何故代表選に立候補の決意をしたか
今回代表選に立候補することになった私の決意を是非ご理解いただきたいと筆をとりました。
民主党をこれ以上混乱させないためには、激しい選挙になることは避けたほうがいいのではと私も当初考えていたことは事実です。
しかし、私を代表選で応援してくれた多くの議員に集まってもらって話を聞きました。その議員の多くは環境、福祉、薬害、人権、女性政策などのテーマを大事にして政治活動をしている人で、どちらかといえば政治の駆け引きは得意でない人が大半です。これらの人たちから口々に出たのは、今の民主党はグループ間の合従連衡など党内政治に長けた人が中心で、国民の声に耳を貸さない政党になりつつあるという強い危機感です。こうした市民的、国民的テーマで努力してきた人たちが片隅に追いやられ、党が変質してきているのではないかという指摘でした。
私の政治家としての原点は、薬害や住宅問題など社会の矛盾をいかに解決するかということでした。9月の代表選以降私は党の役職を離れ、1年生議員の当時の原点に返って中国残留邦人の支援問題や、C型肝炎の問題に取り組んでいます。政党というものは国民の要求や希望を政治的な力に結集する道具でなくてはならず、間違っても政治家が権力を手に入れるための道具であってはなりません。民主党は公害や薬害の被告者等と一緒に政官業癒着構造と戦うという市民の感覚を取り戻すべきです。私は、今失業や倒産の不安に、涙を流し苦しんでいる人のために政治をするのだと、決意を新たにし、「市民が主役」の原点に立ち返ります。
民主党を自民党の補完政党にしてはなりません。小泉内閣と闘うために私は立ち上がります。私の真意をご理解いただければ幸いです。
2002年12月6日 菅 直人