2004年10月27日 | >>会議録本文 |
(民主党ニュース)
【党首討論】被災者の立場での支援を 迂回献金の禁止求める
今国会初めてとなる党首討論が27日、国会内で開かれ、岡田克也代表と小泉首相とが、被災者支援、政治とカネの問題などをめぐって1対1の論戦を繰り広げた。
冒頭、岡田代表は、イラクで人質となった香田さんの事件を取り上げ、「我々は犯人の言い分を聞くわけではないが、自衛隊の派遣に関連して起きたことであり、救出に大きな責任を負う」として小泉首相に見解を質した。首相は「民間人が人質となっていることに憂慮している。釈放に全力を挙げる」とした。
次に岡田代表は、党首討論のあり方を質し、「国民に国会の議論を理解してもらう」ためにも重要であるとして、少なくとも隔週での開催と、首相に「逃げずに正面からの答弁」を求めた。首相は党首討論の開催回数には答えず、得意の逃げとすり替えで、「何回でも議論をというのは拒むものではない。どの委員会でも私は受けます」と答えた。
岡田代表は新潟県中越地震に関して「10万人以上の人がテント、車、体育館などで生活している。厳しい状況。我々も物資調達、募金活動、現地での活動をNPOとともに行っているが、最後は行政。多様な要望がきている思うが、今政治がどれだけのことをやってくれるか、現地は期待している。メッセージを」と首相に求めた。首相は「緊密に連絡をとり、応えるようにしたい」と応じた。これに対して岡田代表は、「被災者の立場に立っての支援が必要。新潟だけでなく、台風の被害地、香川、徳島、兵庫なども訪れた。住宅の再建に、被災者生活再建支援法での300万円の枠を使えるようにする、改正法を提出するが、協力を」と、この国会での、支援法の改正に踏み切るよう求めた。首相は「機敏に柔軟に対応できないか、提案も含めて何ができるか検討したい」とした。
続いて岡田代表は、1億円のヤミ献金問題を取り上げ、村岡元官房長官の証人喚問の実現へ、首相のリーダーシップを求めた。証人喚問に関して岡田代表は、「本人の問題なら、反対の理由はない」として実現を強く迫った。これに対して首相は「『委員会で決めていただければ出る』と言っている、と聞いている」と何ら指導性を発揮しなかった。さらに岡田代表が「党としての態度、総裁として指示を出せばこの問題は済む」と迫ると、首相は「あれこれ言うべきではない。委員会の決定を尊重する」と全く総裁としてのリーダーシップを示さず、事実上、証人喚問を拒否した。
岡田代表は、山ア拓首相補佐官に日本歯科医師連盟から5000万円が贈られ、国民政治協会から領収書が出されている問題を取り上げ、「それに見合う入金が国民政治協会にあったのか。調査したのか、それは銀行振込だったのか」を質し「1分で分かる話。明日報告を」と迫った。首相は「迂回献金はないと報告を受けている」と一般論にすり替えた答弁。
また、迂回献金に関して、代表が政治資金規正法を改正し、条件付献金について「民主党は禁止条項を置くと主張しているが、与党案にはない」と批判し、改正に応ずるよう求めた。これに対しても首相は、「議員立法で、各党で議論してまとめてほしい」と他人事のような無責任な答弁に終始。岡田代表は「ごまかし、ごまかしで逃げようとしている」と首相の姿勢を厳しく批判した。
○岡田克也君 民主党代表の岡田克也です。
まず、討論に入る前に、今まさしく、四日間車の中に閉じ込められた皆川優太君が救出をされました。このことについて国民とともに喜ぶとともに、同時に、お母さんとお嬢さんの一刻も早い救出を期待したいというふうに思っております。
さて、もう一つ、本題に入る前に、きょう大きなニュースが報じられました。香田さんがイラクの過激派を名乗るグループに拘束をされている、人質にとられているという事件であります。自衛隊を撤退させない限り、その命の保証はないというふうに伝えられております。
まず、この犯人グループの卑劣なやり方に対して私たちは心から怒りを覚え、そして、一刻も早い香田さんの解放を求めたいというふうに考えております。
政府としても、今回の事件が、我々は犯人の言い分を聞くわけではありませんが、しかし自衛隊の派遣に関連して起きたことでもあり、香田さんの救出に大きな責任を負うというふうに考えておりますが、まずこの点について、政府の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) お答えする前に、私も、皆川さん親子、どうなっているか心配しておりましたけれども、お子さんが今救出されたと。お母さんとお嬢さんも早く無事に救出されることを願っております。
