2003年7月22日

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156 参議院・外交防衛委員会−(3)

イラク復興支援特別措置法案について
質問者=遠山清彦(公明)、吉岡吉典(共産)、広野ただし(自由)、大田昌秀(社民)


平成十五年七月二十二日(火曜日)

○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。
 今、若林委員からもこのイラクの支援の今審議しておる法案については仕切り直しをしてはどうかというお話もございましたけれども、私は、今回の衆参両院での審議でいろいろ進展した、議論の部分で進展した部分もあると思いますし、新たな課題として浮上した論点もあると思うんですけれども、これは是非やはり恒久法の審議の中でしっかりとやっていった方がいいんではないかというふうに思っております。
 これは七月の十八日の日本の新聞でも報道されましたけれども、アメリカ政府の委託を受けたシンクタンクであります戦略国際問題研究所がイラクに最近十一日間行って調査をしてきたと。その内容が報告されていますが、簡単に言えば、イラク復興の成否というのは今後十二か月間で決まると、特にこれからの三か月間はイラクの国内の主要各都市で危機的状況にある治安の回復に死活的意味があるということで、これから三か月間が非常に死活的だと、それからまた今後一年間が大事だということで。
 私は、ここまで国会で審議を進めてきて、やはりここで、この延長国会でしっかり成立をさせていかないと、日本が非常に一番イラク復興に大事な時期に、何も、何もではないんですけれども、関与が後れてしまうという意味では、やはりしっかりと参議院の方で通して、恒久法ができるということになればそこで改めて議論をしっかりと整理をしていったらいいんではないかというふうに思っております。
 いろんな論点がもう出尽くしてきた感がありますけれども、私も今日ちょっと若干時間いただきましたので質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、防衛庁長官にお伺いいたしますが、先ほどちょっと若林委員からもあったんですが、同じような趣旨が、自衛隊が派遣された場合の隊員の服装あるいは自衛隊が使用する車両について伺いたいんですね。
 服装はいわゆる自衛隊員が通常着ている軍服というか迷彩服になっていくのか、また自衛隊の車両のデザインというものは日本で使っているものと同等なものであって、例えば先ほど同僚委員からも指摘のあった国連マークを付けることということはあり得ないのかどうか、その点についてまずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(石破茂君) まず、本法案に基づく自衛隊の活動につきましては、先ほど外務大臣からも答弁がございましたが、国連の統括の下に行われるわけではございません。したがいまして、国連のマークを付けて実施することは現在考えておりません。
 では、何を着ていくのかねということでございますが、これまで人道的な国際救援活動で使用された自衛隊の車両には、例えば車ですが、日の丸のシールを張り付けたということもあります。今回の派遣につきましても、人の目に付きやすいところに大きな日の丸シールを付けるということも考えております。
 これが、自衛官が活動しますときにどういうような服装であれば誤解というか誤認というか、されずに済むかという点を考えねばなりません。しかし、先ほどのUNのように詐称、僣称みたいなことをしてはいけないというのは当然のことでございます。加えて、現地で活動しやすいものということも考えねばなりません。そして、いやしくも実力組織でございますから、民間人と判断が付かないようなそういう者が武器の使用権限を持ち、武器を携行しということがあってよいとも私は思いません。
 そういうことを勘案の上で、例えばイラクというか中東にお詳しい小池百合子自民党衆議院議員からも御提案をいただいております。何が一番良いのかということをきちんと議論をしなければいけないということで現在鋭意努力をしておるところでございます。結論はきちんと出します。

○遠山清彦君 今、正に小池議員のお話が出ましたけれども、私も小池議員が新聞に投稿されているのを読みました。
 それで、小池議員だけではないと思いますけれども、現地情勢に詳しい人の中には、今回、自衛隊、行くとしても、人道復興支援目的の非戦闘部隊であるわけだから迷彩服は着ない方がいいというような具体的な提言が実際出ているわけですね。私も、自衛隊員がジーパンにTシャツでやれとは、これはちょっと問題だというふうに思っておりますけれども、迷彩服を着ているだけでゲリラ攻撃の標的になるということが明らかな場合は、やはりほかに何かやり方がないかしっかり考える必要性は政府はあるんじゃないかというふうに思っております。
 それから、先ほど来、国連のUNマークを付けることは無理なんではないかというお話で、私もそれは一定の議論として分かるんですが、先日、私が直接お会いしたある国連機関である程度の立場で働いている邦人の職員の方も、実は同様なことを私におっしゃっていたんですね。つまり、自衛隊の車両にUNのマーク付けられないのかと。ただ、現在は、確かに国連決議一四八三でもCPAが基本的には占領当局というふうにレコグナイズされている状況ですので、そういう観点からいうと、やっぱり確かに政府側の答弁にあるようにおかしいのかなという思いも一方でありますが、他方、デメロ氏ですか、国連特別代表を国連が任命をして、今後CPAとどういう関係になっていくのか分かりませんけれども、やはり国連の代表者もイラクにいるという現状の中では若干話合いの余地はあるんではないかなと、この点に関しても、という点だけをちょっと私、指摘をさせていただいて、次の質問に行きたいと思います、時間も余りありませんので。
 次の私の質問、またこれ防衛庁長官になりますけれども、これはもう私が申すまでもなく、イラクの現地に調査に行った国会議員のメンバーみんな感じていることだと思いますけれども、やはりイラクでの活動環境は本当に厳しいと。気候だけでも四十五度から五十度という高温でして、私も我が党の太田幹事長代行と一緒にイラクの難民、国内避難民キャンプを三十分、日差しの中で、炎天下で回りましたけれども、三十分だけでかなりはっきり言ってくらくら来ました。これはもう恐らく自衛隊員でも同じようにつらいと思うんですね、炎天下で一時間、二時間作業した場合。
 そこで、私が聞きたいのは、やはり現地への派遣期間というのはどれぐらいになるのか、まだ未定だと思いますが、仮に一か月、二か月、三か月以上ということで長期にこれなってくると、やはり現地で任務に従事する自衛隊員の健康への配慮というのは非常に大きな課題として浮上してくるんではないかなと。宿営地がどういうところになるのかも全然決まっていないわけですけれども、やはり高い気温に対する配慮には、宿営地では限界あるんじゃないかなというふうに個人的に思っています。
 いろんなアイデアがあって、例えば他国の軍隊の中にはホテルシップというんですか、海の上にある程度設備が完備されたホテルシップみたいなのを完備して、現場で長期にわたって働いてつらくなった人はホテルシップに収容して静養させるというようなことをローテーション組んでやっているところもあるんですね。ただ、元自衛隊員の人に直接聞いたら、やっぱり自衛隊の持っている艦船というのは異常に暑いらしくて全然ホテルシップにならぬと、海上自衛隊の船は。そうしたら、民間からチャーターしなきゃいけないのかなとか、私の頭の中にもいろいろ混乱があるんですけれども、これ、防衛庁長官として、仮に派遣がある程度の期間になった場合に、隊員の健康に対してどういう配慮をされようとされているのか、お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(石破茂君) これはもう交代期間のお話ではございませんで、委員が御指摘のように、例えばカンボジアでもモザンビークでもゴランでも、PKOは六か月で交代をしていますが、そういうお話ではございませんで、委員が御指摘なのはその間にどうするんだというお話だと思います。
 一つは、医官をきちんと派遣をして実際のヘルスのケアにきちんと努める、メンタルも含めてということは当然ですが、あとはホテルシップというものができるのかどうなのかというのは、実はもちろん法案がお認めいただくことを仮定してでの話でございますが、いろんな議論はいたしております。確かに、テロ特措法に基づきまして何でイージス艦なのといったときに、そっちの方がカンフォタブルだからという議論もいたしました。逆に言えば、DDHなぞというのはエアコンがきちんと利かない、ああいうところでは。そうしますと、私どもが考えるとすれば「おおすみ」クラスということになりますが、それが一体どれぐらいのエアコンの性能があるものなのかどうなのか、そういうことも含めまして、やはりある程度の期間を置いて休養させませんともたないと思っています。それは、もたないというのは、精神的にもそうですし、士気も下がります。肉体的にもそうです。先ほど、委員がジーパンにTシャツというわけにもいかぬだろうというお話がありましたが、それはやはりきちんとした服装をするわけであります。そうでなければ防護の点からも問題がある場合もございましょうから。
 今、手元にございますのは、平均気温が非常に高いと。七月で四十三・三度、八月で四十三・三度、九月でも四十度、十月でも三十三度。最高気温になりますと、八月が四十八・九度、九月が四十六・六度、十月でも四十一・六度みたいなお話でございますから、そのことはよく考えていきませんと、士気も保持できないということになろうかと思っております。

○遠山清彦君 しっかりとまた検討をしていただいて、万全を期していただきたいと思います。
 次に、去る七月十日の質問で、私、長官に、イラクに自衛隊が派遣された際に、その活動目的や内容について、イラクの国民について幅広くかつ正確に理解してもらうために、現地の新聞等のメディアを活用して広報宣伝すべきじゃないかという提案をさせていただきました。その後、新聞の報道で、七月十五日の読売であるとか昨日の朝日であるとかに、防衛庁としてイラクの新聞やラジオの広告、何か昨日の朝日には、テレビで、テレビ、ラジオによるCM放送まで検討しているというような話が出てきましたし、アラビア語のビラを防衛庁がもう配布する予定であるということもありました。
 私も提言させていただいた側ですので歓迎をしているんですが、報道は必ずしも正しいとは限りませんので、ここで改めて防衛庁長官に、どのような広報宣伝活動というのを検討されているのか、防衛庁として今言えることを御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(石破茂君) これは当庁だけでできることではございません。もちろん、外務省、内閣官房とも御相談をすることですが。何のために来たのだということがイラクの人々に理解されなければいけないんだということの必要性は、委員の御指摘を踏まえまして、私どもとしても真剣に議論をいたしたところでございます。
 それは、実際に行ってみてからビラを作ったり、実際に行ってみてからテレビ会社に、テレビ会社があるかどうか知りませんが、お願いしたりということではなくて、基本計画というものを策定をした段階で、もちろん国会の御承認ということを踏まえた上でのお話でございますが、そういうことを準備をするということは必要なことなのだろうと思います。
 そのことが、日本は、もちろん安全確保支援活動もいたしますが、人道支援もやるんだということ、イラクにおいて日本人に対する感情がいいということも含めまして、誤解を招かず、そのことが本当にイラクの民心を安定させるような方向に行くためにこのようなことをその一環として考えております。
 今後も、こういう形がいいのではないかという御指摘があれば真剣に検討をいたしますので、是非よろしくお願いを申し上げます。

○遠山清彦君 分かりました。是非しっかりとこれもやっていただきたいと思います。
 もう一点、十日の委員会で私、長官と何度かエクスチェンジさせていただいて、武器使用に関する、特に自衛隊員が第三者によって誘拐、拉致された場合の武器使用について議論させていただいたわけでありますけれども、私の問題設定は、攻撃主体というか、この誘拐、拉致をした主体が犯罪者あるいは犯罪集団と明確な場合に、この捜索を行った結果、現場性が発生をして、自己とともに所在するといういわゆる十七条の、この法案の十七条の要件に合致すれば武器使用の、武器の使用が可能ではないかというような方向性の議論をさせていただいたというふうに理解をしておりますけれども、ちょうどその後に、七月十五日ですか、閣議決定をされた、民主党の長妻衆議院議員に対する政府答弁ですね、これは新聞に大きく、自衛隊の誘拐、拉致の場合も武器使用可能というような見出しで出たわけでありますけれども、これについて一点確認をしたいんですけれども、これは防衛庁として、いわゆる自衛隊の誘拐がなされた場合に捜索をして、そして捜索の先で当該隊員を発見した場合には武器使用をすることは全く排除されないという見解を正式に示したということでよろしいでしょうか。これ、確認になりますけれども。

