2003年6月18日 | >>中間報告骨子 |
NPO・公益法人改革PT
座 長 江田五月
事務局長 中村哲治<この間の経緯>
政府は、行政改革の重要な柱の一つとして公益法人改革を進めている。具体的には、約2万6000ある公益法人のうち、特に国の関与の強い法人(行政委託型公益法人)約600法人のみを対象に、行政の関与の在り方についての見直し計画を策定(2002年3月)し、その実現を図ることとした。さらに2002年3月の閣議決定により、公益法人制度について体系的な見直しを行うこととし、その基本的枠組みをH14年(2003年)度中に、「公益法人制度改革大綱」としてとりまとめることを決めた。
こうした動きを踏まえ、民主党としても、あるべき公益法人制度について行革部門会議において検討を進めてきた。今年に入り、より総合的な検討を行うためNPO・公益法人改革PTを設置し、下記のとおり会合を重ねた。途中、法人に対する課税が大きな問題となったことから党税調との合同会議を行い、最終的には行革部門も加わる形で6月12日に3部門合同会議を行い、改革の方向性を中間報告としてまとめた(別紙参照)。
3月11日 第1回PT (財)公益法人協会・太田理事長、松陰女子大・雨宮教授ヒアリング 14日 第2回PT 日本NPOセンター・山岡常務理事、シーズ・松原事務局長ヒアリング 18日 第3回PT 政府行革事務局ヒアリング、党内協議 19日 『次の内閣』 PTで検討する対象範囲について(論点整理) 25日 第4回PT 政府行革事務局、非NPO関係者からのヒアリング 以後、PT役員会を随時開催し、政府・与党の動きや党内議論の方向性について意見交換
6月 4日
第5回PT・税調合同会議 白鴎大学・石村教授、河村たかし衆議院議員ヒアリング12日 第6回PT・税調・行革部門合同会議 民主党改革案(たたき台)を協議、了承 18日 『次の内閣』 民主党改革案(中間報告)について
<政府の動きについて>
政府の大綱取りまとめ作業は迷走している。政府行革事務局は、当初、公益法人・NPO法人・中間法人の3法人制度を統合し、非営利法人と特定非営利法人の2階建て制度を創設する方向であった。しかしこの案は、大綱とりまとめ直前に、政府税調が「非営利法人・原則課税」の方針を打ち出すに至り、NPO業界・公益法人業界からの猛反発を受けることとなった。その結果政府は、与党より今回の改革対象からはNPOを除くべしとの要請を受ける一方、大綱とりまとめも宙に浮き、(年度末とりまとめとの閣議決定は無視されたまま)検討は頓挫したかに見えた。
その後5月30日に与党の意見集約が政府に渡された。その内容は、今回の改革対象から中間法人を外すというものであった。ようやく政府の検討も再開し、これで大綱とりまとめも果たせるかに見えたが、予想に反し、2週間経った今もその動きはない。
<中間報告について>
この中間報告は、民主党としてのあるべき公益法人制度(民間非営利セクター)を政府・与党に先んじて示すものである。
公益法人改革で求められているのは、現行公益法人について指摘されている諸問題に適切に対処する(官業公益法人の見直し)とともに、多様な市民ニーズを実現し、活力ある社会を構築するために、民間非営利部門を自律的に発展させる土台をいかにつくるか(民間非営利活動の活性化)という2点である。
民主党は結党以来、基本理念においても、共同参画社会の実現を目指してきた。スリムな政府の実現には、活力ある民間セクターの存在が不可欠である。特に民間非営利セクターについては、営利セクターの整備状況と比べ、ほとんど未整備のままである。
今回の中間報告は、民間非営利セクターを活力あるものに育てるには、どのような制度が求められるかという点に、より軸足を置きまとめている。この案の実現は、民間活動を官が事前に規制する(官−民規制)社会から市民の自主性・自律性を基に、政府に頼ることなく自らが互いに支えあう(民−民規制・評価)社会の実現に大きく寄与するものと考える。
<今後の予定>
この中間報告は、7月8日開催予定の党NPO局主催シンポジウムにおいても公表する予定である。
これを皮切りに、NPOを含む国民各界各層より広く意見を聴取するとともに、詳細について検討を進め、平成17年(2005年)度中に提案されるであろう政府の公益法人改革関連法案にあわせ対案を準備する。
2003/06/18 |