2003/11/26

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158 参院・予算委員会  

江田、海野議員、首相に イラク派遣の説明求める (民主党ニュース)

 参議院予算委員会が26日に開かれ、民主党・新緑風会の江田五月議員が質問に立ち、町村議会議長全国大会で「三位一体改革」の内容についての言及を避けた首相を批判。方向性を明言すべきだと指摘した。

 江田議員はハンセン病元患者に対する熊本のホテルの宿泊拒否問題も取り上げ、「国の誤った政策で社会に植え付けられた偏見が簡単に消えないことの現われ」と指摘した上で、啓発を政府として推し進めるよう野沢法相、坂口厚労相に要請。また、在日ビルマ人キンマウンラ氏一家の強制送還について、政府として特別在留許可を認めるよう首相や野沢法相に繰り返し強く求めたが、首相は「(強制送還は)やむを得ない」とし、法相も「私の裁量で左右してはいけない案件」などと要請を拒絶した。

 イラクへの自衛隊派遣問題をめぐっては「情勢が悪化しているとの認識はあるか」と質したのに対し、首相は一面では認めながらも「国際社会が協調して(対テロ対策に)応えていく必要がある」と繰り返し答弁するだけだった。
 
 また江田議員は、日本道路公団の近藤新総裁に公団改革の「基本的考え方」を質した。近藤総裁は、民営化後の経営形態は上下一体とする、新会社の自主判断権を最大限確保する、などの考えを明らかにした。

 続いて関連質問に立った海野徹議員は、首相がイラクへの年内の自衛隊派遣の有無について「状況を見て判断する」と逃げの答弁を繰り返していることを批判し、「いかなる状況について、何を基準に判断するのか」と詰め寄った。しかし首相は、相変わらず判断の内容には触れず「年内に出すとか出さないとか言っていない」などとごまかし、石破防衛庁長官も「基準は、法律に定められた要件を満たせるかどうか」と抽象的に述べただけだった。海野議員は、「大義も説明もないから国民の中に派遣への反対論が増えているのだ」と厳しく指摘した。


平成十五年十一月二十六日(水曜日)   午後一時開会

○委員長(片山虎之助君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。
 それでは、これより質疑を行います。江田五月君。

○江田五月君 総選挙でちょっとのどを痛めまして、まだ治らないのでお聞き苦しいかと思いますが、お許しください。

 今回の総選挙は、これは小泉首相もお認めのとおり、政権選択を問う選挙になったと、こういうことが、私たち民主党としても直前に自由党の皆さんも一緒に加わっていただいて、私どもは政権交代を担おうとする野党が一本化したと思っております。さらに、このマニフェストと、自民党のマニフェストもありますが、こういう明確な約束を掲げて政権交代を求めました。

 結果は、小泉さんのチームの勝ちでございまして、私たちのチームは負けました。しかし、政権選択を問う選挙になったということ、これは私は、これまでの選挙とは一味違う、日本の民主主義が新たな段階に至ったということだと思っております。私たちは、確かに政権に向かってぐっとにじり寄ったという、そういう実感は得ております。小泉首相もそういう実感をお持ちになったんじゃないかという気はするんですが、まあこれは別に伺いませんが。

 そこで、ついに日本でも政権を競い合う、そういう二大政党政治がスタートしたわけでございまして、今後の国会論戦というのは、やはり今までの責任を持った与党と批判をする野党というものとは一味違うものになっていかなきゃいかぬと、これは私はつくづくそう思っておりまして、ここで、国民の皆さんの前でイラクのことでも年金でも道路公団でも正面からちゃんと議論をしていきたいと思っております。

 小泉首相の国会答弁というのはどうも質問にまともに答えないとか、論点をすり替えるとか、はぐらかしだとか、いろいろ、真剣に答える姿勢が感じられないと、そう言われてきました。野党側の質問についてももちろん、批判だけだというようないろんな批判もございました。これらの論戦は、これからの論戦はしかし、先ほど申し上げた新しい質の高い実りのあるものにしていきたいと思っておりますので、この点は冒頭、質問じゃございませんが申し上げておきたいと思っております。

