2002年10月29日 |
民主党ネクストキャビネット
1.国交正常化交渉の再開について
わが国は、拉致問題、核開発問題等の解明・解決を、日朝国交正常化のための最優先課題とし、主体的に毅然と対応していくべきである。その際には、国民の人権及び安全、わが国の主権、国益、安全保障を基本に、日本及びアジア地域の平和と安全に資するよう、日米韓を中心に、中国、ロシア、EU等関係各国が緊密に連携し、北朝鮮の姿勢を慎重に見極めることが不可欠である。
(1) 拉致事件(2) 核開発問題
- 拉致事件の完全解決に向け、さらに徹底した調査を行うためには、北朝鮮に全面的に協力させ、早急に真相を明らかにすべきである。
- 北朝鮮に、最高指導部が主導した国家犯罪であることを認めさせるべきである。
- 拉致行為への正式な文書での謝罪、拉致被害者やご家族への補償、拉致被害者の全面的な解放と永住帰国、責任者の処罰、再発防止、認定されている被害者以外の拉致疑惑の解明、原状回復を一旦実現した上での自由往来など、完全解決に向けた具体的かつ誠意ある対応を強く求めるべきである。
- 北朝鮮が拉致を認めたことをうけて、政府は、改めて国連人権委員会などの場を通じて、国連決議を求めるなど、国際世論に強く働きかけるべきである。
- 帰国者の受け入れ態勢については、政府は、生活支援などに万全を期すべきである。
(3)ミサイル、武装工作船等、安全保障上の問題
- 北朝鮮による核開発は、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)の前提となっている米朝枠組み合意、核拡散防止条約などの国際合意、及び関連するすべての国際的合意の遵守を約した日朝平壌宣言に明らかに反する。そもそも事前に米国から北朝鮮の核開発情報を受けながら、平壌宣言に調印したのは外交的失策である。
- わが国の主権と安全保障に関わる重大問題として北朝鮮の姿勢に厳重に抗議する。北朝鮮は、即座に核開発を放棄し、厳格な査察を受け入れ、国際的合意遵守への具体的行動を示すべきである。
- 前提条件が崩れたKEDOについては、一旦凍結も選択肢として、日米韓で密接に連携し、ロシア、中国、EU等の協力も求めつつ、北朝鮮の核開発を即座に放棄させるべきである。
- 北朝鮮の大量破壊兵器開発問題について、国連安保理決議の採択を含めて、国連で取り上げるように、国際社会に働きかけるべきである。
- ミサイル開発・配備・輸出などについて、平壌宣言で示されたモラトリアムの延期等を確実に行う具体的措置を迫るべきである。
- 武装工作船、対日工作員問題及び覚醒剤不法取引問題について、早急な真相の解明、関係者の処罰、補償と再発防止など、誠意ある具体的な対応を求める。
(4) 過去の清算問題
(5)日朝間の重要課題
- 過去の植民地支配に関する清算問題、歴史的事実の真相解明については、これまでの日中、日韓国交正常化とその後の経緯も踏まえて行うべきである。
2.その他の重要課題等について
- 日本人妻等の帰国・自由往来問題、よど号犯引渡し問題、日朝貿易での債務問題、在日朝鮮人の法的地位等については、改めて事実関係を整理し、具体的な解決を図るべきである。
朝銀信用組合問題、北朝鮮脱出難民問題等の課題について、政府間、赤十字間等、関係各機関による対話と交渉の促進と、これら諸課題の全面的な解決を期待する。
(1)朝銀問題(2)北朝鮮脱出難民問題
- 朝銀、朝鮮総連の組織的関与について、真相を解明し、不法行為、不正送金等について責任者の厳格な処罰を行うとともに、公的資金投入の是非・あり方等を見直すべきである。
3.各国及び国際機関との連携
- 北朝鮮脱出難民問題への人道的な対応の中で、国内受け入れについての法的、制度的支援態勢を検討する。
- 人道的見地から、日米韓、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)及びNGO等と連携し、中国、ロシアにも働きかけて、キャンプの設置等、国際的な支援・救済策を検討する。
- 韓国の離散家族問題、韓国人拉致事件、北朝鮮難民の受け入れ、通常兵器削減交渉等、日韓共通のアジェンダを検討する。
- 北朝鮮の民主化への誘導と、諸懸案の解決に向けて、関係各国の理解と協力を求める。
以 上
2002年10月29日 |