丁で、「抱腹絶倒」が強調してあって、オビには「こんな判事いたら困るなあ」と……
これはどうみても、最近裁判官とか弁護士とかが、あんなことやこんなことをしでかして逮捕されたりしていますから、「今出しゃ売れる」と、そういうことなんでしょうね。
それにつけ思うのですが、最近の裁判官・弁護士のワイセツ事件というかヘンタイ事件というか、どれも「倫理」という切り口一本で扱われているようです。(渋谷で女子中学生に無茶をした裁判官なんか、判決でぼろくそに言われていました。)
確かに倫理的にどうかといえば非常にけしからんに決まっているのですが、これは倫理だけではなくて、「ビョーキ」の問題も入っているような気がしてなりません。弁護士にしても裁判官にしても、正常な状態ならあんなことやこんなことはやらないはずですから、不正常な状態にするストレスが強烈にあったんじゃないか、と思うのです。
だとすれば、やった当人に対する処分はそれとして、二人目三人目を出さないように予防するには、ただ倫理を声高らかにうたいあげるだけではダメなんじゃないか。ストレスを予防するようなシステムなり対策なりを、裁判所も弁護士会も、本気で考えなければいけないのじゃないか、と思うのですが……
(2002/03/08)
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