2012年3月22日(木) | ホーム/活動日誌総目次/3月目次/ 22日の日誌 |
第5回日中議員会議の概要
平成24年3月
参議院国際部1.参議院日中交流議員団(団長:江田五月議員、副団長:金子原二郎議員、別添1参照)及び中国全人代代表団(団長:李建国全人代常務委員会副委員長、別添2参照)は、平成24年3月22日、参議院議員会館において、第5回日中議員会議を開催した。
なお、本年が日中国交正常化40周年であることに鑑み、今次議員会議は、「日中国交正常化40周年特別記念行事」として執り行われた。
2.日中議員会議は、平成18年10月に扇千景参議院議長(当時)と呉邦国委員長との間で交わされた参議院と全人代との定期交流メカニズム創設に関する覚書により、1年に1回、両国交互に開催することが合意されたもので、今回で5回目の開催となる。
3.今次会議においては、日中両国及び世界が直面する以下(1)〜(7)の課題に関して意見交換が行われたところ、概要以下のとおり。
(1)日中関係
日本側の江田団長は、地域及び世界の情勢が大きく変化する中で、立法府においても議会間の意見交換や情報共有の重要性が高まっていると述べた。また、日中議員間の対話が両国の諸課題の解決や世界の議員外交の発展に寄与する旨指摘し、本日の会議において活発な意見交換が行われることに期待を示した。
中国側の李団長は、日中共同声明など各般の政治的文書の原則に基づき日中関係が発展してきた旨言及しつつ、見解の相違がある中でも友好や協力の維持・拡大を図ることが両国双方の利益にとって重要である旨強調した。また、両国関係の更なる発展のため、議会間や若年層の交流を含む人的交流の強化の必要性を訴えた。
(2)議会間交流と議員会議
日本側より、日中間議員交流の進展を歓迎しつつ、今後の日中議員会議の意義を高めるための方策として、(1)議論のフォローアップや自国議会へのフィードバック、(2)地方視察の充実、(3)議員会議や両国議員団の継続性確保、の各点が指摘された。このほか、議員交流における忌憚のない意見交換の重要性等を強調する発言もあった。
中国側からは、議員交流が両国関係の発展に寄与している旨評価がなされたほか、議員交流の充実に向けた論点として、(1)戦略的・長期的視点に立った取組、(2)オープン、誠実かつ、広い話題の意見交換、(3)現地視察や文化活動の充実が重要である旨言及があった。
(3)自然災害に関する協力
日本側より、東日本大震災における中国側の支援等に謝意が示された。また防災協力について、日中韓3カ国の防災当局の協力進捗に評価が示されつつ、(1)実効的な救助・救援スキームの確立、(2)災害救助要員の人材育成、(3)先端技術の共有による地域防災システムの確立の各点について、政策上の進捗を図る旨指摘があった。
中国側からは、上記論点に対する支持や四川大地震時の日本側支援への謝意が示されたほか、貿易・観光面で東日本大震災の被災地支援に中国が取り組んでいる旨紹介がなされた。
(4)世界及び地域の問題(朝鮮半島・北東アジア情勢を含む)
北朝鮮問題に関して、日中双方より、先般の米朝協議の進展を歓迎するとともに、六者会合等を通じた問題解決が図られることを期待する旨発言があった。また、日本側より、北朝鮮による核開発及び拉致問題の解決に向け、中国の影響力行使を求める旨意見が述べられた。
このほか、北東アジア地域における課題解決や開発等における日中両国及び日中韓の協力の意義等について日中双方から指摘があった。
(5)経済・社会情勢及び貿易問題
日本側より、中国に対して、日中韓を軸とした経済連携の促進、科学的根拠に基づいた日本産食品への輸入規制の実施、知財・著作権保護の強化、違法漁業操業の取締り強化等を求める意見があった。
中国側からは、国内経済の現状、経済発展に向けた同国の取組や第11期全人代第5回会合の概要について報告がなされた。また、知財・著作権問題に関して、同国が法的ルールに基づく問題解決に取り組んでいることが強調されたほか、日本産食品の輸入規制については、両国政府間の協議が続けられることを期待する旨発言があった。
(6)エネルギー(原子力安全を含む)及び環境保護
日本側からは、原子力事故の原因等に係る情報を各国と共有することを通じて原子力安全の進展に寄与したい旨発言があったほか、気候変動対策に関して、経済規模に見合った貢献を中国に求める意見が述べられた。
中国側からは、省エネや環境保護に向けた政策努力を進めている旨言及があったほか、日本のエネルギー政策及び気候変動対策の方向性について関心が示された。
(7)人的・文化交流
日中双方の議員より、人的・文化交流が両国関係の発展に重要な役割を果たす旨指摘がなされたほか、教育、青少年、文化・コンテンツなどの分野での交流を促進していく必要性が確認された。
4.会議閉会に際し、日中両団長より、率直かつ有意義な意見交換が行われた旨評価がなされるとともに、来年北京で行われる見込みの第6回日中議員会議でも有益な交流が行われることを期待する発言があった。
第5回日中議員会議 日中交流議員団名簿
平成24年3月15日
国際部国際会議課
団 長 江 田 五 月 君 (民主) 副 団 長 金 子 原二郎 君 (自民) 大久保 勉 君 (民主) 田 城 郁 君 (民主) 徳 永 エ リ 君 (民主) 那谷屋 正 義 君 (民主) は た ともこ 君 (民主) 藤 谷 光 信 君 (民主) 片 山 さつき 君 (自民) 北 川 イッセイ 君 (自民) 末 松 信 介 君 (自民) 二之湯 智 君 (自民) 丸 山 和 也 君 (自民) 山 本 博 司 君 (公明) 小 熊 慎 司 君 (みんな) 井 上 哲 士 君 (共産) 山 内 徳 信 君 (社民) 荒 井 広 幸 君 (改革) 平 山 誠 君 (大地) ※会派別五十音順(団長及び副団長以外)
第5回日中議員会議中華人民共和国全国人民代表大会代表団名簿
平成24年3月12日現在
参議院国際部
1.団 長 全国人民代表大会常務委員会副委員長兼秘書長 李 建国
(Li Jianguo)
2.団 員
全国人民代表大会内務司法委員会主任委員
黄 鎮東
(Huang Zhendong)
3.同
全国人民代表大会外事委員会副主任委員
劉 冬冬
(Liu Dongdong)
4.同
全国人民代表大会常務委員会副秘書長
全国人民代表大会中国−日本友好グループ主席
曹 衛洲
(Cao Weizhou)
5.同
全国人民代表大会教育科学文化衛生委員会副主任委員
呉 恒
(Wu Heng)
6.同
全国人民代表大会法律委員会委員
信 春鷹(女性)
(Xin Chunying)
7.同
全国人民代表大会財政経済委員会委員
甘 道明
(Gan Daoming)
8.同
全国人民代表大会環境及び資源保護委員会委員
趙 志祥
(Zhao Zhixiang)
9.同
全国人民代表大会農業及び農村委員会委員
苟 天林
(Gou Tianlin)