 初めに、三つほど質問いたします。
 十一月の二十日、武道館で開かれた第四十七回町村議会議長全国大会に小泉首相は出席をされましたね。四千人以上の参加者の前であいさつをされたと。覚えていない、知事会、覚えておられませんか。ちょっと、十一月の二十日、武道館。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 武道館じゃありません。町村議会だったと思います。町村会長……

○江田五月君 場所はどこですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 場所は、武道館じゃなくて町村議長会です。

○江田五月君 ああそうですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) やっぱり武道館だったそうです。申し訳ございません、忘れて。しかし、町村議長会、武道館だったそうです。

○江田五月君 いや、冒頭から大変実りのある議論ができまして、結論が出ましたんで大変結構かと思うんですが。

 その場所で、これは参加者の皆さんは皆、焦点となっている三位一体改革、これについての総理の発言を期待をしていたというんですね。ところが、小泉総理はそれには全くお触れにならずに、専ら外国人観光客の誘致を通じた地域おこしであるとかサッカーのワールドカップでカメルーン選手団と大分県中津江村のこととか、そういう話をされて参加者の皆さんを失望させたと。覚えていないのかもしれません、どこであったかもちょっとお忘れになっているようなことですから。

 これはやっぱりしかし、新聞にも書かれておって、全国の町村議長会の議員の、もちろん、ですから町村議長の皆さんですね、大変失望されたというんですが、小泉総理が発言をされるときに、ここで、こういう場所はやっぱり皆さんが聞きたいと思っているんだということ、これをお忘れになって発言するんじゃないかと。質問のときも、私どもが何を聞きたいかということをちゃんと聞かずに答えをされるんじゃないか、その表れではないかと思うんですが、そういう批判についてどうお考えですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 総理というのは何言っても批判されるんですよ。あいさつは簡単にした方がいいと。三位一体、講演じゃありませんからできるだけ簡潔に、町村議長の日ごろ苦労されていることに敬意を表しながら、地域おこしや町おこしにつながるんだと、お互い頑張ろうと。地方と中央というのは対立するものではないと、協力していくものだということをお話ししたんであって、私は余りそういう大会のあいさつで長々とあいさつするのは失礼だと思いましたから、できるだけ簡単に皆さんを激励したいと思って参加しました。

 私は、喜んでいただいたと思っていますし、新聞等で批判する人を探して、批判だけ記事書いてやろうと思えばどんな記事でも書けると思います。

○江田五月君 参加者一同、皆大変失望したというように書かれておるわけですがね。短くていいんですけれども、三位一体のことを皆聞きに来ている、それを何か観光誘致の話をされるというんではこれは擦れ違いですね。

 小泉総理、最近よく観光立国について強調されますが、実は私のところに、カナダの国籍を持っておられてバンクーバー在住の水本正雄というんですから日本人だと思いますが、民族的には、この方からのメールが届いて、総理、総理府とそれから石原国土交通大臣のところにも送ったそうですが、内容は、成田空港の入ってくるときに、日本人のブースはすっと通っていてもう空いていると。外国人の方は一時間半も長蛇の列で、あっちが空いているじゃないかと言っても行かしてくれない、何とかしろという、いろんな具体的な提案もあるんですが、こういうことは改善できますか。

 これは、小泉総理、国土交通大臣、法務大臣、それぞれ伺います。

○国務大臣(野沢太三君) 江田委員にお答えします。
 こちら側でお答えするのは初めてでございますので、どうぞよろしく。

 成田空港の、特に航空機の到着が重なる時間帯に入国審査のために行列ができるとの問題がこれまでも指摘をされておりますが、かねてからその改善については努力をしてきたところでございます。

 法務省といたしましては、近時の不法残留の状況やテロ対策などの治安維持の観点から厳正な出入国審査を実施する必要があり、この点にも留意しつつ、なお一層円滑な外国人の上陸手続を実施するため改善を図っていく所存でございます。どうぞよろしく。

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま江田委員が御指摘されましたメールは私も拝見させていただきまして、すぐ実態どうなっているんだと調査をするように命じまして、この週末、また旅客が多数来るとき、どういう実態になっているのか、じっくり成田以外の空港も調べるようにとの指示を出させていただきました。

