2000/03/11 異論反論二題 |
「昭和の日」を作る動きが進んでいます。
祝日法を変えて、今の祝日「みどりの日」(4月29日)を「昭和の日」と改名し、さらに5月4日を新たに祝日「みどりの日」とするというもの。5月4日は、「憲法記念日」と「こどもの日」に挟まれているため、今でも休日ですが、これを祝日とするため、何年かに一度、6日(火曜日)が振替休日となり、休みが一日増えます。 与党はどうやら各党とも近々賛成を決めそうです。そうなると、後は早い。民主党も、態度決定を迫られそうです。 私は反対。今は「昭和」に郷愁を持つ人がまだ多いから、何とかして4月29日が以前は「天皇誕生日」、つまり昭和天皇の誕生日であったことを、残そうと画策するのです。しかし、時代が移ったらどうなるのでしょう。「明治」や「大正」や「平成」は? いろいろ考えて「みどりの日」と命名したはずなのに、朝令暮改です。それに5月4日を祝日「みどりの日」というのは、4月29日を「昭和の日」にするためのこじつけの悪のり。 労働組合費の天引き(チェックオフ)を禁止しようという動きが、自民党にあります。 民主党でも議論が割れそうとか。 労働者が一人一人ばらばらでは、絶対に経営者に勝てません。そこで名目だけの人権(自由権)でなく、実質的に生きられる人権(社会権)を保証するため、憲法は労働者に労働基本権(団結権、団体交渉権、争議権)を与えました。労働者が経営者と対等に労使交渉をして、労働関係を自主的に決めることができるようにしたのです。その方が、公権力が上からあれこれ干渉するより、ずっといい結果になるというのが、歴史の教訓です。 労働組合の組織率も労働者の帰属意識も今は低くなり、労働組合が本当に役割を果たしているのか、反省も必要です。しかし、だからといって意図的に労働組合を弱体化させるのは、賢明な選択ではありません。労働組合が自分で決めることです。 憲法論議をするというなら、こんなところでの履き違えはあってはいけません。
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2000/03/11 異論反論二題 |