江田五月活動日誌 2007年8月 | >>日程表 | ホーム/総目次/8月目次/ 前へ|次へ |
今日は終日、地元から上京してきた妻と一緒に、議員宿舎で片付けや掃除、デスクワークなどをして過ごしました。
裁判員制度の始まりが、1年8ヶ月後に迫っています。刑事裁判という不慣れで厄介な仕事に携わりたいと思う人はいません。しかし、日本の裁判のあり方を変え、そこから公権力と市民との関係を変え、さらに市民社会のあり方自体を変えたいと願い、私は裁判員制度の導入を積極的に進めました。制度設計に不満はありますが、ぜひ実現させたいと思っています。
国民の理解を深めスムーズな導入を実現するため、広報・啓発が進められています。啓発のためのDVDでは、日弁連の「裁判員〜決めるのはあなた」があって私も見ましたが、最高裁が作った「裁判員」もあり、まだ見ていなかったので、じっくりと拝見しました。こちらは現住建造物放火の有罪については争いがなく、問題はもっぱら情状と量刑でした。対象事件の多くがこの類型だと思います。
それでも、事実の見方につき、じっくり議論しないと浮かび上がらない問題点があります。被告人が、自分の住んでいた社員寮の部屋で、積み上げられていた新聞紙に100円ライターで火を点けて、現場から逃げます。その際被告人は、火が新聞紙からカーテンに、そして木の柱に燃え移るまで確認して、それから逃げるのですが、映画では、このときの被告人の心理分析はありましたが、私はこれを、放火の実行行為の態様と捉えるべきだと思います。行為態様を見れば、自首減刑はあっても酌量減刑はありえず、他の情状も一般的なもので、実刑は免れないと思いました。量刑の評議が始まる前に私が出した刑は、懲役4年でした。
その後、法務省が作った保護司の啓発DVD「明日へのまなざし」も見ました。いずれも啓発資料で、現実はもっとどろどろしたものだと思いますが、それでも「権力の目線」を極力排して「国民の目線」で作ろうという努力のあとが見え、よく出来た資料だと思います。