○国務大臣(石破茂君) おおむねそういう御理解でよろしいと思います。
 ただ、奪還ということを目的として行動するということはないということでございまして、それは委員との先般のやり取りの中でも、それは結果としてそうなるじゃないかという御指摘もいただきました。それは結果としてそうなることもあり得ます。しかし、最初から武器を行使、武器の行使を前提として行くということではなくて、やはり私どもは、部隊の維持管理の観点からして、そこへ捜索に行く、説得をし、要請をし、そこで武器使用、十七条の要件を充足する場面が出れば、という構成に変わりはございません。
 これ、じゃ、何で奪還と入れられないんだという話になりますが、それは武器使用を前提としてそれをインクルードした形で、そういうような条文の構成はかなり難しいかという判断をしておるのでございます。

○遠山清彦君 分かりました。
 それで、あと、私聞きたいの何点かあるんですけれども、一番聞きたいのからちょっといきますと、この今審議している法案には文民派遣の規定もあるわけでありますけれども、こういう文民で派遣をされたイラク復興支援職員が誘拐、拉致された場合には自衛隊はどういう対応を取られるのか、お聞きをしたいと思います。

○国務大臣(石破茂君) 基本的に文民と自衛官が活動する地域は異なるということは委員よく御理解をいただいておるとおりでございます。
 それはお互いにとって、つまり自衛官は、安全なところではありますけれども、その安全度が、文民にとって安全なところと、再三答弁申し上げておりますように、自衛官にとって安全なところというのが同じではない場合があり得る。むしろ、同じではないことが常態と思っていただいてもよろしいかと思っております。
 同じところへ丸腰で訓練も受けていない文民が行くというのも、これはかなりおかしな話でございますので、まず、ともに行動するということが余り想定をされないということを申し上げておきます。
 例えば、正に目の前でイラクの復興職員、文民が拉致され連れ去られるという場合、そして当該職員に危険が及ぶおそれがある場合には、本法案十七条の規定に基づきまして、自己とともに現場に所在するイラク復興支援職員を防衛するために武器を使用し、拉致を阻止するということは可能になります。これは、復興支援職員がどういう立場に立つかというと、自己とともに現場に所在するイラク復興職員という立場に立つわけでございます。
 仮に、捜索ができるかということについて申し上げれば、本法案に基づきまして、自衛隊の部隊と同様の対応措置を実施する復興支援職員、例えて申しますと、自衛隊の部隊が輸送する食糧の配付に伴う業務を行っているとか、そういう場合でございます。自衛隊の対応措置と密接な関連を有する業務を行っているそのような職員であります場合には、自衛隊の部隊は当該職員の捜索や拉致した者に対する説得や交渉を行うことが考えられるということでございます。
 そして、その場合に十七条の要件を満たせば、武器の使用ということがあり得るということになります。

○遠山清彦君 先ほど私が言及した答弁書では、NGO関係者の場合は誘拐された場合について明示されているわけですけれども、自衛隊の部隊等が当該NGO関係者の救出活動を行うことは予定をされていないというように書いてありますけれども、これはまあ端的に、どうしてなのか。法的にこれはできないのか、それとも、想定していないけれども、そういう事態をですね、しかし例えばそのNGOからそういう要請があった場合は、場合によっては対応することも可能なのか。
 私がこの質問をする底流にあるのは、NGO関係者であっても日本人ですから、政府の側に邦人保護の義務というか責務があると仮定した場合に、こうやってあらかじめNGO関係者の救出活動を行うことは予定されていないということを言ってしまうということは、言い切ってしまうということは政治的に正しいのかどうか。
 その辺も含めて、もし官房長官も何かあればお答えいただきたいと思いますが、取りあえず防衛庁長官にお聞きします。

○国務大臣(石破茂君) 邦人保護の義務、政府が負います邦人保護の義務につきましては、外務省からお答えをいただくのが適切であろうかと思います。それを受けまして防衛庁として答弁をさせていただければと存じます。

○国務大臣(川口順子君) 邦人の保護というのは外務省の非常に重要な仕事の一つでありますから、現地で大使館が、いらっしゃる邦人の方について居場所の確認をし、危険に関しては情報を流すという形で保護をしています。それから、万が一その方々に何かあった場合、これは外交的なチャンネルを通じて最大限のできることをやっていくということであります。

○国務大臣(石破茂君) 基本的に、先ほどイラク復興支援職員の例を申し上げました。これは、イラク支援復興職員、そしてまた我々の業務と密接な関連を持っている人という場合の答弁を申し上げました。それとNGOというのを同列に論じるということにはならないと思っています。
 他方、今、外務大臣から答弁がありましたようなそういう邦人保護の義務というものを踏まえました上で、我々は何をすべきなのかということになろうかと思います。当然、現地の治安組織というものも動いておるわけでございますし、そしてまた英米がオーソリティーとしての立場を持っておるわけでございます。その場合に、そういうような組織と密接な連携を取りながら、自衛隊としてなすべきことを行うことになるということでございます。
 法律に基づいて何ができるのかということになりますと、それは法律に基づいてできることとできないことがございます。私どもとしてそのことが、つまりNGOの職員をきちんとした権限に基づいてこのような形でというような言い方で政府復興支援職員と全く同列でありますということを申し上げますことは、法的にはかなり困難かと存じます。

○遠山清彦君 まあこれはまだ自衛隊がいつどこにどれぐらいの規模で派遣されるか分かっていない段階ですので、これ以上議論することは余り意味がないと思っていますけれども、実際にもし、邦人に限らないといえば限らないんですけれども、NGO関係者と自衛隊のこの協調関係というかそういうものの在り方、これは、私も東ティモールに行ったときに非常にいい形で日本のNGOと自衛隊の方々が協力できるところを協力していた事例をこの目で見た者としては、またそういう段階になったときにいろいろと考えていただければなと思いますが。
 防衛庁長官には、最後にお聞きしたいことが一つあります。
 それは、私たまたま沖縄の琉球新報という新聞の七月十四日の夕刊でこれ知ったわけでありますけれども、恐らく共同通信が配信した記事だと思うんですが、防衛庁が特殊部隊をイラクに派遣することを検討をしているということがかなり具体的に書かれております。今年度内に特殊作戦群を千葉の習志野駐屯地に作るという話もあるんですが、それから西部方面隊直轄の普通科連隊の中にそういうテロ、ゲリラ対策の部隊があるというような記述もあって、そこからイラクに、やはりイラクが今非常に治安が悪いということを防衛庁が意識してこの特殊部隊を派遣するんじゃないかということが大きく出ているわけでありますけれども、これは長官、事実ですか。

○国務大臣(石破茂君) その前に、先ほどの答弁にちょっと追加をさせていただければ。
 さっきのように答弁をいたしましたが、NGOは自衛隊としては知らないとか、そんなことを申し上げているわけではございません。その点は委員もよく御理解のことと思いますが、現地の治安当局あるいはオーソリティー、自衛隊、それとよく緊密に連絡を取って、連携を取って行動したいということを答弁をいたしたかったのでございます。
 今の点に申し上げれば、そのような検討を始めたという事実はございません。それは、何が特殊部隊なのかということにもよりますが、ゲリラや特殊部隊による攻撃への対処のための専門部隊である特殊作戦群、これは仮称ですが、あるいは島嶼部への侵略行為への対処等を行う西部方面隊普通科連隊、相浦にございますが、これを指すということであるとするならば、その方向で検討を始めたという事実はございません。

○遠山清彦君 最後、あと五分になりましたけれども、外務省にお聞きをいたします。イランの問題です。
 先ほども広中委員の方からるるありましたので、今日は天野審議官は出席されておりますか。──はい。天野審議官が実際に先日、七月十九日ですか、十二日ですね、イランのテヘランに行って、主にIAEAの追加議定書締結問題に関連をして協議を行ってきたということでありますけれども、外務省の報告書を読みますと、イラン政府側は、私も六月にイランに行ってこの話題で話をしたら、やっぱり前向きに検討するで、今回も報道によるとそんな感じで終わったようなんですけれども、実際には、これ、やはりIAEAの追加議定書を締結するだけでは駄目で、締結をして、そして批准をして、そしてさらにそれを実施する手だてをイラン政府がしっかりと組んで、そしてエルバラダイさん辺りとしっかりと合意した上で査察を行うというようなプロセス全体が実行されないと疑念が払拭されないんですが、この点も含めて、どういう感じだったのかお聞かせ願いたいと思います、協議が。

○政府参考人(天野之弥君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、七月十二日、イランに参りまして、日イラン軍縮・不拡散協議を行ってまいりました。十二日の協議では、軍縮・不拡散問題の全般にわたって幅広い問題を取り上げましたが、特にイランの核問題については時間を割いて意見交換をいたしました。
 イラン側は、IAEA事務局長報告で指摘された諸問題についてはIAEAと協力する、追加議定書については前向きに検討するが、検討の結果について今の時点で見通しを述べることはできないということを付け加えておりました。
 我が方からは、IAEAと完全に協力することによってIAEA事務局長報告で指摘された問題を是正すること、また、イランが高度な原子力活動を目指していることにかんがみ、IAEAの追加議定書を即時かつ無条件に締結し、締結というのは署名、批准、履行でございますけれども、完全に履行するように強く求めました。
 イランの核問題をめぐりましては、我が国は唯一の被爆国という立場から、国際社会とともに強い懸念を共有しております。
 イランの追加議定書批准の見通しにつきましてのお尋ねでございますが、今回の協議においては、ただいま申しましたように前向きに検討するというお話はありましたが、明確な回答は得られませんでしたので、今後の推移を見守っていく必要があると思います。
 また、我が国といたしましては、この問題は我が国自身の問題として取り組み、引き続きイランがIAEAと完全に協力するとともに、IAEA追加議定書の早期かつ無条件の締結及び完全な履行を通じて懸念を払拭するように求めていきたいと考えております。

○遠山清彦君 もう時間がなくなってきましたので、最後に一言、これは官房長官と外務大臣にこのイランに関して申し上げたいと思うんですが、先ほど外務大臣がおっしゃったように、今イランでは核開発の問題とそれからアザデガン油田の問題が、これは経済産業省もかかわってくる問題が二つありますが、これはもう政府に入っていると思いますが、私これイランの問題は今後非常に米国あるいは英国を含めたヨーロッパ諸国との関係で悪化する可能性が大であると思っております。
 それは、核の問題だけでもなく、油田の問題だけでもなく、テロリストをイランの国内で養成をしているんではないかという疑惑がかなり具体的な証拠も含めて今国際社会で論じられ始めております。それからもう一つは、イラクへの関与。イラク国内にイランの特に軍関係が関与しているんではないかという疑惑も、これは欧米の新聞ではもう報道されておりますが、浮上しています。
 ですから、アメリカが態度を硬化させているのは核が一番プライオリティーが高いと思いますが、その他の問題もあって、私はイランとの友好関係を重視する立場でありますけれども、非常に強い懸念を抱いておりまして、これはこのまま放置しておくと更に国際社会の深刻な問題になりかねないということで、私は、ある意味、ある面、イラク以上に日本の国益にもダイレクトにかかわってくる国際関係の問題でもありますので、政府としては、遺漏なく打てる手は万全に今から打っていただきたいということを要望申し上げて、私の質問を終わります。

○委員長(松村龍二君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。
 まずお伺いしておきますけれども、政府の現地調査報告書は、四項目で「各国軍隊に期待される役割」という項目を設け、「自己完結的な能力を有する軍事組織の活動が果たす役割は不可欠。」と、こういうふうに述べております。
 この法案で派遣しようとしている自衛隊というのは、この政府調査報告書でも言うところの各国の軍隊ということになりますか。
 これはどなたですかね、官房長官ですか。

