2012年5月1日 日中交流の拡大に向けて

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草の根活動を日中共同で展開

日中友好会館会長
江田五月

 経団連の米倉弘昌会長には、今年の日中国交正常化四〇周年に際し、「日中国民交流友好年」実行委員長としてご奮闘いただいており、心から敬意を表し感謝申しあげる。日中友好会館は友好七団体の一つであり、実行委員会には私も、会館の会長として顧問に名を連ねている。最大限の協力をしていきたい。

 二月十六日に北京において、「日中国民交流友好年」と「活力日本」展示会の日本側開幕式が開催され、米倉実行委員長、直嶋正行政府特使とともに、友好七団体の会長・理事長が全員そろって出席した。さらに、中日民間団体責任者会議や全国政治協商会議の賈慶林主席との会見なども順調に進み、素晴らしい交流友好年のキックオフとなった。

 一九八二年に日中双方の首脳間で中国人留学生のための宿泊施設の建設が合意され、八三年に日中友好会館が交流の拠点として活動を開始した。友好七団体のなかでは一番若い団体だが、両国政府の合意による事業であることが特徴である。

 現在の主たる活動をあげる。第一は、中国人留学生の宿舎「後楽寮」 の運営である。二三八室あり、巣立った人材の総数は四〇〇〇人近くに上る。第二は、日中間の青少年交流活動である。高校生や青年幹部の相互訪問は最近五年問で二万人を超えている。今年は特に東日本大震災被災地との交流活動を強化したい。第三は、日本人に中国語を、中国人に日本語を教える学校「日中学院」 の経営である。一九五一年に創設されて以来、中国語受講生は累計約三万人となり、日本語受講の中国人学生は五〇〇人を超えている。第四は、中国現代文化を紹介する文化事業である。会館一階の美術館において毎年二〇回以上の展示会を行い、中国の絵画、書道、民間工芸などを紹介するとともに、地下の多機能ホールでも多彩なイベントを開催している。

 日中友好会館は今般の法人改革に伴い、「日中国民交流友好年」に合わせて、四月一日から公益財団法人として新しいスタートを切ることとなった。関係者一同心をあわせて、いままで以上に草の根活動を拡げ、両国民間の相互理解と友好親善の促進のために努力する決意である。

 関係各位の一層のご指導、ご鞭撻をお願いしたい。

「月刊 経団連」 2012年5月号掲載


2012年5月1日 日中交流の拡大に向けて

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