2008年3月14日

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あっせん解釈 話し合いで  江田五月・参院議長インタビュー


「ねじれ」から知恵を

インタビューに答える江田五月参院議長=13日、東京・永田町で、鬼室黎撮影

江田五月参院議長は13日、朝日新聞のインタビューに応じ、税制改正関連法案をめぐる衆参両院議長あっせんによる与野党合意や、今後の国会運営について語った。

 ―― 「ねじれ国会」で初の予算審議が続いています。

 「二院制で選挙が別に行われるわけだから、ねじれは普通のことと受け止め、ねじれからいい知恵、エネルギーを出すことに心を砕かないといけない。プラス面として参院側から議員立法が可決され、世に問うところまで行くようになった。行政に対するチェックという点でも目を見張るようなものが出てきた」

 ―― 民主党は3月末に期限切れとなるガソリン税の暫定税率延長に反対です。与党は期限切れを封じるために「つなぎ法案」を提出しましたが、両院議長が動いて撤回されました。

 「つなぎ法案は参院審議の息の根を止めるもので、参院としてはとても耐えられないものだと感じた。ねじれの妙味を生かして二院制を動かす努力を放棄して、めったにない衆院3分の2の議席を使い、60日ルールなど通常の審議で結論を得る話ではない規定に逃げ込むのは賢くない」

 ―― ただ、「徹底審議のうえ、年度内に一定の結論を得る」とした与野党合意は、解釈や存否をめぐって与野党の溝が深まるばかりです。

 「あの合意はつなぎ法案という奇策に頼らず、議論の王道に戻る意味があった。もともと両義的な部分があり、最後まで平穏無事に進むものでなかったのは当然だ。(与野党の)話し合いで解釈の多義性を乗り越えていただくほかない」

 ―― 「一定の結論」は採決をさすのですか。

 「しっかり相談してほしい、という一言に尽きる。『議長裁定』と言われるむきがあるが、裁定はしていない。あっせんしたのであって、合意したのは各会派だ。議長に一定の責任はあるので、行き詰まれば役割を果たす時があるかもしれない。ただ、局面ごとに議長が出てうまくいくとは思えない」

 ―― 「3月危機」がエスカレートするかもしれません。職を賭して「こんな事態だけは防ごう」という考えは。

 「議会政治が死滅させられることが仮にあれば職を賭して抵抗しなきゃならんかもしれないが、思い詰めてるわけじゃない」

 ―― 出身母体の民主党の小沢代表は参院を政権交代に向けた「主戦場」と位置づけています。

 「一定の理解も共感も持つが、逆の主張の会派の皆さんもおられる。論争ができるかじ取りに私が責任を負うことも事実だ。議長としての(民主党)会派からの離脱は偽装で、党の考えを実行するために仮面をかぶってる、というわけじゃありません」

(聞き手・藤田直央)
朝日新聞 2008年3月14日朝刊掲載】


2008年3月14日

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