○国務大臣(福田康夫君) 政府の調査チームによる御指摘の現地調査報告、これは先月の上旬、内閣官房、防衛庁、外務省の担当が、イラクの国内において復興支援関係者との会談などを通じまして、今後の我が国の貢献に関して参考となる事項について報告を行ったものでございます。
 その中で、「各国軍隊に期待される役割」といたしましては、イラクにおける行政の体制確立、また基本的インフラの復興のために、自己完結的な能力を有する軍事組織の活動を果たす役割は不可欠であるというように記述されております。また、そのほか、各国軍隊への期待は様々でございまして、例えば航空輸送、燃料、水などの物資の補給、交付、輸送調整、航空機による患者の空輸等のニーズがあるといったようなことが記述されております。
 このうち、特に自己完結的な能力を有する軍事組織の活動が果たす役割は不可欠であるということについて、これ、もう少し申し上げれば、医療とかエネルギーなど社会のインフラが不十分でございまして、治安も良好でない地域もあるといったイラクの現状を踏まえれば、イラクの復興を支援するためには、軍事組織のように自己完結的な能力を有する組織による活動が不可欠であるということを意味するものでございます。

○吉岡吉典君 次に、既に尾辻議員からの質問ではっきりした問題ですが、再度、私、確認的に質問をしたいと思います。
 イラクの情勢というのは、法律上も実態的にも戦争は完全に終結していない状態、つまり戦争が終結していない事態だということが、先ほど防衛庁長官、お認めになったと思います。
 再確認したいと思いますが、長官、そう取ってよろしいですね。

○国務大臣(石破茂君) それは、イラクは日本の一・二倍の国土を持っております。バグダッドといっても東京全体の二・四倍の広さがあります。それは、非戦闘地域でなければならないという前提を置きまして、我々が活動できる地域というものがそこにおいて存在をするということを否定をいたすものでは決してございません。現地の調査等々におきまして、我々が活動できる地域というものがあれば活動するのがこの法律の趣旨でございます。

○吉岡吉典君 私、再確認を求めたかった点は、先ほど尾辻議員にお答えになりましたように、法的にも実態的にも完全に戦争が終結しているのではないという、そこの部分だけです。

○国務大臣(石破茂君) イラク全域にわたって戦闘が終了したというわけではございません。

○吉岡吉典君 そうすると、戦争が終結していないところに軍事組織である自衛隊を派遣しようというのがこの法案になります。そういうことが日本国憲法上できるのかどうなのか。
 また、私は、この法案も、戦争継続中のところに自衛隊を派遣する、そういうことを踏まえての法案なのかどうなのかということも含めてですけれども、まず、そういう戦争継続中のところに日本の軍隊である自衛隊を、戦闘行動には参加しないとはいえ送ることができるのかどうなのか。この点について、これは官房長官ですか、どなたでもいいんです。

○国務大臣(石破茂君) 我が国の定義に申します戦闘行為が行われている場所、換言すれば非戦闘地域でない場所において行動することはできません。
 しかし、それが戦闘行為というふうに評価をされない、戦闘地域というふうに評価をされない地域におきまして活動することは、憲法の要請に反するものでは決してございません。加えまして、治安の良さ、自衛官にとって任務遂行の上で安全な地域ということを配慮して実施の区域を決めますので、御懸念は当たらないものと考えております。

○吉岡吉典君 今の答弁を認めるということになれば、日本国は憲法九条を持っている国でありながら武力行使をしない、戦闘行為と一体化しないということさえ言えば、戦争中の国にだろうとどこへだろうと自衛隊を送ることができると、そういう憲法解釈になるわけですが、私はそういう憲法解釈というのは、日本国憲法制定当時からの論議を踏まえてみると非常に問題のある解釈だと思います。この点、官房長官いかがですか。長官でもいいです。

○国務大臣(石破茂君) それは何度かこの委員会でも答弁を申し上げましたが、例えば近傍で戦闘が行われている場合、あるいは行われることが予測されるに至った場合は、休止し危険を回避し、前条による指示を待つという条文がございます。もし委員のお考えになるようなことを仮に政府が考えているとするならば、このような規定は置きません。それは、近くで行われている場合でも、あるいはそれが予測されるに至った場合でも、そういうことにならないように休止し危険を回避し、指示を待つということが条文上規定しているわけでございます。委員が御懸念のようなことにならないために、私どもとしては非戦闘地域という概念を設定し、そしてそのような対応というものを定めておるわけでございます。

○吉岡吉典君 私は、危険か危険でないかという前に大きく懸念を持つのは、日本国憲法は、危険か危険でないかにかかわらずこういう形で外国に派遣するということをそもそも前提とした憲法でないということ、その憲法を持つ日本が、まだ法的にも実態的にも戦争が終わらない国に自衛隊を派遣すると、そのことが日本国憲法を持つ国としては許すことのできない重大なことだということを申し上げているわけです。
 私はこの委員会でも何回も言ったことがあると思いますが、日本国憲法は、条文のどこからもまた憲法制定議会における論議のどこからも、日本国憲法の下で外国に自衛隊を派遣して国際的な役割を果たすというようなことはおよそ想定されておりません。このことは法制局も認めてきたところです。そしてまた、自衛隊法三条も基本任務に、日本国憲法は、我が国の防衛と治安そして災害ということを規定して、日本の自衛隊が海外に出掛けて国際的な役割を果たす果たさないという憲法として制定されたものでも、そういうことを想定して制定された自衛隊法でもないということが、私は憲法と自衛隊法の制定、成立当時の考えられていたことだと思います。それを今のような解釈で海外に出すと。
 この委員会でも問題になったことがありますが、元防衛庁教育訓練局長の小池さん、新潟県加茂市長の文書でも、これは長官もお読みになっていることがこの間の委員会でも明らかになっておりますけれども、それによっても、これはやはり詭弁であり強弁でありますというふうにおっしゃるのが当たり前の考え方だと思いますし、この小池市長が結論として、このような地域へ自衛隊を派遣することは明確な海外派兵であり、明らかに憲法九条に違反する行為であります、イラク措置法が定めるような海外派兵さえも憲法第九条の下で許されるというならば、憲法第九条の下でできないことはほとんど何にもないということになりますという指摘が私は当たっているというように思います。
 そこで次の問題ですが、一体、アメリカが行った中東への戦争、引き続く占領支配、これを正当だとする国際的な一致はございません。とりわけ中東諸国の多くはそう認めておりません。私が外務省に問い合わせたところでは、中東諸国でアメリカの戦争を支持したのはアフガン、トルコ、クウェート、イスラエル、四か国、そして占領支配を明示的に支持を表明した国はないと、こういう答弁でした。
 外務省、こういうふうに中東諸国の態度は間違いありませんか。

○政府参考人(安藤裕康君) お答え申し上げます。
 まず、アメリカ等によります対イラク武力行使に関してでございますが、これについては、中東諸国の中では、委員御指摘のとおり、アフガニスタン、クウェート、トルコ、イスラエルが支持を表明しておりますが、そのほかの大半の国は遺憾ないし反対の立場であったというふうに承知しております。
 他方、米英による占領に関してでございますが、これにつきましては安保理決議一四八三がございまして、この中で、国際的に承認された代表政府がイラク国民により樹立され、米英当局の責務を引き継ぐまでの間、当局に対し、領土の実効的な施政を通じたイラク国民の福祉の増進することを要請するというふうに規定しておるわけでございまして、この決議そのものに反対の立場を表明している国はないというふうに承知しております。

○吉岡吉典君 今の国連決議は、全然、正当性を問うか問わないかでありませんから、私、ここで時間がありませんから一々申し上げません。
 いずれにせよ、アメリカ、イギリスのイラクに対する戦争を、そして占領支配は中東諸国の多くは認めていない。そして、日本の自衛隊派遣についても、これはこれらの国はほとんどの国が認めていない。私、ちょっとここで確認しておきます。
 二十一日、昨日の朝日新聞によると、イラク統治評議会に入っているイラク・シーア派組織指導者のハキーム師は朝日新聞のインタビューに答えて、「日本の自衛隊の派遣をめぐっては「駐テヘランの日本大使と話したが、国連の平和維持活動など国連の管轄下で派遣されない限り、日本の利益にはならないと伝えた」」と、こういうことを明らかにしたと報道されております。これは外務省、御存じですか。こういうことが伝えられておりますか。

○政府参考人(安藤裕康君) ただいまの御指摘の点につきましては、新聞報道は私も読んで知っております。その上で、イランの大使がどのような発言をしたかということについては現在照会中でございます。

○吉岡吉典君 この報道によれば、こういうようにイラクの統治評議会に参加している人さえも、自衛隊の今の法案のような形での派遣は望んでいないということでございます。こういうところへ自衛隊を送るということについては、私はまず大問題があると、憲法上も。また、中東諸国が望んでいない派遣だということを申し上げなければなりません。
 そこで、次の問題に入りますけれども、今のイラクの情勢をどう見ているかということにかかわるものであります。
 私は新聞記者をやっていたこともあって新聞は比較的よく読む方であり、その中には目を見張らせるような記事もあるし、そうでない記事もたくさんあります。そういう中で、一つ私が非常に注目した新聞記事があります。三月十八日のブッシュ大統領、イラクへの最後の通告を行ったその翌日の東京新聞はこういう見出しで書いております。ブッシュ大統領がイラクのフセイン大統領に最後の通告を突き付けた、「一見、勇ましいそれは、ブッシュ外交の大敗北の瞬間だ。」と、こういう記事でありました。
 私はこれを読んで大変注目し、それだけになおさらその後のイラクの情勢を見てきました。その直後、アメリカの占領がいわゆる勝利ということで、このブッシュ大統領の「大敗北の瞬間だ。」という新聞記事を思い出す人は余りいなかったと思いますが、今日になってみると私は、泥沼化ということが言われる今のイラクの状況というのは、やはりこの指摘が一面当たっていたという気がいたします。
 もちろん、五月一日にはブッシュ大統領、勝利宣言を出しました。しかし、フランスのシラク大統領は、戦勝でイラクの戦争を正当化することはできないという批判をその後も続けている。そして、イラクをめぐってはもうこの委員会でさんざん論議されましたから私は繰り返しませんけれども、戦争の大義があったかなかったか、これが大問題になり、アメリカ議会、イギリス議会を始め世界じゅうで、あの大量破壊兵器をめぐる米英の発表が虚偽に満ちたものだったということが大問題になっております。そして、現地では米軍に対する抵抗、攻撃がいろいろな形で続いており、早くも泥沼化ということが大きく取り上げられております。
 そこで、私は政府の認識をお伺いするんですが、イラク調査団報告書は結論として、治安が急速に改善されていることが明らかになったと書いてあります。これはもちろん六月中旬の調査に基づくものではありますが、しかし当時とても、私はとてもこのように言える状況ではなかったと思います。私は、こういう認識でイラクへのこの法案も準備されたのであるとすれば、やはり正確に物を見ないまま作られたんじゃないかと思います。
 私どもは、あの太平洋戦争中、大勝利大勝利の大本営発表で負け戦を勝っているように思い込まされてきた、そういう苦い歴史の経験を持っております。ですから我々は、この教訓を生かそうとするなら、戦後のイラクの情勢についてももっと冷静、客観的に見る目が必要だと思い、こういう調査団報告書時点は、今より古くても、やはり何とかイラクの情勢がうまくいっているということを印象付けようとする、そういうことがあったんではないかというように思います。
 この調査団報告を含めて今の事態、どのようにお考えになっておりますか、官房長官。

