2001/05/18
手短に今日18日の坂口力厚生労働大臣への私の質問の報告をします。
朝刊で、ハンセン病の判決に対して、「国が控訴した上で和解を検討」と見て、ショック。これは大変なことになった。早速、ハンセン病問題の議員連盟の江田五月参議院の事務所に連絡し、資料を取寄せる。昨日の打ち合わせにはなかったが、急きょ、この問題も質問で取り上げることにした。
10時から厚生労働委員会がスタート。最初の質問者は、民主党の金田誠一議員。ハンセン病の判決について、「控訴を断念すべき」と坂口大臣に迫る。
大臣は、「私を信頼してほしい」とだけ答弁するも、歯切れが悪い。
「お役人さんの言い分だけを聞くなら、政治家なんかいらないじゃないですか!」と金田議員。
ハンセン病の患者さんの原告の平均年齢は74歳。これだけの悲惨な仕打ちをして、患者さんの人生を台無しにし、人権侵害をしたにもかかわらず、判決に控訴するのは許せない。
金田議員は言った。
「熊本地裁で判決が出る前の晩、患者さんや原告など数百人で公園で集会を行いました。そこで、23700人もの隔離されて療養所の中で亡くなった患者さんのためにろうそくをともしました。そのろうそくを見つめながら、集会に参加した私たちは「ふるさと」の歌を合唱しました。この方々は亡くなって骨になっても、自分たちのふるさとに戻ることさえ許されていないんです」と訴える金田議員は涙声になっていた。私も思わず目頭が熱くなった。
次に、11時20分から11時55分までが私の質問。
冒頭、私は言った。「小泉内閣は構造改革の断行を訴えておられる。この厚生労働の分野の改革として、私は3点をあげたい。
まず、日本版ADA法(障害者差別禁止法)の制定。障害のある方々が自分の望むところで、暮らし、社会参加できる社会にすべきである。公明党の神崎代表が代表質問で、日本版ADA法の推進を表明されたことに感激しました。わが民主党の鳩山由紀夫代表も、日本版ADA法の推進を表明しておられます。
次に、精神障害者の問題。34万人も精神病院に入院しているのは、ハンセン病の問題と同様に、世界の流れに逆行している。隔離収容主義は辞め、住み慣れた地域で暮らせるような施策に大転換すべきである。
そして、3つ目は、ハンセン病の問題。この問題で控訴しないことが、国の強制隔離政策の反省であり、その反省からしか21世紀の福祉は始まらない」。
私は大臣に、「この問題について、坂口大臣は、小泉首相や森山法務大臣と協議されるとのことですが、みんなが坂口大臣の判断に注目しているのです。謝罪の気持ちは言葉ではなく、態度で示すべきです。控訴断念なくして謝罪なし。控訴して謝罪するなんてことはありえません」と迫った。
坂口大臣からは、「誠心誠意対応したい」という趣旨の答弁。大臣もこの問題では板ばさみで非常に苦しい立場なのだろうが、「控訴しない」という最終的な政治決断を何としてもしてほしい。
やまのい和則さんのホームページ