 夏、私も見た限りでは、長い人で下手をすると一時間ぐらい待つようなケースもあるのかなと。

 一方で、私は、シンガポール、先日行ってまいりまして、シンガポールはどんなお客さん、団体客だろうが何だろうが、十五分で税関を、あるいはイミグレーションをパスして、また十五分車に乗って、三十分以内に市内のホテルに入れるということを国是としてやっている。

 そういうところでトランジットのお客さんを取られているというような実態がございますので、前扇大臣のイニシアチブで作りました観光立国行動計画の中でもこの問題、重点的に取り上げておりますので、一日も早い改善を法務省の皆さん方と御相談をさせていただきましてやっていかなければ、観光立国は成り立たないと考えております。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 「ようこそジャパン」、観光客をできるだけ日本にも来ていただこうと、優しい対応をしなきゃいかぬということで、これから努力していかなきゃならない。それを考えますと、今の御指摘大事だと思っています。どのように改善策、講じられるか。

 私も外国へ行って、長々と行列待って、それで対応が鈍い、だらだらだらだらしているのを見ると腹立てたことがあります、おしゃべりしたり。何でもっと早くやってくれないのかと、そういう気持ちを持たせちゃいけないなと思っています。空いている人は忙しい人を助けると、そういうような人員の配慮も必要じゃないかと。

 外国行きますと、込んでいるのにこのテーブルだけしか受け持たないというようなのありますね。日本だったらば、空いている人が別のところ助け合う。そういう配慮も役所でも必要じゃないかと。

 もっと法務省も国交省も、政府でそういう人員配置、外国人に優しい、便利を考える、サービスということに意を用いてこそ「ようこそジャパン」が実を持ったものになるんだと思いますので、御指摘を踏まえて改善する努力が必要だと思っています。

○江田五月君 外国人の審査を厳正にしろというのはこれはいいんですよ、野沢さん、それはそれで。だけれども、こっちは空いているのにこっちは長蛇の列なんていうのは、気を利かしたらどうですかという、そういう話でございまして、小泉総理、ここは是非よろしく。今の言葉をよく覚えておきます。

 この小泉政治、二年半でですね、どういう政治だったかと。どうも私は、この最近の小泉政治というのは冷たい政治だと、殺伐とした政治になっているという気がしてならないんです。失業、倒産、デフレ、地方切捨て、弱者切捨て、犯罪激増。すべて小泉総理が悪いとは言いません。それはいろんな原因があるんで、全部というわけにはいかないのは当たり前です。

 そして、最初のころは、小泉さんには温かい熱いものがあった。

 私は今も思い出すんですが、今から二年半前ですね、熊本地裁でハンセン病の判決があった。さあどうする。元患者の皆さんと小泉首相が官邸でお会いになっている。そのときに私は何していたかといいますと、有楽町で街頭演説していたんです。だけれども、もう本当に念ずる気持ちで、何とか小泉さんにこの思いが届いたらというそんな気持ちで街頭演説をしていて、そしてあっ届いたという、これは本当に心から拍手も送りました。

 しかし、そのハンセン病について最近また熊本県のホテルの事件がありましたですね。やはり、国の誤った政策で社会に植え付けられた偏見というものがそう簡単になくなるわけじゃないんで、これはもう繰り返し繰り返しやっていかなきゃならぬ。元患者を中心とする交渉団の皆さんと厚相、厚生労働省との話合いも、いろんなこと解決は付いてきましたが、なおはかばかしくいかないところが最後に残っていると。この二月の予算委員会で小泉総理が坂口厚生大臣に早急に解決するよう督促したと、こうおっしゃった問題が最後にまだ残っているようなところがあります。

 熊本のホテルのことについて、これは法務大臣、経緯を、それと措置を説明してください。

○国務大臣(野沢太三君) お答えします。
 今月の十八日に、熊本県庁から熊本地方法務局に対しまして、同県内のホテルにおいてハンセン病元患者であることを理由とする宿泊拒否事案が発生したとの通報がありました。

 これを受けまして、当省の人権擁護局、熊本地方法務局及び東京法務局において共同調査を行った結果、通報されたとおりの事実が認められましたため、今月二十一日、同ホテル総支配人及び同ホテルを事業として経営する会社について、旅館業法第五条違反に該当する疑いがあるとして熊本地方検察庁に告発状を提出するとともに、同支配人及び同会社に対して重大な人権侵害があったとして勧告を行いました。
 以上でございます。