○国務大臣(福田康夫君) 今、委員から大変貴重なる御意見をちょうだいいたしました。そういう中で、慎重に対応すべきであるというお話もございました。ですから、我々も慎重に対応していこうというように考えております。
 しかし、一方では、イラクにおいて現状でも医療とかエネルギー、そういったような社会のインフラが非常に不足しておるということ、そしてまた、治安も良好でないという、そういう地域もあるのはこれは事実でございまして、そういう状況に対して国際社会がこぞって復興支援促進に取り組んでいる、こういうことであります。それも、これは安保理決議一四八三を踏まえて行うということでございまして、我が国も国際社会のそういう取組に対してふさわしい貢献を行うということは、これは必要なことだというように考えております。
 確かに、戦争は、戦闘は基本的に終了はしているというように考えております。また、でありますけれども、大規模な戦闘は行われていない、そして、一部地域でフセイン政権の残党による散発的、局地的な抵抗活動は見られる、こういうような情勢認識でございますので、先ほど来防衛庁長官が答弁しておりますように、そういう状況の中で、我が国の憲法に違反しないような、そういうこの法案に盛り込まれております枠組みの中で、先ほど申しましたような積極的な取組をしていくべきである、こういうように考えております。
 ただ、繰り返しますけれども、そういう中でも、委員御指摘の慎重にという、このことにつきましては極めて慎重に対応してまいりたい、このように考えているところでございます。

○吉岡吉典君 慎重にやらなきゃならないということについては、私は、私の意見だけでなく、大体各党そろって今日の論議では強調があったと思っております。それほどイラクの事態が、やはりこの調査団報告書で言っていたような、急速に改善されているような状況でないと、全く見通しが誤った報告書だったということを示していると思います。
 そこで、今、法案にいうところの安全確保という問題ですが、要するに今、米英などが行おうとしていることはイラクの安定といいますが、それは、国民の抵抗、反米デモなど局地戦闘、そういうふうな状況がなくなって、米軍の占領統治が安定するということではないかと私は思います。そういうことを目指す様々の活動がこれまたイラクの住民の反発を買っていると。私は、一つの悪循環が続いていると思っております。
 そして、そのアメリカの活動というのは、例えばデモ隊への発砲というようなことまで行われております。デモ隊への発砲というようなのは正当な安全確保活動かどうか、これはどのようにお考えになりますか。

○国務大臣(川口順子君) どういう状況で発砲がなされるのか。例えば、粛々と何もしないで行進をしているデモ隊に発砲するということなのか、あるいはそうでない状況なのか、ちょっと具体的な背景がありませんとお答えするの難しいんですけれども。
 そういうことで、一般論としてということでお話をさせていただくと、まず、米国の権限、米軍の権限ですが、まずイラクにおいて武力行使が行われて、そして、イラクにおいて、その結果、権力の空白があったわけですね。そして、そこで、したがって、米英がその支配下に置く地域の民生や秩序を回復をして維持する義務を持っていたというのが一つあります。その後、一四八三によりまして、占領国としての米英の統合された司令部の関係国際法での下での特定の権限、責任及び義務を確認した上で、当局に対して安全で安定した状態の回復を含む領土の実効的な施政を通じたイラク国民の福祉の増進に関する権限が与えられているということであります。したがいまして、そういった治安を維持する等の権限を米軍は持っていると、そういうことであります。

○吉岡吉典君 政府が繰り返し述べられている意見ですが、そのような主張は必ずしも国際社会で通る意見ではないというのが国際法学者の意見です。例えば、軍事占領についていえば、他国の領土に侵入してこれを占領することはもちろん違法であると。軍事占領そのものが違法、不法とみなされ得るのですから、米英軍が治安の維持や民生安定、人道支援などいかなる活動を行っていても攻撃対象とすることが可能である、占領国としての国際人道法上の義務を遂行している最中でも攻撃することが可能になるという国際法学者の指摘もあります。
 そういう相手の、占領された側の住民の立場というものを全く考慮しないで正当性があるということでこういうことを繰り返していけば、やはり私はイラクの人民の反抗を強める、さっきも言いました悪循環になると思います。そういうところへ自衛隊を派遣しようということですから、私どもは本当にこれをうんと言うわけにはいきません。
 インドは、アメリカの要請はあったが国連の要請がないという理由で、軍隊の派遣は断ることにしました。対照的に日本は派遣しようとしております。
 イラクに派遣された自衛隊は戦闘行動は行わない、こういうことになっており、また非戦闘区域で行動すると、こういうことも強調されております。そうすると、イラクに行った自衛隊員というのは国際法上どういう身分、どういう地位になるのでしょうか。これは軍人なのか、軍隊なのか、武装した文民なのか、あるいは自衛隊員ではあるが政府職員的な地位で行動するということになるのか、これまで論議されてきたことではありますが、もう一度きちっと整理していただきたいと思います。

○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 従来から御答弁申し上げておりますとおり、自衛隊は憲法上の制約から通常の軍隊とは異なるものであるということは申し上げつつ、ただ、国際法上の取扱いといたしましては、一般的に申し上げれば、自衛隊は軍隊として取り扱われるというふうに申し上げております。
 このことは、この法案の下でイラクに派遣されます場合においても基本的には同じことだというふうに考えておりまして、国際法上の整理ということで申し上げれば、イラクにおいて施政を行う当局というものから同意を得た上で、イラクにおいて安保理決議に従って活動を実施する軍隊というものに該当するというふうに考えられますし、その自衛隊員はそういう軍隊の構成員として取り扱われるものだというふうに考えております。

○吉岡吉典君 軍隊ということでございました。
 そこで、今のところに関連して私は一つ確認しておきたいんですが、これもまたここで論議になってきたことでございますが、不幸にして捕虜になった場合、これは国際法に言うところの捕虜に関する規定を受けることに、取扱いとしての、ジュネーブ条約、第三条約ですか、受けることになるかならないか、この点ちょっと今の答弁に関連してきちっとしておきたいと思います。

○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 今申し上げましたとおり、自衛隊の国際法上の取扱いといたしましては軍隊、あるいはその要員は軍隊の構成員ということでございますけれども、この、累次申し上げておりますとおり、本法案に基づきまして我が国自衛隊が行う活動と申しますのは、これは武力の行使に該当せず、またいわゆる非戦闘地域で行われるために、我が国が武力紛争の当事国となることはないということでございます。同時に、我が国は、この本法案に基づいて行う活動によりまして武力紛争の当事国としてイラクの領域を実効的に支配するということにも相なりませんので、我が国が自らイラクの占領を実施するということにはなりません。
 したがいまして、この法案に基づきます我が国の活動が武力紛争あるいは占領に当たるとして自衛隊員がジュネーブ諸条約の規定の適用を受けることはないということを一貫して申し上げておるわけでございます。
 それで、今お尋ね、より具体的な何らかの形で拉致あるいは誘拐等捕捉された場合に、では捕虜の待遇を受けるのかどうかということでございますけれども、これも累次申し上げておりますとおり、非常に特定的にジュネーブ条約の第三条約とおっしゃいましたが、これが適用がされますのは基本的には武力紛争下における活動ということでございまして、先ほども申し上げましたとおり、武力紛争の当事国でない我が国の要員に対しましてこの第三条約がそのまま適用になることはないということを申し上げております。
 ただ、それでは、したがってそういう場合、基本的には拉致あるいは捕捉という、捕獲、そういうことがなされてはならない、なされるべきではないということが我が国の立場でございますけれども、そういう場合に、それでは万一捕捉されたりあるいは捕獲されたりした場合、いかなる取扱いを受けてもいいのかというお尋ねも累次ございました。
 その場合には、そもそも捕捉されてはならないということでございまして、これは第三条約の世界でございますとこれは相手方に捕虜とする権利が生じるということでございますけれども、そういう権利があるということは私どもとしては認められないという立場でございまして、即時釈放をされるべきものであると。その間におけます取扱いにつきましては、ジュネーブ条約にもございますような人道法の原則あるいは精神等に基づきまして人道的な取扱いがなされるべきで、直ちに釈放されるべきだと、こういう主張をしてまいると、こういうことを申し上げております。

○吉岡吉典君 ちょっと条約局長、そうすると、第四条約、文民条約の適用は受けるんですか。

○政府参考人(林景一君) この第四条約は占領地域におけます文民の保護ということでございまして、この適用があるとすると、そうすると、そのイラク側と申しますか、が占領地域といいますか、その支配地域というものを持っておって、そこにおいて我が国の要員が活動しておって、そのときにどういう保護を受けるべきかという問題だろうと思いますので。ただ、第四条約にありますような文民の保護といった考え方、これは先ほども申しました人道主義の原則、精神といったものがございますけれども、そういったものにも表れておりますそういう人道的な保護の考え方というものは適用されるべきものだろうというふうに考えております。

○吉岡吉典君 この問題は、私は大変深刻な問題だと思います。というのは、冒頭私が聞きましたように、軍隊として、軍事組織として戦場、戦場じゃない、戦争がまだ継続しているところへ送り込むわけですよ。そして、これまでの論議でも繰り返し論議になりましたように、犠牲者が出ることが非常に心配されている、そういうところへ送って、もし捕虜になっても国際条約上の捕虜としての保護の対象にならない、こんなのは、これは憲法上自衛隊をこういうところへ送ることができないのをやるところからくる矛盾だということを私はここで申し上げ、これは防衛庁長官、あなたの部下が戦死するのも大変だが、こういう捕虜になっても捕虜の扱いを受けないということもまた大変深刻な問題だということを申し上げておきたいと思います。
 それで、CPAとの関係の問題ですが、CPAと調整するということが繰り返し言われてきていました。そのCPAとの調整というのは、この冒頭で行われるか、日常不断に行われるか。それからまた、アメリカの安全確保の活動は主として連合軍司令部下で行われるというように思われます。したがって、CPAとの調整だけでなく連合軍司令部との調整というのはあるのかないのか、全くCPAとの調整だけになるのか、この点、簡単でいいですからお答え願います。

○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 御質問のCPAあるいは連合軍司令官との調整ということでございますが、まず、CPAと連合軍司令官との関係については、これはいわゆる上下の関係にあるのではなくて、密接にお互い調整し連携し合う立場のものというふうに理解をしておりますが、今後、イラクへの自衛隊を派遣するということになりました暁には、その活動の円滑性と安全性というものを確保することが極めて重要でございますので、そのような観点から、現在、イラクの復興あるいは安全、安定の確保に責任を有しておりますCPA及び連合軍司令官を始めとします米英軍側と必要に応じて種々の調整を行うということになろうかと思います。
 具体的な内容でございますが、当然のことながら、法案が成立した後におきまして具体的に今後どのような仕事をし、どのような地域に行くのかということを検討するわけでございますので、入念な現地調査あるいは現地情勢の進展等について調査をあるいは情報収集を行うことが極めて肝要と考えておりまして、そのような際、先ほど申し上げましたCPAあるいは連合軍司令官等との関係においては十分な調整を行いたいというふうに考えている次第でございます。

○吉岡吉典君 派遣された自衛隊はCPAとあるいは連合軍司令部と常時密接な調整、連絡を取りながら活動を行うということですが、これはCPAの何らの指揮も統制も受けないと言いますが、指揮統制ではという言葉を使う使わないにかかわらず、米英占領軍と絶えず連携を取りながら行う活動だということだというふうに言わざるを得ません。ですから、米英軍に対する攻撃が頻繁になっていると同じように、自衛隊に対するイラク側からのいろいろな攻撃という危険が大きい問題になるわけです。
 そこで、時間の関係で話、進めますが、戦闘区域と非戦闘区域の繰り返し論議されてきた問題です。
 この問題については、これまでの論議、私流に整理してみると、戦闘区域と非戦闘区域というのは、防衛庁長官の表現によれば、これは日本国憲法上の要請による条文上の担保であって、危険地域か安全地域かということの区別を示すものではないと、こういうことだったと思います。
 この点、まず確認させてください。

