2009年1月1日

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年頭所感

 明けましておめでとうございます。本年が皆さんにとって幸多く、実り豊かな一年となることを心よりお祈りいたします。

 一昨年の参議院選挙以来、「ねじれ国会」で衆議院と参議院の多数派が異なり、野党多数の参議院のあり方が問われました。私は、議長に就任して以降、国会の内外で中立と公正を貫くとともに、ねじれの効用を発揮するよう努めてきました。

 ねじれは政治の停滞を招くとも言われますが、必ずしも悪いことばかりではありません。野党の質疑によってこれまで表に出ていなかった問題が白日の下にさらされる場面や、与野党が協議を重ねて意見の一致を見た場面がありました。国会同意人事案件の審査についても、一定の方法が定着したところです。

 もちろん、課題はたくさんあります。予算や条約、総理大臣指名に関してはたびたび両院協議会が開かれましたが、法案では開かれませんでした。スピード感ある政策形成もやはり課題として残りました。与野党間で成案を得るための知恵や仕組みを探し出す努力が、さらに必要だと感じています。

 昨年秋に発生した米国発の金融危機は、瞬く間に世界中に広がり、日本にも深刻な雇用不安を伴う経済の後退を招いています。そんな中、今年は、国民の皆さんにとって重要な政治選択の機会が来ます。国民の皆さんが自ら政治の進路を選び取る過程は、国のリーダーを鍛え、政権に正統性を持たせ、政策の実行力を高めるためにきわめて大切です。その結果、政権を担当することになる与党は、腰を据えてこの難局に取り組んでいかなければなりません。一方で野党は、厳しく政権運営を監視するという民主主義に欠かせない重い役割をまっとうする必要があります。

 参議院は、政権を直接創り出す機能を持っているわけではありませんが、任期の長さを生かした長期的かつ専門的な視点から、衆議院とは違った角度で国政審議に当たってきました。本年も、法案の審議はもちろん、世の中のあらゆる問題を調査し積極的に明らかにする場として、参議院の発展に努めていきたいと思います。引き続き、参議院の活動に対しご理解、ご支援をいただくようお願いして、年頭のごあいさつといたします。

参議院議長  

2009年1月1日

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