2000/02/02 |
国会内の些事かもしれませんが、報告します
通常国会の異常さを示す出来事について、国会内の些事といえばそのとおりですが、報道されない事実を2つ報告します。
まず、衆議院の出来事。1月27日午後、伊藤宗一郎議長による「裁断」が示されることになり、野党側は議長室に出向きました。与野党そろって受けるのが本当なのに、なぜか与党は来ませんでした。「裁断」は、定数削減の本会議採決を、代表質問が終わった後である2月2日まで延期するというだけの代物。野党側はそれでも持ち帰って検討することにしました。ところが、野党側がまだ諾否の返事をしない内に、議長から、与党側が拒否し裁断は不調となったから撤回との連絡がありました。つまり与党側が、「議長の権威」を踏みにじり、正常化を拒否したのです。
次に、参議院の出来事。1月28日、定数削減法案を付託された(これにも疑義があるが省略)地方行政警察常任委員会の和田洋子委員長(福島県、民主党新緑風会)に、与党側から、委員会を開くよう要請があり、和田委員長は、審議について協議するための理事懇談会を開くことを提案。ところが、再三の呼びかけにもかかわらず与党側は、2月2日の本会議採決に固執し、理事懇談会で議論していたらこれが出来なくなるとして、理事懇開会の提案を拒否。予定どおり本日「中間報告」で採決、定数削減を可決成立させました。
中間報告は国会法56条の3に規定があり、第1項は「特に必要があるとき」、第2項は「緊急を要すると認めたとき」という要件を定めています。定数削減についての特別に緊急な必要は、例えば小沢一郎さんをなだめるというような、自自公内部の事情しかありません。あるいは、小渕首相が早期解散を考えているため、その前提として必要だというのでしょうか。
和田委員長の「中間報告」は、多数の横暴に強制されながら、これを糾弾する、名演説でした。狼の群に放り込まれた子羊と言うと、和田さんに失礼ですが、民主党の秘書さんはみな傍聴席に駆けつけ、議員はみな控室でテレビに釘付け。ちょっと涙もろいところのある和田さんを必死で応援しました。
かくして参議院の民主主義も形骸化しました。
2000/02/02 |