○国務大臣(石破茂君) 概念的にぴったりと重なるものではないということを申し上げました。つまり、非戦闘地域ではあるが危険な地域、治安の良くない地域という概念は存在するということでございます。

○吉岡吉典君 世界で、戦闘地域あるいは非戦闘地域というような分け方、そしてまた武器使用を武力行使とそれから正当防衛というふうに分ける分け方をやっている国というのはあるんですか。これは憲法上、日本だけで行われていることなんですか。

○国務大臣(福田康夫君) これは今、防衛庁長官から答弁ございましたけれども、要するに武力行使との一体化論ですね、それとの関係で問題が生じることのないようにするために非戦闘地域という、そういう概念を導入しているわけでございまして、これは我が国の憲法の九条、第九条ですね、この規定があることによってそのような必要性があるということでございまして、これはほかの国にはないですね。そういうことでございます。

○吉岡吉典君 ほかの国にない日本独特の解釈を作って、日本は武力行使をやっていないんだと、あるいは戦闘区域には行かないことになっているんだということがイラクの一般の人々の間に徹底して、ああ、これは日本の自衛隊だから米英の軍隊と同じ軍隊でも区別しなくちゃならないというようなことが隅々まで通るものかどうか、私は甚だ疑問に思います。そういうことはあり得ないというように思います。ですから、日本の自衛隊が行った場合に大変危険だということが問題になるわけです。私はそういう意味で、米軍と同じ危険を日本の自衛隊が持つようになり得るというように思わざるを得ないんです。
 そこで、お伺いしますが、戦闘行動でない安全確保の活動中の米英軍などを支援することですね、これは戦闘行動でなければ、治安確保のための、つまり米軍が戦闘行為でなく、戦闘行為でない大衆的なデモの鎮圧あるいは掃討作戦、こういうものをやっているのに対する自衛隊の支援というのはあり得るんですか、あり得ないんですか、後方支援ですけれども。戦闘行為でなければやれると。

○国務大臣(石破茂君) それは、米軍がイラクの治安の維持に当たっているかどうかということに懸かってくるのだろうと思うんです。
 しかし他方、先ほど外務大臣から御答弁がありましたが、本当に民衆が平和裏に、平穏裏にデモを行っている、それに対して米軍が何をするかということはまた別のお話でございます。米軍もそのようなことはなさないはずでございますけれども。いずれにいたしましても、それは米軍が何を行っているかということに懸かるものでございます。

○吉岡吉典君 米軍が何を行っているかによって後方地域支援ある、ないが決まると。つまり、米軍が何を行っているかということは、戦闘行為か否かということがその基準になるわけですね。そうでない、戦闘行為でなくても後方支援を行わない活動はあるんですか。

○国務大臣(石破茂君) それは先ほども答弁申し上げたとおりですが、その米軍の行動がイラクにおける安定、安全の確保行動であるかどうかという点に懸かってくるわけでございます。

○吉岡吉典君 分かりました。つまり、自衛隊がイラクに行って、日本流解釈による戦闘行為、武力行使は行わないが、アメリカが行うところの戦闘行為以外の治安活動等々に対する後方支援は行うと。
 後方支援、武器弾薬の輸送を含む後方支援というものが、イラク側から見て、これは米軍と別のものとして攻撃対象にしないというようなことが出てくることは私はあり得ないと、そういうふうに思います。もちろん、必ず攻撃してくるというわけではありませんが、日本側の解釈で相手から区別して取り扱われるというふうに考えるのは余りにも甘い対応だと思います。そういうふうには思いませんか。

○国務大臣(石破茂君) 先ほど来、委員の御指摘を承っておるのでございますが、それは日本流の解釈だとか、勝手に考えているとかいう御指摘でございますが、私は、これは日本国憲法に定められた趣旨というのをきちんと守るというのは大事なことだと思っております。そういうことは、私どもの主権者たる国民に対しても当然政府として行わねばならない義務だというふうに思っております。
 しかし、そうだからといって、私どもは日本国の憲法上このように解釈していますよ、武力行使をしていませんよということを仮に大々宣伝をいたしましたとしても、じゃそれがイラクの人がそれに理解されて攻撃を仕掛けてこないかといえば、それはそういうものではないかもしれません。そうである場合もありますが、そうであればするのをやめようという場合も決してないとは言いませんし、であらばこそ、私どもは人道支援であるということをきちんと周知せしめる必要があると思っているのです。
 しかし同時に、何度も官房長官が答弁されておられますように、非戦闘地域であるということに加えて、私どもは、自衛隊の活動する地域、実施区域というものが自衛官にとって、実際に派遣される自衛隊にとって安全な地域でなければいけないのだというもう一つの仕組みを持っておるわけでございます。
 したがいまして、確かに攻撃するかしないかというのを決めるのは向こう側でございます。私どもに選ぶ権利なぞがあるわけではございません。そうならないように精一杯の努力はいたしますが、あわせて、どういう地域で活動するか、それは実施区域は防衛庁長官が定めるものでございますが、その点もよく考慮に入れた上でその地域を定めるものでございます。

○吉岡吉典君 長官おっしゃる、憲法を厳重にきちっと守ろうということになったら、自衛隊を送ることをやめることが憲法を守る一番確実な方向だと。とりわけ今回の問題点は、米英のイラク戦争それ自体が大義がないことが今世界の大問題になっている。そして、占領統治についても、これを積極的に正当化する中東諸国はないということも先ほど明らかになったとおりです。そういう状況で泥沼化論が起こっている。日本の自衛隊は行っても、捕虜になっても捕虜の国際的扱いさえ受けない軍隊、私はそんな軍隊というのは聞いたことがありませんけれども、そういう状況で自衛隊を送るというのは、これは私が聞いたところでは今自衛隊の中は戦々恐々だと、こういうことを聞いておりますけれども、そうなるのが当然だと私は思います。
 時間が予定より縮まりましたので、その他いろいろなことをお伺いしたい点が、聞く時間がございません。
 私は、最後になりますが申し上げておきたいことは、やはりこういう形での自衛隊のイラクへの派遣というなのを数を頼んでやっては絶対にならないということであります。国際的な状況、米英でも今、政権がピンチに立たされているような状況、中東の諸国の状況、イラク国内の状況、そして日本国内でも世論調査によれば賛否は伯仲、反対がむしろ多い調査結果も出ている。こういうときに、この法案を通して自衛隊を送るというようなことは絶対にあってはならないということを私は強調したいと思います。
 そして、こういう問題が出てきた背景には、やはりイラクについての読みに誤りがあったと私は思います。私は、アメリカの誤りは、恐らくフセインなんというのをアメリカの近代兵器ですぐにつぶしてしまえる、そうすれば反フセイン勢力が直ちにアメリカの下に結集して極めて簡単にイラクをまとめることができると、こういう読みがあったんではないかと思わざるを得ません。
 ちょうど第二次世界大戦に進む過程で、日本がヒトラーと組んだ。なぜヒトラーと組んだか。防衛庁も関与して作られたと言われる「日本の戦争」という本によると、そのときに日本は、これはヒトラーと組むことがバスに乗り遅れるなという風潮でやられた。それは、ヒトラーがフランスを屈服させ、あちこちを成功して、侵略に成功したときに、日本の国内の見通しとしては、イギリスも間もなく、近く屈服すると、そうなればヒトラーの勝利の下に戦争が終わると、こういう見通しで日独伊軍事同盟を結んであの第二次世界大戦に入ったと、こう書かれております。
 私は、それに似た誤った見通しの下でアメリカは戦争を開始して、早くも泥沼状況。そして、他国が軍隊を送ってそこに新しい自分らの思う政権を作るなんということは、歴史上も成功したことはないんですよ。これは、日本の中国でかいらい政権作ったことがしかり、アメリカがベトナムで失敗したのがその例であり、ソ連がアフガニスタンで失敗したのもその例です。
 私は、今そういう道に進みつつあるんじゃないかという不安を持っており、だから今、慎重な結論、憲法をきちっと守る道は自衛隊を送ることをやめると、こういうことだと思います。
 最後に、官房長官……

○委員長(松村龍二君) 時間が来ております。

○吉岡吉典君 はい、それじゃいいです。

○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。
 先週の金曜日に公聴会が開かれまして、東大名誉教授の板垣雄三先生、イスラム文化に非常に造詣の深い方の御意見に私は非常に感銘を受けました。
 板垣雄三先生は、官房長官のお父さんの福田元総理が、七八年、やはり中東が第二次エネルギー危機のちょっと前後ですが、梅棹先生あるいはその板垣雄三先生、上田篤先生と一緒に中近東に調査団を出されたという方なんですね。それで、やはり中近東のことを知らずしていろんな政策を作ってもこれはもう絵にかいたもちになってしまうということで、「日本人よ、覚悟はできているか」という本を出しておられるんですね。覚悟がないところに出ていっても十分なことはできない、こういうことだと思います。そしてまた、文化が違いますと、いろんな意味でそごが生じ、誤解が生じ、そして思わぬ被害、犠牲が出るんではないかと、こういうことであります。
 そのときも初めて教えてもらったんですが、敬礼ですね。この敬礼、これは、まあ武器は持ちませんよと、平和にという意味でみんな敬礼するようになったんだ、それがもう世界じゅうに広がったんだと、こういうことをおっしゃっておりました。
 イスラムというのは、やはり歴史もあり、文化もプライドも高い、そういう国だと思います。
 ところで、例えばテロの被害に遭う、それのために犬を連れてイスラムの庶民の家に入ると、これは大変な侮辱になるようですね。これはやはり、日本の例えば畳の上にアメリカ人が土足で上がってくる、アメリカでは当然のこととして外も内も関係ないんですから土足で上がると、これは日本人にとっても大変な侮辱になると。やはりそこが習慣ですとか文化の違いということになるわけです。ですから、こちらは何とも思っていなくても大変な侮辱をしていると、こういうことが誤解が誤解を生んで大変な反感になる、またそれが敵意を増発をして思わぬ犠牲を強いる、犠牲が出てくると、こういうことがやはりあるんではないかと、こう思うんです。
 ところで、イスラムの場合は、女性は黒いずきんをかぶっているわけですね。目だけをこう出すということでありますけれども、その女性が、テロのおそれがあるからということでボディータッチ等をすると、これはまた大変な侮辱になるんですね。ですから、そこの、例えば自衛隊に女性隊員を連れていく、そういうことがあるのかどうか、防衛庁長官に伺います。

○国務大臣(石破茂君) 決して全く可能性を排除するわけではございませんが、現在のところ、検討をいたしてはおりません。
 それは、委員御指摘のように、イスラムの文化、あるいは戒律、また宗派によっても違うでありましょう。きちんと理解をすることは必要なことでございます。ただ、それと、女性隊員に参加させる、女性隊員がその行動に参加するかどうかというのはまた別の問題でございます。委員がおっしゃいますように、確かにチャドルをかぶって目しか出さないというような行動ができるかということもございますが、じゃ米英軍は女性が参加していないかといえば、必ずしもそうではございません。
 いずれにいたしましても、どのような活動をすれば現地人の人に、まさしく委員の御指摘のように、失礼にならないように現地の文化あるいは戒律、そういうものを尊重できるかということは、男女の別なく判断をしていかねばならないものと考えております。