また、今回の新潟地震、そして台風の災害、被災者の方々に心からのお見舞いを申し上げますとともに、なお救出をしなきゃならない地域、方々がおられると思います。また、被災者の方々も、大変不便な生活を余儀なくされております。こういう方たちに不安や混乱を来さないように、政府としても最大限努力をしていきたいと思っております。
また、今のイラクの問題につきまして、香田さんの件でございますが、政府としても、全く政府関係者でもない、自衛隊関係者でもない民間人の香田さんが人質にとられているということを憂慮しております。すぐ釈放するように、できるだけのことを関係政府、また我々が知り得るイラク人関係者に釈放するように今働きかけております。
自衛隊はイラク国民の人道支援、復興支援に今汗を流しているわけでありますので、そういう自衛隊の活動もイラクの一般の国民には理解をしていただいているものと思っておりますが、あの犯人グループと言われる方々は、そういうこととは関係なく、香田さんを人質にとって自衛隊を撤退させろということでありますが、日本側の考えというものをよく理解していただきまして、一日も早く香田さんの釈放にこれからも全力を尽くしたいと思います。
○岡田克也君 それでは、本題に入りまして、災害の問題は後から申し上げたいと思いますが、まず党首討論のあり方について少し申し上げたいと思っております。
本来、この党首討論は、国会の活性化という目的を持って非常に重要なものとして設けられたというふうに思っております。ただ、前回の通常国会を見ますと、百五十日の会期の中で、わずか二回しか開かれておりません。
私は、この党首討論は、まさしく政権選択の時代にあって、極めて重要なものだというふうに考えておりますが、総理はこの党首討論をどのように考えておられるのか、まずそのことをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、党首討論は意義のあることだと思っております。
ただ、私が、行政府の長が院で決めたことに何か一言発言しますと、議員の皆さんからすぐおこがましいと批判を受けますが、せっかくの御質問ですので一言申し上げたいと思うんですが、この党首討論というのは、国会で決めたんです、与野党で。そして、総理大臣が本会議に出席しているとき、出席じゃない、ちゃんと答弁要求されているとき、そして予算委員会で私が出席して答弁する場合と、重要法案が審議される委員会で私が出席要請されて答弁する場合、そういう週を除いた水曜日、しかも四十分間であるということ、そして、与党の党首はいい、総理と野党の党首の間の党首討論を行うということを決めたということを伺っております。ところが、四十分じゃ短いということで、今は四十五分になっております。
しかし、野党というと、野党はほかにいますけれども、岡田さんだけがその資格があるようであります。資格かはわかりませんが、野党の中で決めればいいと思うんですけれども、時間割り。
そういうことを考えますと、もし岡田さんが私と一対一の党首討論をしたいというんだったら、委員会は幾らでもあるわけですよね、予算委員会だろうが何だろうが、毎週出ているんですから、私。だから、これにこだわらないでいつでもできる。
と同時に、こういうことを言うとまた怒られるかもしれませんが、私はちょっと考えているんです。きょう、ここにおいでの議員の方々、衆議院、参議院、両方出ています。これならば、いっそのこと党首討論は、私、本会議でやればいいと思うんですよ、本会議で。これを言われるとまた違うとすぐ怒る、院で決めたことを何でそんなことを言うんだと。
本会議で党首討論をやれば、衆参議員も一緒に参加して、大勢の人が聞くことができる、こういうことについてどう思われますか。
○岡田克也君 まず総理が最初に言われた、一週間の中でほかの委員会、本会議とか予算委員会等に出たときは党首討論をやらない、これは一つのルールかもしれませんが、私は、国民の立場に立てば、毎週やるかどうかは別にして、定期的に党首討論をやっていく、国民の前でそれぞれの政党の、野党第一党そして総理がきちんと議論していくということは必要なことだというふうに思っています。
ですから、都合のいいときだけルールを持ち出すんじゃなくて、私は……(発言する者あり)いずれにしても、これから次の通常国会に向けて、しっかりと国会のそのやり方、どうしたら国民の立場に立った議論、そして国会における議論を国民が理解してもらえるか、理解が深まるか、そういう視点で私は国会の改革をやっていくべきだし、この党首討論についても、いろいろなやじが飛びますけれども、やじを言っている暇があったらしっかり国民の立場に立って話を聞いていただきたいと思いますが、ぜひ皆さん、総理、本会議で党首討論をやるというのは一つのアイデアとして受け取っておきます。それも含めて検討したらいいと思います。
