2009年10月5日 |
江田 五月
一昨日、私の後援会「江田五月会」の拡大幹事会において、来夏の参院選に岡山県選挙区で立候補するという私の決意の一端を披瀝し、皆さんの意見を聞いたところ、150人ほどの参加者全員が割れるような拍手で、これを支持し支援するとの決意を示して下さいました。これを受けて私は、立候補を決断しました。
私は1992年秋、菅直人さんや仙谷由人さんたちとともに、「シリウス」という政治グループを立ち上げました。これが、翌93年の非自民細川政権の誕生に繋がったと思っています。しかし、当時はまだ、非自民政権を担う単一の政党はありませんでしたが、20世紀の最後になって民主党が生まれ、既に10年以上が経過しました。そして今、民主党を中心とする鳩山非自民政権が誕生するに至りました。「シリウス」につき、私は先の幹事会で、要旨を次のように述べました。「シリウスは、地上から見える最も明るく輝く恒星です。古代エジプトでは、シリウス観察で大洪水を予知したそうです。父・江田三郎は戦前、服役中に『小さな鉢の小さなサボテン、熱砂千里の夢なおありや』と自戒し、差し入れに来た母に『シリウスはまだ見えないか』と尋ね、大洪水、つまり政治の大転換の予兆を待ち望みました。そして今、シリウスが天空に現れ、大洪水が起きて肥沃な土砂が大地を覆い始めました。洪水被害を最小にし、土砂をしっかりと定着させ、新天地を開くためには、来夏の参院選が最重要です。自民党が今なお強固な地盤を持つ岡山県で、必ず勝利しなければなりません。」
この2年強、私は参議院議長として「ねじれ国会」の運営に携わってきました。今、「ねじれ」のエネルギーが政権交代に結実してこれが解消し、私の役割の重要な部分は達成されたともいえます。ここで政治家人生に終止符を打つと、ことを成したとの評価が定まるのかもしれません。しかし上記のとおり、大洪水を豊かな実りに繋げていくという重大な使命が、今の私にあると感じないわけにいかないのです。まさに、私の恩師である丸山真男先生の「であることとすること」のどちらを取るかということです。
政権交代により、民主党は政権党となりました。私自身は会派離脱中ですが、多くの皆さんの見る目も格段に厳しくなり、私も先日、私の政治活動費の支弁につき、大手有力新聞により強烈なご指導をいただいたところです。全く私の脇の甘さであり、既に報告したとおりの措置を取りました。すみませんでした。
私がこれまで目指してきた政治は、「政権交代構造の構築」と「市民政治の前進」です。鳩山政権は、政権交代を実現し、脱官僚主導や利権政治からの脱却を進めています。しかしまだ、この二つの道のいずれもが、単にスタートを切ったというだけで、基礎工事さえ終わったとは到底言えません。来夏の参院選で、もし逆「ねじれ」が生じたら、元も子もありません。逆転と交代を確かなものにするには、来夏の参院選の重要性は、いくら強調しても足りません。岡山県選挙区で政権党側の取りこぼしは、絶対に許されません。
来夏以降も参議院議員として、議長経験を生かして、選挙制度改革や両院関係改革など、参議院と国会改革に存在感を示していく必要があります。鳩山政権が「核なき世界」や「地球環境保全」に向けて鮮やかに世界に発信し、国民の生活が第一という政治を進め無駄を省くために全力投球している今、私のこれまでの経験が必ず必要になると確信しています。
本日はとりあえず、来夏の参院選に岡山県選挙区から立候補することを表明し、選挙を支える組織の再構築と関係する政党や団体等のご支援を得る活動を開始することを、明らかにするにとどめ、公認とか推薦とかのことは今後の推移に委ねます。県民の皆さんのご理解をお願いします。
2009年10月5日 |