○広野ただし君 米英軍はやっていませんからやりませんということではないんですよ。米英軍はそういうことをやっていないから、場合によってはテロの対象になってくるんですよ。
 ですから、やはりそこが文明間の、言語が違う、民族が違う、宗教が違う、そういう国との付き合い、特に陸上自衛隊が行きますと、もう常にそういう庶民との接触が日常のようにあるわけですね。海上自衛隊と違うんですよね。
 ですから、そういう意味で、いろんなトラブルのもとになるということで、やはり出す場合にどんな訓練を考えておられるのか、これはもう同僚の議員からも何回もあったと思います。そう簡単にすぐ向こうのことをのみ込んで誤解のないようなことができると私は全然思えないんですね。余りにも安易にそこは考えておられるんじゃないかと思うんですね。官房長官、いかがでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) 安易に考えたことは一度もございません。これは極めて厳しいことだという認識は、これはPKOでも同じことでございます。それはもう、今回の場合にはそれよりも危険度が高いということはそうなのですが、私どもは、部隊を出しますときには、PKOの際にも地域の文化、そういうものをきちんと理解をする、そして陸上自衛隊がPKOはほとんど出ておるわけでございますけれども、全く危険がないというわけではございません。訓練もやっております。
 私どもは、海外に部隊を派遣しますときに安易に物を考えたことは一度もございません。今回もその前例に従いまして、更に危険な地域である、そういうことが排除されない場合があるということを念頭に万全を期しておるわけでございまして、安易に考えておるわけではございません。

○広野ただし君 どんなによく考えても、慎重に、また訓練をしても、なおいろんな問題が起こるということなんですよ。ですから、そのことを言っているので、その言葉じりの問題ではありません。
 ですから、何か事件、犠牲が出たり、あるいは被害が出たり、また場合によってはイラク国民あるいは向こうに思わぬ被害、犠牲を起こすことだってあるわけです。ですから、そのときの責任はひとえにやっぱり小泉内閣、そして防衛庁長官にあると、こう思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) それは当然のことでございます。その言葉じりをとらえて申し上げたわけではございません。
 私どもは、海外に部隊を出しますときに常にそういうことをやってまいりました。今回はそれの例にきちんと倣いまして、さらにそういうような、ずっと御指摘がありますように、主な戦闘は終結したけれども散発的な戦闘が残っておる、いかに地域を選定するか、そしてまたその場合に前提として非戦闘地域であることを充足するかということ、そして持っていく武器あるいは与えられる権限、行う訓練、それは文化も含めまして、そういうことにつきましては、内閣、わけても私といいますか防衛庁長官が責任を負うものでございます。そのことは十分に自覚をいたしております。

○広野ただし君 官房長官、いかがでしょうか、その責任問題ですね。

○国務大臣(福田康夫君) 防衛庁長官の申したとおりでありますけれども、これはもし何かあればというようなことなのか、そうでなくても、すべてのことに対する責任というのは内閣にあるわけでございます。

○広野ただし君 本当にこの文化の違い、習慣の違いというのは、私もいろんな意見を聞きまして、例えば会議のときに、ここいらでおしまいにしましょうということでコーヒーが出るようです。そして、このコーヒーのときも、次お代わりどうですかと言ってきて、これまたお代わり下さいと言うのも、これ誠にぶしつけなんだそうですね。ですから、もうそれは終わりという意味でコーヒーが出ているんであって、ですからそれぞれの国の習慣というのはあって、やっぱりよくよくそこをよくわきまえてやりませんととんだことになるんではないかという懸念を表明します。
 それと、この七月十四日にイラク統治評議会が発足をして、これが将来どういうふうになってくるか分かりませんが、全体的に言われているのは、ここから憲法制定準備会ですか、そういうものを作って、そして憲法制定、制憲会議というんですか、そういうものを作って、憲法草案をしていく。さらに、憲法草案がいつごろできるのか、来年の半ば、春か半ばかと。そして、その憲法草案に基づいて、いずれかの日かそれを国民投票に掛けるのかどうなのか分かりませんが、そういうことですとか、またいずれの日か総選挙が行われて新政権ができると。そういうような、日本として全体的に、イラク復興についての全体的な見通しとかそういうものがないと、ただ行って、何というんですかね、あるところだけの協力をしていると一向に評価されない、こういうことになってもどうかと思うんですね。
 全体的な見通しをどういうふうに見ておられるのか、外務大臣に伺います。

○国務大臣(川口順子君) 今後のことですけれども、まず委員がおっしゃったように、イラク統治評議会ができました。七月の十三日だったかと思いますが、できまして、二十五人の評議委員会、ほぼイラク国内の人種的といいますか、宗教的な分布を反映をした形になっていると思います。それで、幾つかの権限をCPAからこの評議会はもらっているということで、例えば大臣を任命するというようなことです。
 それで、憲法との関係では、この評議会は、憲法準備委員会を設立をし、新憲法承認に向けたプロセスを勧告するということになっております。
 それで、憲法会議でございますけれども、これは今後立てられるわけですが、近い将来にということで、九月ぐらいだったと思いますが、これを目途に行うと、開くと、作られるということに今なっております。それで、それが憲法を作り、国民投票を行いという形で進んでいく。それが、全部そのプロセスが終了した折には当局は任務を終わるということになっておりまして、まだいろいろな治安その他課題がある中で、いつ今の時点では立憲作業が終了するかというところについてはまだ目途が付いていないというような状況だと思います。

○広野ただし君 日本は、やはり敗戦をし、占領され、そして新憲法を制定をして日本の政府を作っていく、正にそういう敗戦の経験、その苦しみもよく知っている国なわけですね。ですから、イラクの復興にとって何が最も必要であるか。つまり、それは非常に全体像を見ながら考えていかなきゃいけない、そういうことだろうと思うんです。
 それで、このイラク統治評議会のメンバーの中にイラク・イスラム革命評議会の最高幹部と言われるハキームさんが入っておって、この人が朝日新聞の記者とインタビューをしているわけですが、やはり早く英米軍は撤退していってくれと、早期に撤退をしていってくれと、こういうことだと思うんですね。これはもうイラク国民の感情、我々も敗戦を受け、そして占領軍に占領されたそういう国の経験に照らして、早く撤退をしろというのは当たり前のことだと思うんですね。
 この点について、どういうふうに考えておられますか。

○国務大臣(川口順子君) イラク人のイラク人の手によるイラク人のための政府ということを言っておりますけれども、先ほど申し上げたような憲法会議等のプロセスを経て、早くそういったイラク人のイラク人によるイラク人のための政府ができるということが重要であると、政府としては考えております。

○広野ただし君 重要というふうに考えておられれば、そういうことについてきちっとした外交努力をしていくということが最も大切なことで、陸上自衛隊をまず派遣することありきと、そうすることが海外に対しても横並び論で協力していることになると、こういうような考え方と大分違うんですね。
 ですから、この間からも私は申し上げておりますが、人道支援、経済復興支援あるいは今のような、言ったような、日本の敗戦そして占領された経験に照らし、外交努力をして早くイラク人の政府を作っていくという、早く向こうにちゃんとしてやってもらうということの方に努力を傾注をしていく、このことこそ本当のやるべきことであって、何か陸上自衛隊を最初に出すことがまずありきということのようにしか見えない、この法案ですね。私はもう本当におかしいなと、こう思うんです。官房長官いかがでしょうか。

○国務大臣(福田康夫君) 今の事態において何をなすべきかということでありますけれども、やはり外交努力によってその環境整備ということは必要なんだろうと思います。また、今お話ございました統治評議会につきましても、これが早く一人前、独り歩きできるような、そういう体制を作らなきゃいけない、そういうことについて我が国としても精一杯の努力をしていかなければいけないというように思っております。
 しかし、あわせて、実際のイラクの国民のニーズ、またその復興支援に当たっております各国に対する協力といったようなことについて、我が国としてできることは支援をしていきたいというのが今回の法案の趣旨でございまして、それはもう我が国ができる範囲でということであります。そのことも私は非常に大事なことであり、両方相併せてイラクの復興に努力すべきものと考えております。

○広野ただし君 各国軍がイラクに派遣をされて、全体的に地域を三つに分割をして、まあアメリカ軍、そして南の方、バスラを中心にしてイギリス軍、そして中南部といいますか、そこにポーランド軍が、これたくさんの各国がそこに集結をしているわけですが、ポーランド軍の指揮の下にスペイン、ウクライナ、そのほかもうたくさんの国々が治安に協力をしていると、こういうことでありますけれども、ポーランド軍、これは米軍との協力の下にと、こうなっているんですが、結局、英米軍の指揮下にあるというふうに考えていいんじゃないかと思いますが、この点、外務大臣、何かございますか。

○国務大臣(川口順子君) 私どもが承知をしておりますのは、ポーランド軍は米英軍の指揮下にあるということではなくて、米英軍と調整をしながらその仕事をしていると聞いております。最大二千五百名の兵員を派遣をするということを考えていると承知をしています。

○広野ただし君 防衛庁長官、どのように見ておられますか。

○国務大臣(石破茂君) 今、外務大臣から御答弁がありましたとおりでありまして、最大二千五百名、治安部隊等を出しております。米英軍の指揮下で行動しておるという認識は私は持っておりません。

○広野ただし君 これは、じゃ独自にやっているんですか。

○国務大臣(石破茂君) もちろん、それは調整の上で行っております。それぞれがイラクの国内において活動いたします場合において、調整なしにばらばらにやることはございません。

○広野ただし君 これはやはりアメリカ軍の指揮下にあると見て全く間違いのないところだと思います。そして、更にその下にある、ポーランドの指揮下にあるまた多国籍軍といいますか、そういうところと連携をしながらイラク中南部の治安、安全を見ていると、こういうことだと思うんですね。その確認をひとつしてください。

○国務大臣(石破茂君) それは、私どもの理解では、コアリッションというものはそういうものだというふうに理解をいたしておりません。アメリカがやっておりますコアリッションのやり方というのは、そういうふうに指揮下に入れる、指揮命令系統というものを確立をし、米英の指揮下の下に集まってきた各国の軍を、行動を律するというようなものがコアリッションだとは考えておりません。逆に申し上げれば、コアリッションというものの特徴は、まさしく調整において各国が活動をそれぞれが行うという点に特色があるという認識でございます。

○広野ただし君 協力関係といいましても、それは格好のいい言い方で、じゃ統率が取れますか、それぞれの、各国の。やはり英米軍がしっかりとやりませんと、その下におりませんとできないんじゃないんですか。

○国務大臣(石破茂君) それはどういう形が一番効果的なのかということでございます。
 それは、治安維持というものが、指揮命令系統という言葉をお使いになりますけれども、それなくして統制が取れないのかといえば、そのようなことはございません。それはお互いに調整をし、例えば日本とアメリカの間にそれでは指揮命令系統があるのかといえば、これは調整というものを使います。調整システムというものを使います。それでは全く統制が利かないのかといえば、そのようなことはございません。調整というものを行うことによって、すなわち統制が利かないという概念は私は必ずしもそのとおりだとは思っておりません。

○広野ただし君 このポーランド軍、またポーランド指揮下にある多国籍軍、そしてまた協力関係にある各国軍といいますか、約二十か国に及ぶと言われておりますが、そこの各国軍における被害状況等は何か把握しておられますか、防衛庁長官。

○国務大臣(石破茂君) 手元に、各国どれぐらいの被害を受けたかということでございますが、これは報道ベースにおきましては今持っております。これを各国別に、例えばどの国がどれだけ、どの国がどれだけということを今すぐここでお答えできるものは用意をしてございませんが、主に米英軍というふうに承知をいたしております。正確なものをもし必要でしたらば、早急に委員の方までお持ちをいたしたいと存じます。

○広野ただし君 やはり各国、協力をしていると、私は指揮下にあると、こう言っておりますが、そこは別にしましても、各国、協力にある軍の被害状況というものをよくまた調べていただいて、そしてどういう状況の下でそういうことが起こっておるのか、これはある意味で他山の石みたいなところがあろうかと思うんですね。ですから、ただアメリカにくっ付いていくという考え方でやっておられては、これはもう大変な被害が及ぶおそれがある、こういうことだと思います。
 それと、もう一つ、私は何といってもこれは陸上自衛隊がアメリカ占領軍に対する協力をすることだというふうに思いますが、この点、官房長官はどうお考えですか。