ぜひ、いずれにしても、少なくとも隔週はやる、こういうことでこの党首討論をもっともっと生かしていきたい、そういうふうに思っておりますので。
もう一つお願いがあります。
私は、二大政党、政権選択の時代、野党だからといって、批判だけしていればいい、追及だけしていればいい、そういうふうには思いません。もちろん、総理に批判されるべき点があれば厳しく批判をしてまいりますが、しかし同時に、国民にきちんと選択肢を示す前向きの議論をしたい、それを心がけていきたいというふうに考えております。
そこで、総理にもお願いであります。ぜひ質問に対しては真正面から答えていただきたい。どうも今までの議論を見ておりますと、私自身も経験しましたが、正面から答えずに、はぐらかしたり、あるいは違う問題にすりかえたり、そういうことが間々見られますので、ぜひ総理、正面から答えるということについてお約束をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、いつも正面から答えていますよ。きょうも正面じゃないですか、正面。
それはね、改革を進めていると言うと改革になっていない、景気も堅調に回復していると言うと全然見方が違う。それは、与党と野党の見方が違うのはわかりますよ。批判されるのは結構であります。私は、いつも正面から答えておりますし、予算委員会でも、岡田さんがいつ何回でも出てきて私と議論をしたいというものを拒むものではございません。
もう毎週、委員会が開かれれば、この党首討論に限らず、どの委員会でも質問したいと言えば、喜んで私は受けますから、大いに出てきて議論をしていただきたいと思います。
○岡田克也君 私の答えに対して、今の答えが正面からのお答えであったかどうかは、見ている国民が判断するというふうに思います。
さて、災害の問題についてお話をしたいと思います。
総理も昨日新潟に行かれました。私も一昨日行ってまいりました。もう既に三十一名の方が亡くなり、十万人以上の方が、体育館とか、あるいはテントとか車の中で生活をされております。やはりメディアを通じて感じるのと、それから現実に行くので、かなり受けとめ方は違う。これは総理もお感じだと思います。非常に厳しい状況だというふうに思っております。
民主党としても、募金運動も始めましたし、あるいは物資も調達をして現地に運び込むことも今進めつつあります。NPOとも協力をしながら、現地での活動も行っております。全国の皆さんからも善意の輪が寄せられていることは、本当にありがたいことだと思います。
しかし、やはりこれは最後は行政なんですね、政府であり、県であり。したがって、政府の果たすべき役割は非常に重要だというふうに思っております。
いろいろな多様な要望が出てきていると思います。総理も聞かれたと思います。温かい食べ物を、おむつを、ミルクを、そういった多様な要求に対して、要望に対してしっかりとこたえていただきたいと思いますし、そして、少し長い目で見れば、やはり幹線道路をしっかりと整備をして、車が通れる、そして仮設住宅を建設する、そういったことが求められていると思います。
新潟の人々は、今ここで政治がどれだけのことをやってくれるか、そのことを不安に思い、同時に期待していると思います。総理から、この新潟の地震に対する支援についてメッセージをいただきたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 新潟地震に関しまして、私も昨日現地を視察して、被災者の方々の意見を伺ってまいりました。
大変大きな被害で、しかも、突然家を失う、あるいは家族を失う、そしていまだにうちに戻ることができない、どうしたらいいのかと途方に暮れている方がたくさんおられます。そういう困窮されている方々に対して政府として何ができるかということを考えるためにも、私自身行った方がいいと思いまして、昨日行ってきたわけでございますけれども、さまざまな要望が出ておられます。
今言いましたように、食料が足りないと。最近ようやく食料に関しては足りている状況になってきたということであります。しかし、さらに、寒い季節に入ってまいりました。毛布が足りないという面もございましたけれども、最近また多くの方々の、善意のあふれる、地方団体、ボランティア、民間の方々からの支援要請が相次いで出てきております。大変心強い限りであります。
そして、大人のボランティアのみならず、学生の皆さんがボランティアで働いているのを見て、ああ、自分たちの子供たちも助けてくれるのかと思ってかえって元気が出た、おれたちも頑張らなきゃいかぬ、そういう気持ちを持って、一緒に頑張るから政府よろしく頼むという声も伺っております。