○江田五月君 さようでございますか。

 しかし、これ、会社の命を受けて総支配人がそういう対応をしたとも考えられる。十分あり得る話で。そうすると、だれが命じたのか、その命じた者も個人としての責任が生ずる。そして、法務大臣、国民の皆さんね、罰金というんですがね、告発でもし起訴されれば。二万円ですよ。二万円で、それで、それなら拒否しておいた方が得だなんという反応が次々出てきたりしたら困りますよね。

 私は、これで、そうやっております、以上でございます、それではちょっと冷たいじゃないかという気がします。厚生労働大臣、いかがですか。

○国務大臣(坂口力君) このハンセン病の問題は本当に遺憾な問題でございまして、差別、偏見がなお残っているということを示した一つの証拠ではないかというふうに思っております。厚生労働省としましても全国にすぐに伝達いたしまして、二度とこういうことがないように、都道府県に対しましても、あるいは旅館関係者の皆さん方に対しましても出したところでございます。

 こういうことがないように、いわゆる旅館業法の五条に書かれております伝染病というのは、それにこのハンセン病は当たらない、しかも元患者であって現在は治っている人たちでありますから余計のことでございます。

 こういうことが起こらないように、ひとつ、差別、偏見をなくしていくように努力したいと考えております。

○江田五月君 小泉総理、それらをお考え、お聞きになって、今の対策協議会がまだもう一つ着地まで行かないということについて、ひとつ、是非しっかりやると、しっかりしろというお言葉を聞きたい。

○国務大臣(坂口力君) 今年の春に問題になりました問題の中で、いわゆる判決が出ますまでに退所をされた皆さん方、いわゆるそれまでに退所された皆さん方の問題につきましては八月二十五日に決着をいたしました。いわゆる非入所の皆さん方の問題だけ今残っているわけでございます。

 この非入所者の皆さん方の問題につきましては一遍調査をしましょうと、原告団の皆さん方とのお話合いで、その結果もようやく出たところでございます。今、その内容につきましてお話合いを進めさせていただいております。

 現実問題として、原告団の皆さん方と厚生労働省との間で若干それに対する考え方の違いがあることも事実でございますが、しかしここは乗り越えて決着をしなきゃいけませんので、早く決着をしたいというふうに今思っているところでございます。

○江田五月君 元患者の皆さんも随分譲歩もしているんです、本当に、私も聞いて。沖縄についてのことであるとか、是非、総理もひとつここはよく心に留めておいていただきたいと思います。

 冷たい政治だということでもう一つ。

 最近のテレビや新聞で報道された例の在日ビルマ人、キン・マウン・ラットさん一家のことですが、奥さんはフィリピン人で、日本で生まれ育った小学校四年と幼稚園児の二人の娘さんの一家四人、これがばらばらに強制送還されると、されようとしているという話ですが。公明党の神崎代表も法務大臣に直接要望されたらしいんですが、これは選挙中のTBSの何か党首の討論、小泉総理もその話は存じておられますね。

 やむを得ないんだというようなことを言われたということなんですが、しかし特別在留許可ですから、一件起きたら次々ずるずるじゃなくて、個別に裁量権を発揮をして、これはやっぱりかわいそうだという場合は、これは国の行政にも血も涙もあるんだということを示す、それをやれと法律で特別在留許可という条項を入れているわけですから、私はこのくらいは、これは投票日に例のある新聞の、大新聞の社説でもこれは、日本の国は温かいんだということを示せということを書いているようなことなので、どうお考えですかね、冷たい政治でいかれますか。

○国務大臣(野沢太三君) 私もそのビデオは拝見しておりますし、今、委員御指摘のとおり、神崎代表からも直接お話を承っております。大変心痛む問題でございますが、この家族に対しましては既に退去強制令書が発付されておりまして、先般東京高等裁判所からも、この家族に在留特別許可を付与しないことが間違っていないということなど、国側の主張を全面的に是認する判決をいただいておりますので、粛々と退去強制手続を進めることになります。