○国務大臣(石破茂君) 済みません。先ほどの、むしろ外務省からお答えするのが適切かもしれませんが、米英軍以外の各国の軍隊の死傷者というものは、七月二十一日現在では確認をされておりません。イギリス軍が六月の二十四日に死亡が六名、同じ、同日にイギリス兵が八名負傷したということ、あるいは七月の八日に英兵が一人負傷したという点でございます。
 また、それが占領ということに協力することにならないかということでございますが、これは憲法に定められております交戦権との問題で整理をいたしますと、私どもが占領行政の当事者、交戦権行使の当事者となることはあり得ません。したがいまして、憲法上の問題は生じないものと考えておりますし、日本国自体が占領行政を行うものではございません。

○広野ただし君 しかし、アメリカとの協力の下にやはり派遣するんでしょう。ただ、どこへ行くかというのは自分で決めるわけじゃないんでしょう。

○国務大臣(石破茂君) それは累次お答えしておりますように、調整の下に、自分たちがここでやりたいといって、周りの国がどのようなことを考え、イラクの復興あるいは人道支援にやっているかということと無関係に地域を設定できるものでも任務を設定できるものでもございません。

○広野ただし君 それでは、イギリス軍に協力をして出るということもあるんですか。

○国務大臣(石破茂君) それはこの協力という言葉が何を指すのか、これにもよりますけれども、この法案としては、そういうことを決して排除しておるわけではございません。

○広野ただし君 ポーランド軍等、多国籍のところにも協力をして出ていくということもあるわけですか。

○国務大臣(石破茂君) それもイギリスと同様でございますが、しかしながら、同時に、オーソリティーとしての地位を与えられておる国との協議というものは、当然、活動全般を行う場合において必要なことでございます。

○広野ただし君 ですから、私はやっぱり最終的にアメリカに協力をするんだと思うんですよ。ポーランドだとかほかの軍隊に、そこの物資の輸送等の協力をするんじゃないんでしょう。やはりアメリカに協力をする、そのことが最もはっきりとアメリカ支持を裏打ちをする大事なことなんじゃないんですか。

○国務大臣(石破茂君) この法案は、先ほど来申し上げておりますように、どの国ということを特定して作成をされたものではございません。しかしながら、先ほど申し上げましたように、オーソリティーとしての地位を与えられている国、そしてまた、具体的な内容ということにつきまして、いまだアメリカとの間に確定的なことを言及をしたものでも約束をしたものでもございませんが、結果としてそのようなことはあり得るだろうと思っております。

○広野ただし君 だからこそ、私は最初に板垣雄三先生の、日本人は、日本人よ、覚悟はできているのかと。じゃ、ほかの、今、石破防衛庁長官が言われたポーランドほか多国籍のところに協力をする、アメリカに協力をする、そういうことと、自衛隊の人たちはそういうふうに簡単に割り切れますか。

○国務大臣(石破茂君) 自衛隊は割り切れるかという御質問ですので、私からお答えをさせていただくことをお許しをいただきたいと思います。
 これは、政府としてこの場におきましても官房長官から御答弁がありますように、日本国の国益、そしてまた日本国の与えられた国際的な責務にかんがみまして我が国が主体的に行うものでございます。国益、そして我が国に与えられた国際的な責務、これを履行するために主体的に判断をし、法律がお認めをいただいたとするならば、それに基づいて自衛隊を派遣するものでございます。
 アメリカに協力するから、あるいはポーランドにどうだから、だから自衛官はそのつもりになるのかという御指摘でございますが、私は、この法律の目的、そしてこの法律が国会においてお認めをいただくことの意味、それは自衛官というものは認識をしている、そうでなければ派遣というものはそもそも成り立たないのでございます。

○広野ただし君 私は、まだ本当にそういう、イラクにおいて治安維持のためにアメリカあるいはその他の国々に協力をするという本当の覚悟というのは、日本人、自衛隊にはできていないんではないかというふうに思えてなりません。
 そしてまた、このことが憲法の「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」という、ここのところにもう正に違反する行為で、占領軍に協力をするということはそういうことになるんで、私は、やはり国連の旗の下に、国連にちゃんと話をして国連の旗の下に明確な使命を持って出ていくと、しかも、それはまず人道支援、経済復興支援だということを申し述べまして、時間が来ましたので、終わらせていただきます。

○大田昌秀君 社民党・護憲連合の大田でございます。
 若干繰り返しあるいは重複するかもしれませんが、改めて確認する意味でお伺いいたします。
 まず最初に、官房長官に伺いますが、本法案の第六条では、基本計画に定めた自衛隊が実施する対応措置については、開始してから二十日以内に国会に承認を求めるとなっていますが、イラクにおける活動が極めて危険な業務となることは、これはもうどなたも想定しているところでございます。
 したがいまして、私はやはり国会の事前承認とすべきだと考えるわけですが、周辺事態安全確保法ではその第五条一項で、またPKO協力法ではその第六条の七項で、本体業務における自衛隊の海外派遣は国会の事前承認となっているのに、なぜ今回、事前承認とはしていないのか、御説明ください。

○国務大臣(福田康夫君) 正に何回も御説明を申し上げてきたところでございますけれども、繰り返しになりますけれども、イラクへの自衛隊の派遣を前提として、その基本的枠組み、これはいろいろの枠組みを作っているわけでございます。
 まず第一に、その明確な目的を持っていますね。イラクの国家再建への寄与ということでございます。そういう大きな目的を持った上で、例えば基本原則、いわゆる非戦闘地域、それから受入れ同意の要件、また対応措置の内容、また基本計画の決定、変更、終了時の国会への報告、また安全確保の配慮、また自己等防衛のための必要最小限の武器使用の条項、また有効期限、四年間という有効期限も明記していると、こういうようなことでございまして、厳しい枠組みの中で活動する、それもイラクの国家再建への寄与と、こういう大目標がございますので、その範囲で行うということでございます。そういう範囲の中の活動であれば、あとは基本計画を作り対応措置を決めると、そして対応措置につきまして、対応措置を開始した日から二十日以内に国会の承認を求めると、こういう枠組みというかルールになっておるわけでございます。
 もし、事前承認をしなければいけないということになりますと、こういう問題が出てまいります。
 例えば、派遣に必要な装備の調達など、承認後にしかできないような派遣準備に準備時間が必要であると。例えば、装備、特殊な装備を必要とするようなことであれば、それを発注、契約発注して、それができるまで待たなきゃいかぬとか、そういったような問題が生ずる。また、国会における審議、これも時間が掛かりますね。そういうことを考えますと、この対応措置が迅速にできないといったようなことがあるわけでございまして、そういうことを考えまして、対応措置の実施については、先ほどのように事後承認ということにしておるわけでございます。

○大田昌秀君 本法案の第二条二項で、実施に当たっては武力の威嚇又は武力の行使であってはならないとされていますが、第四条、「基本計画」、二項二号のニ、装備等、及び第十七条、「武器の使用」のところを見ますと、結局は武力を行使する事態が起きるのではないかと危惧されます。
 関連いたしまして、まず携行する武器について、防衛庁長官にお尋ねします。
 新聞報道等によりますと、防衛庁長官が記者会見で無反動砲を持っていくと述べたり、久間元防衛庁長官が、危険だから武器を持った自衛隊が行かざるを得ない、無反動砲などの小型重火器も必要だろうと、テロは戦闘行為ではないと、正当防衛で反撃しても認められた武器の使用であって武力行使に当たらないと述べておられます。
 無反動砲は、御案内のとおり、対戦車攻撃用の兵器として部隊としての反撃で使用するものと理解されていますが、自衛隊員個々の正当防衛に使用する武器として携行するおつもりなんですか。

○国務大臣(石破茂君) それは、法案に定められておる自己を守るために必要なものとは何なのかということをその場に応じて判断をすることになります。
 午前中、尾辻委員からもお話がありましたが、機関銃一丁ならいいが二丁なら駄目だというような議論が昔ございました。そういうようなお話ではなくて、何が自分の身を守るために、条文に定められた趣旨を体現するために必要なものであるのかということは、実際にそれによって身を守ります自衛官が現地に行ってどういうことなのかということを判断をし、私どもはそれを尊重して基本計画に定めることに相なります。
 私が、無反動砲ならとか、あるいは無反動砲ならよいが迫撃砲ならどうとか、そういうことを具体的に申し上げたことは一度もございません。
 委員御指摘のように、例えば無反動砲というのは、原則としてといいますか、主に対戦車火器として使用される直接照準のものでございます。対しまして、迫撃砲というのは主に地域制圧に使用をいたします間接照準のものでございます。それはどのようなものが自分たちの身の安全を守る、そして法律十七、法案十七条あるいは自衛隊法九十五条、その趣旨にかない現地に合ったものなのかということによるわけでございます。

○大田昌秀君 新聞報道によりますと、防衛庁は、武器使用基準を定めた部隊行動基準、つまり国際的な交戦規則と言われるものですが、これを作成して、今回のイラクに派遣する自衛隊員に適用する考えであると報じられています。せんだっての本委員会でも、石破防衛庁長官は、自衛隊のイラク派遣に当たって武器使用基準を定めた部隊行動基準を作成しなければならないという御認識を示しておられました。
 この部隊行動基準とは一体どのようなものですか。なぜ、今回それを作成する必要があるのですか。

○国務大臣(石破茂君) これは委員正確におっしゃっていただきましたように、部隊行動基準というものでございます。交戦規定というふうに私ども訳することが適切だとは考えておりません。それがどういうことかと申しますと、いかなる状況下で、相手方がいかなる対応を示した場合に、どのような形態において武器使用ができるかということをあらかじめ明確にしておくことを指すものでございます。
 それは何のために行うものかといえば、適切な行動を確保する、担保するということが一つ。もう一つは、部隊等の長の判断に係る負担を軽減をするということでございます。そして、各部隊の長が武器の使用を含む対処行動を適時適切に判断をし、本法律に、本法案に定められております武器使用規定の範囲内で事態に即して十分な対応を取ることを可能にするためでございます。
 これは、そういうようなことを定めることが、例えば交戦権を規定した憲法第九条二項、これに抵触するのではないかというような御指摘をいただくこともございますが、これは武器使用について定めるものでございまして、交戦権とは全く内容を異にするものでございます。

○大田昌秀君 そうしますと、武器行動基準というのは一般に交戦規則と言われているものとは違うという意味ですか。

○国務大臣(石破茂君) 少なくともアメリカに言います交戦規則とは異なる概念を多分に含むものでございます。

○大田昌秀君 派遣部隊の装備等に関連して、外務大臣にお伺いいたします。
 外務省や防衛庁、自衛隊の実務者約十人が六月三十日から七月二日まで渡米し、米国のローレス国防副次官補やカイザー国務次官補、米中央軍司令部の幹部と相次いで会談したと新聞報道にありますが、この一連の会談で、日本側が米軍やイラク市民への給水活動などでC130輸送機をイラク国内に投入する計画を打診したのに対して、米側はそれだけでは不十分として、一つに大型輸送機ヘリCH47の派遣、もう一つに武器弾薬の輸送を求めたと報じられていますが、これは事実ですか、事実ではございませんか。