さまざまな要求、具体的に言えばトイレの問題とか、あるいは最近では、寒くなったから温かいものが欲しいとか、いろいろな要望にどの程度こたえることができるかということに対しましても、地方の、地元の団体そして政府関係府省、緊密に連携をとりまして、どのような支援ができるかと、同時に、できるだけ支援者の声にこたえるような対策を練っていきたい。
さらに、現地に行って私が感じたことでありますけれども、町役場とか県とか、いわゆる防災担当の方々、この方々、まさに被災者の皆さん方のお世話なり手伝いなり支援なりで、この方々も大変疲れています。
そういうことも考えまして、被災者の支援は当然でありますけれども、その被災者を支援している関係地方団体、役場の皆さん、職員に対して、過労で倒れている方も今おられます、そういう支援をどうしたらできるかということを聞きましたところ、各地方団体、それぞれ防災担当者を置いているそうであります。そういう方々、地方公共団体の防災担当者も支援ができるのではないかという声を聞いておりますので、当該新潟県のみならず、自衛隊、消防、警察のみならず、関係地方団体のいわゆる防災担当者も新潟の支援担当者を支援する態勢ができないかということで、総務大臣にも、各地方団体に協力を要請しろと。
もういろいろな声を率直に伺って、何ができるか、何をしなければならないかということを、これは与野党の立場を超えて、協力して考えていかなきゃならないと思っております。
○岡田克也君 総理のこの地震が起きた直後の対応については、いろいろ議論があります。しかし、今総理がおっしゃったように、私は、その検証は後でもできますから、そこはそのときにまた申し上げたいと思いますが、果たして適切であったかどうかということは申し上げたいと思いますが、まずは、今、しっかりと被災者の立場に立って支援をやっていくということが大事だというふうに考えている、そのことを申し上げておきたいと思います。
そこで、実は、この地震だけではなくて、ことしは台風、豪雨の影響も非常に出ております。私も兵庫、福井、三重、香川、徳島、その他の地域を見てまいりました。大変厳しい状況であります。
そういう中で、先般、通常国会で被災者生活再建支援法の改正をいたしました。最高三百万まで支援金が出るということになりましたが、あのときに私たち民主党が申し上げたことは、家屋が全壊したときに、その家屋の再建資金をその三百万の中でしっかり見るようにすべきだと。現行法ではそれはできません。撤去費用だけです。そこを、もちろん三百万で家屋が建つわけではありませんけれども、しかし、少なくともその枠の中で再建支援までできるようにすべきだという主張をしました。しかし、これは与党によって認められませんでした。
今国会においても、私たちは同じ改正案を国会に出すことにしております。ぜひここは、そこまで拡大をして、もっともっと使い勝手のいい制度にするために御協力をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も、あの七月の集中豪雨、台風のときに、新潟の燕三条地域等、中之島地域等を視察いたしました。また、きょうも午前中、兵庫県に行ってまいりました。
確かに、あの集中豪雨で、床上浸水、床下浸水、床上浸水の場合には、全然家が壊れていなくても、一度泥水が家庭に入ってしまうと、もう工場においては機械が使い物にならなくなる、家庭においてももうさまざまなものが、畳を上げたり床板を外したりしている姿をきょうも見てまいりましたけれども、ほとんど使い物になっていない、どうしたらいいかということで、ああしてくれ、こうしてくれという要望を伺いました。
今言った生活支援の問題、これも私は、機敏に、柔軟に対応できる方法はないかと、今、民主党の提案も含めて、与党も随時協議しております。こういう問題については、一つの枠がありますけれども、実際困窮している生活者の支援に役立つために、限りがありますけれども、何ができるかという点でよく検討していきたいと思っております。
○岡田克也君 今、与党の中では、運用の弾力化ということは検討されているようですが、しかし、家屋そのものの再建費用というのは法律ではどうしても読めません。したがって、私たちは法改正が必要であるということを申し上げているわけです。ぜひ御検討いただき、御協力いただくようにお願いしておきたいと思います。
さて総理、もう少し短く答弁していただくとありがたいんですが、なかなか、年金の問題を今やろうと思っておりましたが、少し飛ばしまして、次回にまた十分行いたいと思いますが、政治改革の問題を議論したいと思っています。
まず、総理は、旧橋本派の一億円疑惑について、これは党の問題でないということを私の質問に対してお答えになりました。しかし、一方では、党としての調査は今は執行部で行っているとか、党としての責任者は総理であるということも言われたと記憶をしております。