 なお、この問題は、今、委員御指摘のとおり、家族がばらばらになるということが一番やはり心の痛む問題でございますので、本件の送還先につきましては、本人の希望や受入れ国の意向にもよりますけれども、家族全員が同一国に送還するよう最大限の努力をすると入管当局から報告が来ております。
 以上でございます。

○江田五月君 私は、それはいけないと思いますね。

 これは、ここにいろんな資料が来ているんですけれども、このキン・マウン・ラット氏が八一年かな、中曽根内閣のころに、アジアの人たちどうぞ日本に来てくださいといってそして来られた、そういう時代に来て、そして日本語の教えた教師からもこの子はこんなにいい子なんだというようなメールも来たり、あるいは、現在、ついこの間まで勤めていた会社の上司も、自分のところでこれだけいい仕事をしているんだと、皆頼りにしているんだという、そういうものも来ている。そして、子供二人は日本語で育っている子供なんですよ。こういうものをなぜ一体、どこの国かそれはあると思いますよ、いろいろ、日本が言えばしようがないなといって受け入れる国あるかもしらぬけれども、なぜ一体日本から追い出さなきゃいけないんですか。

○国務大臣(野沢太三君) 既に一審、二審ともに国の方針を是認しておるわけでございます。そして、やはり法治国家としての今後の進め方を見ましても、この件で一つこれ譲るというわけにはいかないわけでございまして、今お話しのように、子供さんたちの言葉の問題等ありますが、これは判決の中でも指摘されておりますけれども、まだまだ十分環境に適応できる年であるからに、ひとつ実質御支援いただく皆様には、皆様が、この家族が今後とも生計がいくような形での御支援方があろうかと拝察をしておるところでございます。

○江田五月君 参議院の予算委員会は、これ片道方式といいまして、私が質問する方はその時計がどんどん減っていく、皆さんが答える方は、幾らお答えになっても、説明責任を十分お果たしになっても時間は減らないということになっているんで、私も、これ、もう本当にこの問題で時間費やしたくないんですが、しかし、法治国家だからといって、法治の法律というのはそんなに冷たいものじゃありませんよ。私も別に法律知らないわけじゃない。だけれども、そんな冷たいものじゃないですよ、法律というのは。

 これはちょっと、小泉総理、どうですか、今のようなことで。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは確かにお気の毒な事案だと思っています。しかし、裁判官も血も涙もないわけじゃありません。法律と現実、これを認めた場合にどれだけ波及するかという問題を考えた上での措置だということを聞いております。非常に複雑な問題があります。不法滞在者の問題、こういう問題にどう対処するかというものもわきまえた措置だと聞いております。法律、一審、二審の問題に、総理大臣がその専門の法律を扱う法務大臣の立場を超えてやるべき問題と、やはり法律の専門家に任すべき問題というのもよくわきまえなきゃならないと思っています。

 今言われた、江田さんの言われた面も十分酌んで裁判官も判断されたことだと思いますし、私は、今回の事案につきましても、非常にお気の毒な面もありますが、やむを得ない措置ではないかなと思っております。

○江田五月君 やはり誤解があるんではないですか。裁判で争っている問題は難民の認定の話であるとか退去強制の手続の話であるとかであって、今言っているのは、法務大臣の裁量によって、これは特別の理由があるから、だから在留特別許可で日本に置いてあげようという、国の言わば、まあ変な言い方ですけれども、国のおぼしめしを求めているわけですよ。そこは違うんですよ。いかがですか。

○国務大臣(野沢太三君) 私もあの新聞の社説も見ました。判決文も読み、かつ、これまでの経緯もみんな調べまして、どう考えても、この案件については私の裁量で左右してはいけない課題であるということで、思い切って、これはやっぱり法の定める手続によって帰国をしていただき、その上でまた、日本が本当に好きならば手順を踏んでおいでいただくということもまた道はあるわけでございますので、その辺でひとつお考えいただければと思っているわけです。