○国務大臣(石破茂君) 実際に米国に出張いたしまして、外務省の関係者あるいは当庁の関係者が六月の三十日から七月二日にかけて訪米をし、米国政府関係者と意見交換を行ったことは事実でございます。
 先方の発言の内容につきましては、先方との関係もございますので言及をすることは適切とは存じませんけれども、イラクの復興支援に関します日本側の説明に対し、アメリカが、それでは不十分である、そういう指摘があったり、あるいはCH47というお話が今ございましたが、CH47の派遣等の具体的な要請をアメリカが行ったという事実はございません。

○大田昌秀君 これは通告していない質問で恐縮ですが、前回も質問いたしましたので改めて確認させてください。
 外務省にお伺いしますが、事前協議制が設けられた背景について簡潔に御説明いただけますか。どうして事前協議制というのができたのかということについてですね。

○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。
 ちょっと資料が手元にございませんので、正確にお答えできるかどうか自信がございませんけれども、第六条に基づきまして米軍は我が国の施設・区域を使用することができると。それは我が国及び極東の平和と安全の維持のために使用することができるということになっているわけでございますけれども、その際、米軍に全く自由に施設・区域を使用させるということではなくて、一定の場合には我が国に事前に協議を求めて、その了承を得た上で施設・区域を使用するという形で、言わば日本側も一定のコントロールを施すという考え方の下に、岸・ハーター交換公文で三つの場合には米軍は施設・区域の使用に当たって事前に日本側の協議を求めるという形にしたというふうに理解いたしております。

○大田昌秀君 恐れ入ります。もう一度今の、北米局長、今の三つの内容について御説明ください。

○政府参考人(海老原紳君) これは、三つの場合、合衆国軍隊の日本国への配置における重要な変更、二番目が合衆国軍隊の装備における重要な変更、三番目が日本国から行われる戦闘作戦行動、ただし安保条約第五条の規定に基づいて行われるものを除く、のための基地として日本国の施設・区域を使用すると、この三つでございます。

○大田昌秀君 先日私が、沖縄の嘉手納飛行基地から米軍のF15戦闘機十機がイラク戦争に参加したと報じられていることについて伺いましたら、北米局長は、これは部隊間の移動だから事前協議の対象にならないという趣旨のことを答弁なさいましたけれども、では、どういうときに事前協議の対象になるんですか。その三項めに照らして、これまで一度も事前協議をしたことがないとおっしゃるわけですが、何のためにそれじゃ事前協議を作ったんですか。

○政府参考人(海老原紳君) これは、日本国から行われる戦闘作戦行動の定義ということになると思いますけれども、これにつきましては昭和四十七年に政府の統一見解が出されております。
 それによりますれば、簡単に申し上げると、事前協議の主題となる日本国から行われる戦闘作戦行動というものは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動ということになります。これがどのようなものを指すかというのは、それはそれぞれの任務、態様等を勘案して判断されるということになります。
 今まで一度も行われなかったというのは、これに該当する行為が行われなかったということで、今まで戦闘作戦行動に基づく事前協議が行われたことがないということになっているわけでございます。

○大田昌秀君 それでは、アメリカのF15戦闘機のパイロットが自らイラク戦争に参加したということを沖縄の新聞記者に発表しているわけ、認めているわけですが、これはどうして事前協議の対象にならないんですか。

○政府参考人(海老原紳君) 今御説明をいたしましたように、戦闘作戦行動というのは直接戦闘に従事するということを目的としているということでございまして、今、大田委員がおっしゃいました、F15が仮に現地におきましてイラクの作戦行動に参加をいたしたとしても、それは日本の、例えば今おっしゃいました、嘉手納飛行場とおっしゃいましたけれども、嘉手納飛行場を飛び立つときに既に直接そのような戦闘に従事するというような形で飛び立っているということではなく、現地に移動した上で恐らく戦闘作戦行動に参加したというものであるというふうに推察されます。

○大田昌秀君 おっしゃっていることがよく分からないんですけれども、嘉手納飛行場から戦闘機が十機飛び立ってイラク戦争に参加したということが言われているわけですが、どうしてこれが、どういう具合に、どういう形でこれが戦闘に直接参加したか否かということを決められるんですか。米軍側に確かめられたわけですか。

○政府参考人(海老原紳君) これは、客観的にそれが戦闘作戦行動に該当するかどうかということは、これはなかなか判断ができない面があるわけでございます。先ほど申し上げましたように、任務あるいは態様というようなものを総合的に勘案して判断されるということになるわけでございます。
 ただ、これが、もしそのような行為が行われて、それがこの事前協議の対象となる戦闘作戦行動でないということはどうしてそう言えるのかという御質問であれば、それは、岸・ハーター交換公文で、米国はそれが、その行為が戦闘作戦行動に該当するということであれば、当然、日本側に事前協議を、制度によって事前協議を求めてきたはずでございますけれども、これは求めてきていないという以上、そのようなものではないと。米軍が任務、態様等を勘案した上で戦闘作戦行動ではないというふうに判断したということでございます。

○大田昌秀君 これまで米軍は、日米地位協定の約束事も怠ったり、随分してきているわけですが、今のお話ですと、米軍側が求めてこない。仮に米軍側がその責務を怠ったりした場合、外務省としては、現実に在日米軍基地からイラク戦争に飛び立っているということが分かっていても、相手側に確かめるお気持ちというのは全くないわけですか。

○政府参考人(海老原紳君) これは、事前協議制度、これも岸・ハーターの交換公文という国際約束で約束されているものでございまして、米国はそれを遵守する国際法上の義務を負っているわけでございます。同盟国といたしまして、米国がそのような義務を遵守しているということを疑う理由は何もないわけでございまして、そのような義務違反というものを前提に当方から米国側に問い合わせるということは考えておりません。

○大田昌秀君 先ほども申し上げましたように、米軍側は実際に約束事を守らないことがしばしばありますので、この事前協議制度についても、せっかく制度ができている以上、もう少し主体的に、そういう報道がなされたら、果たして事実かどうかということを確かめるくらいの熱意を持って取り組んでいただきたいと思います。
 それから、同じく外務省にお伺いしますが、これまでのこの法案の議論を聞いておりますと、どうも攻撃する側の立場に立った質疑が多かったように思いますが、攻撃される側の問題というのをどうお考えかということについてお伺いします。
 前回もちょっとお伺いしましたが、今回、米英軍が対イラク攻撃でどのような近代兵器を使ったか、どういうふうに把握なさっておられますか。外務省、どなたでも結構ですが。

○政府参考人(海老原紳君) 今、近代兵器というふうにおっしゃいましたけれども、例えば御通告を受けている御質問としては劣化ウラン弾の問題があると思いますけれども、米国は今回の対イラク軍事行動で劣化ウラン弾を使用しているかどうかということについては明らかにしておりません。その後、外務大臣の御指示もあって米国政府に問い合わせをいたしておりますけれども、基本的には明らかにする予定はないという返事を受けております。

○大田昌秀君 今、米国側の方は劣化ウラン弾を使用したことはないということを、そういう知らせを受けたという趣旨のお話でございましたけれども、新聞報道には、指揮官がちゃんと劣化ウラン弾を使ったという報道もあるわけですが、是非これは確認していただきたいと思います。
 それから、報道によりますと、政府は航空自衛隊の輸送の拠点に予定されているクウェートとの間で地位協定を結ぶ方針を固めたと、先ほども質問がありまして、これはそういうことはないという外務大臣の御答弁でしたけれども、事実、全くないわけですか。

○政府参考人(西田恒夫君) これは、先ほど正に御質問ございましてお答えいたしましたけれども、現在の時点におきまして、先方政府、クウェートを含めでございますが、の方から我が国に対して地位協定等結びたいという申出がなされたことはございません。
 他方、先ほどもお話ししましたけれども、この地域、イラクの周辺の国に対して我が国の自衛隊を法案が成立した暁に派遣するということは考えておりますので、その際の事前の準備としてあくまでも我が方の部内の頭の体操を行っているという状況でございます。

○大田昌秀君 そうしますと、派遣先での自衛隊員の権利義務、その問題とか、万が一自衛隊員による事件、事故がイラク国内で起こった場合、どのようにして問題を処理されますか。

○政府参考人(西田恒夫君) イラクの場合には、委員御案内のとおり、現在いわゆる当局というものが実態上安保理決議で認められている範囲内の権限を行使しているわけでございますので、自衛隊をそこに派遣するという場合にはCPAとの間で、当局に相当いたしますけれども、しかるべき対応を取る必要があるというふうに考えております。
 内容は二つあろうかと思いますが、一つは、自衛隊を派遣することについての同意を得るということでございます。それからもう一つは、今、正に委員御質問のような自衛隊員の法的地位をいかにして確保するかと、で、結果として自衛隊員の安全性とそれから任務の円滑性を担保するかということが必要になろうかというふうに考えております。

○大田昌秀君 どうしてこういう質問するかと申しますと、御案内のとおり、沖縄では、地位協定によって米軍にほとんど治外法権的な特権を与えているわけですね。ですから、この間ずっと五千件以上の事件、事故が起こって住民が非常に困っているわけですが、その地位協定を変えてほしいと、改定してほしいということで何度も何度も政府にお願いしているんですが、運用面だけで十分だとおっしゃって、依然として事件、事故が絶えないわけなんです。それで、今、渉外知事会を通して全国的に地位協定の改定を求めている最中でございますけれども、地位協定を結ばれる場合にはその辺の沖縄在日米軍基地の問題との関連で非常に慎重にやっていただきたいと思います。
 それから、いま一つお伺いしたいのは、米政府は、現在の安保理決議第一四八三号を見直すために去る七月十六日、パウエル国務長官がアナン国連事務総長らと協議を始めたと報じられていますが、その背景について御説明ください。
 また、同決議が見直された場合、現在審議中のイラク復興特別措置法の内容に何らかの変更が予想されますか、それとも現状のままでよいとお考えですか。

○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 アメリカの関係者がアナン事務総長以下国連の関係者と話合いを行っているということは御指摘のとおりだというふうに思っております。十六日の午後、パウエル国務長官自身、新たな安保理決議についての議論を開始することが適当か否かについて、各国の外務大臣あるいはアナン事務総長と議論を行ったというふうに述べておられるところでございます。
 他方、同長官は同じ会見の中で、安定と平和維持の活動への参加に当たり国連のマンデートを期待する各国にとっても現在の安保理決議一四八三は十分な権利を与えていると信じているという旨も述べておられます。

○大田昌秀君 最後の質問になりますが、対イラク戦争における米英軍の現在までの人的・物的損害の累計についてどのように把握しておられるか。さらに、イラク国民の人的・物的損害について、物的な面が分かりませんと人的だけで結構ですから、把握されている正確な数字をお教えください。

○国務大臣(川口順子君) これは七月二十一日までの時点ですけれども、米軍の死亡者数が二百二十九名、うち五月一日以降が九十一名、これは襲撃以外の交通事故その他を全部含みます。それから、英軍の死亡者数が四十三名、五月一日以降は十名、同じく交通事故その他、襲撃以外のものを含んでいます。それから、イラクの民間人ですけれども、少なくとも三千二百四十人という数字を持っております。

○大田昌秀君 あと一分だけありますので、あともう一問、短い質問をさせてください。
 前から問題になっておりますけれども、今回のイラクの方に各国がいろんな形で支援隊を派遣しているようですが、その国の数と、米英軍を支援する国の数というのは一体どれくらい、どこどこがどれくらいの人数でやっているか教えてください。

○国務大臣(川口順子君) イラク人道復興支援にかかわる各国の軍隊派遣の状況で、既に派遣を行っている国が米英に加えて十四か国、それから派遣を決定をした国が十八か国あると思います。それで、今、米英軍を支援するというふうにおっしゃられましたけれども、それぞれイラクの復興、復旧、それから人道支援を行うためにやっているということでして、具体的に何をするかというのは国によって様々ございます。

○大田昌秀君 終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(松村龍二君) 暫時休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕


2003/07/22

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