一体、どっちなんでしょうか。この旧橋本派の一億円の問題は、総理は自由民主党総裁として当然責任を負うべきだと私は思いますが、どういうふうにお考えなのか。私に対しては、党の問題であるということで切り捨てられましたが、いかがなんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この政治と金という問題に関しては、党としてどう考えるのかということでは、党の問題であります。同時に、橋本氏の件に関しては、これは党とは別の問題だというふうに考えております。
また、橋本氏の問題に関して、いろいろ衆参の委員会で議論が出ました。そういう指摘を受けて、これは踏まえて、党の問題で関連するのならば、党としても、今後こういう問題が起こらないようにどういうことができるかということを今検討しておるわけでありまして、実際、この献金に関しては、御指摘の点を踏まえれば、党の問題も確かにあります。この点については、今後、国会でも十分議論しなきゃならない問題だと認識しております。
○岡田克也君 今橋本氏と言われましたが、旧橋本派の一億円の問題についてどうお考えかということを私は聞いているわけです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは党の問題ではないということを申し上げているわけであります。これは、いろいろ団体は、政治団体はあります。これは党の問題ではないと思っております。
○岡田克也君 予算委員会の答弁と食い違いがあると思いますので、ここはまた別の機会に議論したいと思いますが、もし党の問題でないとすれば、今我々民主党は、橋本氏の証人喚問あるいは村岡氏の証人喚問を求めております。党の問題でないのであれば、当然その証人喚問について、党として反対されるというのはおかしいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、政治家である限り、疑惑を持たれた場合には、御本人が判断されてしかるべき説明をすべきだというのがかねての持論であります。その考えに今も変わりありません。
そして、委員会の場で説明せよという場合についても、これは各委員会で与野党の議員が出ているわけでありますので、よく協議していただきたいと思っております。
○岡田克也君 今、総理は、御本人の問題だとおっしゃいました。御本人の問題であれば、少なくとも村岡氏は、求めがあれば国会に出て証人喚問も応じる、こういうふうに言われているわけです。これを反対する理由はないと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、もとより反対する立場ではございませんし、委員会で決めていただければ村岡氏も出るということを言っておられると聞いております。
私は、そういう点に含めましても、委員会でよく協議をしていただき、村岡氏の意向も踏まえて対処すればいいと思っております。
○岡田克也君 総理は、よく、うまく立場を使い分けられるわけですけれども、総理は自民党総裁ですよ。そして、村岡氏の証人喚問に対して自民党が反対しているんじゃありませんか。委員会で決めるんじゃないんですか。党としての態度を決めていくわけですよ。
ですから、総理は、きちんと村岡氏の証人喚問を認めるべきだ、そういった指示を出されれば、この話はまとまるわけですよ。本人が希望しておられて、どうして国会が拒むのですか。私は理解に苦しむのです。ぜひしっかりとしたお答えをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう点については、村岡氏がどういう問題を抱えて、どういうことを委員会に言われているのか私は定かには知りませんけれども、まさに委員会で理事、与野党出ているわけであります。それを皆さんでよく協議して決めていただきたい。しかも、現在、裁判手続中と伺っております。
そういう問題も含めて、委員会のいろいろな協議事項に私があれこれ言うべきものではないということでありますので、私は、委員会の判断を尊重しなければならない立場でございます。
○岡田克也君 過去にも裁判手続中でも証人喚問をしたことはありますし、そもそも、裁判手続中であるという理由で証人喚問すべきでないというのはその証人の人権の保護の観点からきているわけですから、その御本人が、出る、出る用意ありと言っているわけです。ですから、拒む理由はないと思います。