○江田五月君 思い切りの仕方が違います。いけません、それでは。裁判官にどうしろということを言っているんじゃないんで。しかし、時間がありません。

 今回の総選挙の結果、保守新党が自民党に吸収された。自民、公明両党の連立政権の時代になった。これは大きな変化で、自民党と公明党の二つの政党が運営する小泉政権、これやっぱり両党がいろいろ協議をして運営していかれるわけですよね。そうなると、その協議の結果で国がいろんな方向をたどっていくわけですから、我々国会議員としては、やはりその一つ、連立の一方の雄である自民党の総裁である小泉総理と、もう一方の雄である公明党のトップの神崎代表と両方にこういう質疑の機会がなければ国の方向をただすことが非常にやりにくいと思うんですが、小泉総理は、神崎武法さんを副総理か何かで入閣してもらうという、そういうお考えはないんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各政党には政党の考え方があると思います。かつて、江田さんも、七党八会派の連立政権、その七党八会派の立場があると思います。会派のトップが全部入閣したかというと、必ずしもそうじゃないと思いますね。それぞれの連立政権というのは、連立政権の立場を尊重するというものもあっていいんだと思います。

 私も、公明党の立場を尊重し、調整しながら、この連立政権を運営してまいりました。その審判を国民からさきの総選挙で受けたわけでございます。言わば自民党、公明党、保守新党、この三党でこれからも安定した政権の下に改革を進めていきたいということを総選挙で訴えて、我々が過半数以上の議席を獲得したと。これからも今までの信頼関係を基に連立政権で進んでいきたいと思います。

 その場合に、だれに閣僚になってもらうかというのは、やっぱり相手の立場もありますから、よく伺って起用したいと思っております。その都度、連立政権というのはどういう形で連立政権が行われるか分かりません。二党の連立政権もあると思います。あるいは四党、三党、かつての江田さんも入閣された細川政権では七党八会派の連立ですから、そういう場合もありますから、それ時々の状況によって違ってもいいんじゃないでしょうか。

○江田五月君 七党八会派でした。私は社民連の代表として入閣をしました。その他の各党もそれぞれのトップが入閣をした。全部は覚えておりませんが、それぞれずっとトップが入っています。

 それはおいておいて、そうすると公明党の立場は、これは坂口さんに聞けばいいということになるんですか。坂口大臣、いかがですか。

○国務大臣(坂口力君) 私が代表で入れていただいているんですから、私がお聞きする以外にほかに人がいないわけでありますからお聞きするということになるんだろうというふうに思いますが、しかし党の代表でないこともまた事実でありますから、そこのところは代表のような調子にもなかなかはきはきと答えにくいところもあると。それは相談してやっていく以外にないと思っています。

○江田五月君 分かりました。

 イラクの問題。どうもイラクそれからトルコ、アフガン、テロが続発して拡大していっている。九・一一から始まって、アフガンそしてイラク、大量破壊兵器がテロリストの手に渡ったら大変だと、これで抑え込んでいくという、そういうおつもりだったのかもしれませんが、逆にどんどん悪化していると思いますが、小泉首相、この事態は日々悪化しているという認識をお持ちですか。どうですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、テロリストが非常に活発に各地区でテロを行っているという点については、多くの国民を不安に陥れている面を考えれば悪化している面もあると思いますし、同時にイラクの生活面、治安面におきましては改善している面もあるわけであります。しかしながら、こういう状況においてテロリストの跳梁ばっこを許すべきでないし、テロリストとの対決に腰を引いてはいけないと思っております。

 我々としては、国際社会が協力してイラクの復興支援、イラク人の政府を作るために今全力で当たろうとする国際社会の協力にこたえていく必要があると思っております。そういう観点から、このテロリストの動きというものを注視していかなければなりませんし、テロリストに対する対策というものは十分日本においても講じなければいけないと思っております。

○江田五月君 テロリストの脅しに屈しちゃいかぬと、これは当たり前で、テロリストというのがいかに非難してもそれは批判、非難し過ぎることはない。それはそうなんですが、しかし一方で、力には力をという対決路線だけで本当にテロリストというものをちゃんと抑え込めることができるのかどうか。なかなかそう簡単じゃないというのが現実に今起きているわけですよね。

