悪口か?親しみか?
弁護士や法律家についてのことわざ・格言は、例の、
「良き法律家は悪しき隣人」 (Good lawyer,bad neighbor)
という有名なのがありますが、実はほかにも色々あります。
「〔法律家〕:法律の抜け穴に長じた者。」 (A.ビアス「悪魔の辞典」)
「自分を弁護することは他人を弁護するよりも困難である。疑う者は弁護
士を見よ。」 (芥川龍之介「侏儒の言葉」)
「『まずなんだな、法律家てえ奴らを皆殺しにしてえな。』
『ああ、俺も前からそう思っとった。』」
(シェークスピア「ヘンリー6世」)
「法律家とは、詩を散文に、散文をわけのわからぬ文章に変えてしまう人
たちのことであります。」(ケインズ/ブレトン・ウッズ会議での演説)
「神は時として奇跡を行われる。
見よ、弁護士だ!
しかも正直な男だ!」
(出典不明、イギリスまたはアメリカ)
この種のものは、ほめたんでは少しも面白くないので、弁護士がけちょ
んけちょんに言われているのは仕方ないとして、ごらんのようにほとんど
が輸入品です。(日本のは捜すのに苦労しました。)ちなみにアメリカの
1コマ漫画には、「弁護士と依頼者との会話」というジャンルまであるそ
うです。
思うに、あちらとわが国とで、一般の人たちと弁護士・法律家との距離
感が違うことが関係あるんではないでしょうか?読者が全然知らない相手
をからかってみたって、ウケるギャグにはなりませんから。
そういえば、
弁護士の出てくる和製の喜劇やギャグ漫画なんて、ちょっと見た覚えがあ
りません。
もしこの種のヤツが日本でも流行りだしたら、私たちとしては喜ぶべき
なんでしょうか?それとも、がっくりくるべきなんでしょうか?
(1999/10/01) |