最初、総理は、ちゃんと正面から答えるとおっしゃいましたが、今の答弁は、自民党総裁としての立場は全くお忘れです。委員間で議論したらいい、それでは極めて無責任じゃないでしょうか。もう少し明確な方向性を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この委員会の参考人招致とか証人喚問とかだれだれを呼びなさいという問題は、私がじかに、その詳細にわたって込み入った問題に、すべて承知しているわけではありません。事情がそれぞれあると思います、各党間の。そういうことを含めて、今、与野党間で協議されていると聞いております。そして、村岡氏も、委員会の決定があれば出るというふうに聞いております。そういう経緯というものを、私は、私よりもその委員会の各理事の方が詳しいと思います。そういう点を含めて、だからこそ、理事がいていろいろ議論されているんだと思います。
しかも、全会一致で証人喚問なり参考人というのは、やはり党利党略でやってはいけない、多数決でやってはいけないという過去の例も踏まえて、余り政争の具にしない方がいいということでそういうルールになっていると聞いております。そういう点も含めて、よく協議していただきたいと私は思います。
○岡田克也君 総理が全くお答えになっていないということは、テレビを見ておられる国民からは明らかだと思います。
そして、この旧橋本派の問題で、一億円を受け取りながら、後で政治資金収支報告書に記載をした。今回のこの日歯連の問題では、数多く、出している日歯連あるいはその関係団体と受け取った側で食い違いがたくさん出てきて、修正された方たくさんいらっしゃいます。政治資金収支報告書という、国民から見て基本的に政治家の活動を見る上で重要なその報告書がいとも簡単に変えられる、後から変えられるということは、大きな問題だと思います。
したがって、我々は、今回の政治資金規正法改正の中に、一定の金額以上の記載漏れと称するものがあった場合には、これは重過失ありとみなす、つまり、これは罰せられるということを法改正によって入れ込もう、こう思っております。
自民党、公明党の案にはそういうものが全くないわけですが、こういった政治資金収支報告書が幾らでも後から改ざん可能な状態について総理はどう思われているのか、そして、それに対してどういうふうに対応すべきなのか、我々の改正案についてどう思われるのか、ぜひ考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現行法でも虚偽記載については罰則があると思います。たしか禁錮五年以下、そして罰金は百万円以下かな。現行法でも罰則あるんです。だから、その現行法を守らないからこそ、今回、収支報告しないから、関係者が逮捕されているわけでしょう。まず法律を守る、これは私は当然のことだと思います。
そういう問題があって、さらに今回改善点がないかということで、今、自由民主党も協議し、公明党も協議してようやくまとまった、これから国会で、民主党の提案もあわせて、委員会で、議員間で議論されると聞いております。その場でよく議論していただいて、よりよいものをまとめていただければいいなと思っております。
○岡田克也君 現行法は重過失でなければもちろんだめだということになっております。そして、その立証が非常に難しい。だから、今回のようなことが起きる。全く政治資金収支報告書が国民から見て信用できない、こういう状況は、私は政治不信を招いていると思います。
したがって、それに対してきちんと対応し、政治に対する国民の信頼を取り戻すことが我々の責任だ、そういう視点から私は質問しているわけであります。
もう一つの疑惑がいわゆる迂回献金の問題であります。
予算委員会で我が党議員が、山崎拓氏に二〇〇一年に三千万円の迂回献金があったのではないかという疑惑を指摘をいたしました。平成十三年十二月二十五日に日歯連から国民政治協会への領収書が発行されております。この領収書が発行されている、それに伴う入金が本当に国民政治協会にあったのか、それとも、疑惑が指摘されているように、直接本人にお金が渡り、形の上だけ整えたのか、どちらなのかということが問われています。
総理は、この問題について調査するというふうに約束されましたが、まず、きちんと銀行振り込みがなされているかどうか、これが一つポイントだと思います。そして、これは調べればすぐわかることです。この点について、既に調査はされたんでしょうか、あるいは調査をされるおつもりがあるんでしょうか、そのことをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いわゆる迂回献金はないという報告を私は受けております。さらに、さきの予算委員会において指摘をされました問題について、その委員会の指摘も踏まえて、いわゆる迂回献金というものが、野党の言うような点も踏まえて調査して、わかり次第、幹事長から報告するようにということを指示しております。わかり次第、報告したいと思っております。