 テロの温床となる部分があるんです。政治情勢もあるだろう、民生やあるいは人々の国民感情もあるだろう、そういうところをいかに、まあ北風と太陽と言うと適切かどうか分かりませんが、テロリストのようなものが生まれないような地域にどうやって国際社会がしていくか。それは武力だけじゃやっぱり駄目なんで、そのためにいろんなことをしているとおっしゃるんでしょうけれども、どうも日本の今の姿勢というか、アメリカのブッシュ大統領の対応、それに追随する日本のやり方というのは、これは力に力をというのでテロの連鎖、二十一世紀はテロの世紀になってしまうというところへつながってくるような、そういう心配が消えません。

 昨日の衆議院の予算委員会の質問でも出て、小泉総理がお答えにならなかったんですが、こうした事態が悪化する中でアメリカが小型核兵器の開発に乗り出したと、研究開発ですかね。小泉総理はこれは、アメリカの小型核兵器の問題は、予算化するというわけですが、これは賛成なんですか、それともやめるように言うつもりがあるんですか。いかがですか。

 なぜ、小泉総理はなぜ答えられないの。

○国務大臣(川口順子君) まず、アメリカの小型核兵器の開発の問題ですけれども、この間、その授権法で認められたということは、これは研究でございます。それで、その法律にはきちんと研究の後のステージ、例えば開発ですとか生産ですとか、そういうところに行くときには新たに議会の承認が必要であるということが書いてあるわけでございます。

 アメリカ政府は、核の実験のモラトリアムは引き続き維持をしていくということを言っておりまして、この小型核兵器の研究について政府として問い合わせをしましたときに、このモラトリアムをやめるつもりはないということを言っていまして、したがって核実験の再開につながるものではない、直接つながるものではないということを言っておりました。

 日本政府としては、この小型核兵器の研究については、これは様々な懸念があるわけでございまして、その懸念につきましては、これは米政府にきちんと伝えてございます。どういう懸念があるかといいますと、例えば我が国が大事に思っている核軍縮、あるいは核の拡散、これにつながる、悪い影響を与える、不拡散に悪い影響を与える、こういった懸念、そういったことを念頭に置いてほしいということは伝えてございます。

○江田五月君 テロが世界的にずっと拡大していっているような、そういう状況の中でアメリカが小型核兵器の研究開発に乗り出すと。研究だけで開発はしない、それはにわかに信じられないですよね。

 もう一遍小泉首相に振りますが、あなたは今、川口外務大臣に答弁を指示しましたが、小泉さん自身はこの問題について答えられる気持ちはないんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、事実関係はよく外務大臣の方が御存じですので。せっかく全閣僚出席しているんでしょう、何でもかんでも私に答弁させろというよりも、それぞれ閣僚の専門、担当がいるんですから、そういうときにはより詳しい方に答弁していただくのもいいかなと思っております。

 核兵器廃絶に向け日本が努力しているということはお認めいただいていると思いますし、これからもそういう点に関しては日本としても更に努力をしていかなきゃならない。また、唯一の被爆国として、日本の核の問題に対する考え方も理解してもらうように、より一層努力をしていかなきゃならないと思っております。

○江田五月君 より一層努力をしていかなきゃならぬと言われますが、どういう努力をこれからされるのかということを更に引き続きただしていかなきゃならぬと思っておりますが、もう時間がありません。

 坂口大臣、公明党としてはこのアメリカの小型核兵器というのは黙っていられないことだと思いますが、どう考えるんですか。

○国務大臣(坂口力君) 先ほど受けた質問がどうしてかということがよく分かってまいりました。

 日本は唯一の被爆国でございますから、核廃絶をしていかなきゃならない、これはもう国民全体の願いでございますから、やはりその方向に行くように我々も最大限の努力をしなければならないということだというふうに思っております。

 党としてどういう対応をするかは、よく相談をして決めたいというふうに思います。

○江田五月君 アメリカが最近になってイラク人自身の統治の方向へ向けて方針転換をしたと、昨日、我が党岡田幹事長が質問している。小泉総理は、前の姿勢と後の姿勢とどっちを支持されるのかということについてお答えになっていません。答えてください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はもう前から、アメリカは国際協調を築くように努力すべきだということを、機会あるたびにブッシュ大統領にも、アメリカ側にも伝えているんです。そういう方向に向かっているということはいいことだと思っております。これはイラクの開戦前からのことでございます。イラクに対する開戦の前からでございます。

