2004年9月17日

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イラクの大義とされた大量破壊兵器の調査断念について(談話)

民主党『次の内閣』 ネクスト外務大臣
鳩山 由紀夫

パウェル米国務長官は、先に行われた米上院の公聴会で、対イラク攻撃を正当化する根拠としたイラクの大量破壊兵器の保有について、「いかなる備蓄も発見されなかったし、発見されないだろう」と述べ、イラクでの大量破壊兵器の発見を断念したことを明らかにした。また、本日付報道によれば、米国主導の調査チームも、「備蓄はなかった」と結論付ける最終報告書を近く出す方向である。

アメリカは、同盟国を始め、国連や国際社会に対して、衛星写真等を駆使してイラクの大量破壊兵器の脅威を示し、イラク攻撃への支持や同調を強く迫った経緯を想起すべきである。戦争の大義とされた大量破壊兵器の存在はおろか、アルカイダとイラクとの関係も証明できず、石油利権の存在なども改めて指摘されている。ブッシュ大統領は、先制攻撃を正当化した根拠が崩れたことに対して、国際社会にしっかりと説明すべきである。大統領選挙の只中にあるアメリカは、今後、国際社会に対して、どのような行動をとっていくのか、厳しく注視したい。

一方、小泉総理は、イラク攻撃に当たって、民主党の真摯な反対意見に耳を貸さなかったばかりか、独自の情報収集や分析もせず、不正確かつ恣意的な情報に基づいて、安易にアメリカのイラク攻撃を支持した。その責任は、極めて重大である。今や開戦支持の根拠は根底から崩れ、アナン国連事務総長も、イラク戦争が国連憲章に反する旨を言明している。国民に対して誤った説明を行い、イラク攻撃を支持した小泉総理自らの釈明を求める。政府は、過去のイラクによる一連の国連決議違反を口実にしているが、まったく説明になっていない。来るべき臨時国会において、小泉総理の政治責任を厳しく問う。

イラクは、未だ戦闘やテロが続き、民主党は、そのような地域への自衛隊派遣に対しても、開戦の経緯や憲法上の疑義等を理由に反対した。政府は、開戦を支持し、戦争の正当性のうえに立脚したイラク特措法を成立させ、危険な地域に自衛隊を派遣したが、今一度、国連憲章や憲法の精神に立ち返り、イラク問題への対処方策を根本から見直すべきである。

以 上


2004年9月17日

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