○岡田克也君 国民政治協会への振り込みがあったかないかは一分でわかりますよ。あしたぜひ報告してください、そのことをお願いしておきます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いわゆる迂回献金はないと聞いております。そして、予算委員会でのいろいろな質問を踏まえて、報告を……(発言する者あり)ちょっと待ってください、ちょっと待ってください。報告を受け次第、きちんと幹事長から、調査、わかり次第、報告するということでありますので、わかり次第、報告いたします。ただし、迂回献金はないということを今の時点で聞いております。
○岡田克也君 迂回献金があるかないかという質問を私はしているのではありません。具体的な話として、既に領収書が発行されている、国民政治協会の。これが間違いだとするならば、また話は別であります。しかし、政治資金収支報告書にもそれらしいものが書かれていますから、恐らくあの領収書は正しいと思います。しかし、それに見合ったお金がきちんと振り込みがされているかどうか、そのことについて、これは調べれば一分でわかりますから、ぜひあす答えていただきたいということをこの場でお願いしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、不正と言われるような迂回献金、不正な献金、ないと聞いておりますので、調査、わかり次第、報告いたします。幹事長から報告いたします。
○岡田克也君 国民政治協会の領収書は五千万の領収書ですね。ですから、これを現金で持ってきたのなら別です。しかし、そんなことはあり得ないでしょう。小切手であれ振り込みであれ、痕跡は残ります。ですから、そのことをきちんと調べて、直ちに報告してもらいたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
さて、この迂回献金について、我々は迂回献金を禁止する条項をきちんと置こう、国民の疑念を招かないためにも、今後招かないためにも、きちんとした迂回献金を禁止する条項を置こう、こういう主張をしておりますが、しかし、与党案では、自民党、公明党の案では、迂回献金に対する何らの規制もなされておりません。ぜひこれは一条置いて、条件をつけた、あるいは特定人を指定した献金は認められないということをきちっと書くべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題につきましても、これから自民、公明がまとまった案、そして民主党の案、議論されると思います。そういう中できちんと私は議論していただきたいと思います。
○岡田克也君 自民党と公明党の案ではそういった規定が全く置かれていないから私は言っているんです。
ですから、政策担当者の間であるいは幹事長間では話がまとまらなかったんです。私は、公明党は本当はそういう規定を置いてもいいと思っていたんじゃないかと思うんです。しかし、彼らも自民党と議論した結果、そういう条項は置かれないままです。
だから、総裁である小泉さんに、きちんとリーダーシップを発揮して、国民の疑念を取り除くために、そして今後そういうことが絶対起こらないために規定を置くべきだということを申し上げているわけです。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今回の問題も含めまして、今国会で改善できるような案を考えるように指示を出しております。具体的に幾らがいいのかという点については、今各党の専門家の間で議論しておりますから、その中で議論をし、今国会中に成立するように努力するということで指示を出しております。
私は、具体的な、どれがどうかということまでは詳しくは承知しておりませんが、それは、各委員会があるんですから、その中でしっかりと議論していただければいいという問題だと思っております。
○岡田克也君 総理は今、金額の、幾らというふうに言われましたが、ちょっと基本的に誤解していると思うんですね。
私が申し上げているのは、迂回献金を禁止する条項を置く。民主党の案は、条件をつけた寄附、これを禁止するということです。そして、その寄附を行った者も受けた者も罰則の対象にする。こういう規定を置けば、出す側もそういった迂回献金の疑いがあるような出し方はできなくなります。
そして、なかなか立証が容易でないという議論もありますけれども、今回の事件のようないろいろな事件が起きたときに、そういう一条を置かれていれば、これは犯罪としてしっかりと取り締まりの対象になります。だから、そういうものを置くべきだというふうに申し上げているわけですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういうことも含めて、いわゆる迂回献金というのは何かという定義まで、立法作業の話を聞きますと実に難しい問題があるんです。だからこそ、委員会でよく議論してくれと。立法作業の問題、そういう点。この項目に向かって、何か個別にというのがこの党首討論に、問題かどうかという問題もあります。私は、だからこそ指示は出しているんです。よく委員会で議論していただきたい。
しかも、これは政党にかかわる問題です。政党同士で、しかも議員立法でやるという。議員立法で、各党の専門家で議論していただいて、よりよきものをまとめていただきたい、私はそういう方針をしっかり出しているわけですから、それに民主党も参加されて議論をしていただいて、よい結論に導いていただきたいと思います。
○岡田克也君 総理は今、政党の問題だと言われました。確かにそうでしょう。しかし、それ以前に国民の問題なんです、これは。国民が政治を信頼するかどうかの問題です。それにきちんと政党がこたえられるかどうかの問題です。
ごまかし、ごまかし、ごまかしして、そして今回またすり抜けようとしています。例えば振り込みの問題。自民党幹事長は、振り込みを内規でやる、こう言われました。しかし、党として決定していますか。決定していないでしょう。まだ個々の議員に通知もしていないでしょう。言っているだけじゃないですか、あなたたちは。ごまかそうとしているだけじゃないですか。そういうやり方が、私は全く話にならないと。
そして、振り込みも、政党の指定する政治資金団体だけではなくて、広く政治資金団体、政治団体に、どうして振り込み、一定金額以上義務づけないんでしょうか。私たちはそういう案を提案しています。(発言する者あり)やっていると。やっていると言っても、現実にそれができないから法律を規定できないんでしょう。
そういうごまかしのやり方に対して、総理、どう思われるのか。ぜひ、幅広く振り込みにするということについて総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 既に、振り込みとか、自民党として、民主党のいろいろ意見も踏まえて、党の内規でやっていると私は報告を受けております。そういう問題についても、委員会でよく議論をしていただきたい。ここで込み入った議論をするよりも、委員会があるんですから。党首討論のあり方というものももっと考えていただきたい。各委員会というものがあるんでしょう。
確かに、政党の問題、金の問題、国民全体の関心事であります。一定に金額を制限することも大事であります。そして、票で応援する場合も、資金で応援する場合も、労力で応援する場合も、国民が協力していただかないと民主政治は成り立ちません。
どのような形で国民から資金的協力を得ることができるか。資金的に協力するということは決して悪いことじゃないんです。政治活動というのは金がかかるんです。税金だけで全部政治活動を賄おうというのは、私は感心しません。それぞれの立場によって、政党のよって立つ基盤によって、どういう団体から政治的な献金を受けるか、寄附金を受けるかというのは全部違うんです。個人が、政党に、政治家に献金をしたいという人も出しやすいような環境をつくっていくことも考えなきゃいけない。
そういう点も含めて、制限と同時に、政治は自分たちのものである、政党に、政治家に献金するというのは悪いことではないということも私はよく国民に考えていただきたい。そういう点も含めて、これからちょうど委員会で、議員立法で、議員同士で議論が始まる、よりよいものをつくれということでありますから。
自民党がやっていることは何でもごまかしだ、これもまたひどいことですよ。自民党はごまかししてない。私は、そういうことも含めて、今後十分委員会で議論をしていただきたい。
○岡田克也君 総理、時間が来ているからといって、わざと長引かせるようなやり方はとらないでいただきたい。
内規、内規と言いますが、総理、閣議で決めた、例えば皆さん、大臣の政治資金パーティー、やらないと決めましたが、みんなやっているじゃないですか。つまり、自分たちで決めたことを守れない人たちなんですよ。だから、内規なんか意味がないということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○会長(丹羽雄哉君) これにて岡田君の発言は終了いたしました。
以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたしました。
次回は、衆議院、参議院、それぞれの公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
2004年10月27日 |