○江田五月君 まだアメリカの方針転換ももちろん不十分だと私ども思っておりまして、もっと抜本的に国連中心主義の原点に戻って、日本は先頭で努力をするということが必要だと思います。日米安保条約の第一条というのは、日米両国は国連を強化することに努力すると書いてある。国連中心ということと日米協調ということは矛盾する考え方じゃないんで、ひとつそこは是非しっかりやっていただかなきゃならぬと。

 イラクに対する自衛隊派遣について、更に同僚議員からいろいろ伺いますが。

 年金、厚労省の提案ですが、これは、年金の問題というのは今、若者は不信なんですね。もう年金のことは信じられない、だからもう掛金なんてとても嫌だと。中高年は不安なんですね。その若い人たちの不信と中高年の不安がこういう案で、こういう案でこれで解消すると、小泉総理、本当にそう思われますか。

○国務大臣(坂口力君) 厚労案をお示しをしたところでございますが、今おっしゃいますように、不安なり不信なりあることも事実でございます。私たちもそこは率直に受け止めているわけでございますが、そこが何から起こっているかといえば、この少子高齢社会の中で、果たして将来、自分たちの年金がもらえるのであろうか、あるいは現在もらっている人たちがこのまま継続ができるのであろうか、そこがやはり一番不安なんだろうというふうに思っております。

 したがいまして、そこは、今後八十年、百年というタームで計算をいたしまして、これは大丈夫でございます、その代わりに負担はここまでお願いを申し上げます、その代わり皆さん方にお支払いする方の年金額はこれまででございますということをお示しをしたわけでありまして、ここは皆さん方に御理解をいただいて、そして前に進む以外にないと考えているところでございます。

○江田五月君 これももう細かな議論できませんが、要は負担を上げて給付を下げると。そのつじつまを合わせると。数字でつじつまが合ったというだけではもうどうにもならない。ですから制度改革に踏み込まなきゃならない。

 で、私たちこのマニフェストで五つの約束、二つの提案。年金については提案の中に入れてあるわけです。それはなぜかというと、小泉総理、昨日もおっしゃっていた、年金の問題や教育の問題は政権が替わるたびにぐらぐら変わったんじゃそれは困るでしょう。ですから、私たちは提案をして、是非ひとつ自民党の皆さんも他の党の皆さんも提案をしてくださいと。そして各党合意で新しい制度改革をしようじゃないかというので提案をしているわけですから、私どもの意のあるところも是非ひとつ分かっておいていただきたいと思います。

 次に、道路公団ですが、近藤総裁のことはいつ頭に浮かんだんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 近藤さんについては、総裁ということじゃなくて、議員として、議員になったときからよくお話を聞いていましたし、経済界から立候補するという、議員になる前にもお話を伺ったことがございます。元からよくお話を聞いていた仲でありますが、総裁として、あっこの人はと思ったのは選挙終わってからです。選挙終わってから。

○江田五月君 選挙終わってからね。

 近藤さんを参議院の、非拘束名簿式になって、参議院の比例区に自民党として擁立をされた、それは小泉総裁のときですよね。したがって、彼は参議院議員として国民に信を問うと小泉総理がお決めになってやった。それで参議院議員に当選している。

 会期に入る前に、我々が何も意見が言えないときに引っこ抜くというのは参議院軽視じゃないんですか。どうです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは民主党だって、衆議院議員から知事に転出したりほかの職に移る場合もあるじゃないですか。最終的には議員の個人の判断というものを尊重しなきゃなりません。院が許可しなきゃできないんですから。

 そういう点も考えて、私は、近藤さんは今までの立場もわきまえながらこれからの仕事も十分考えて判断していただいたんだと思っております。

○江田五月君 じゃ、近藤新総裁に伺いましょう。

 参議院議員であって、そしてそういう打診を受けたときに、ああ、自分は参議院議員で全国民の信任、信託を受けてということはお考えになりましたか、どうですか。

○参考人(近藤剛君) お答えいたします。
 非常に悩んだのは事実でございます。したがいまして、総理からお話しございましたときには、独断で私自身の考えだけで決めるわけにはまいらないということは申し上げたわけでございます。

 しかし、その後、いろいろなことも考えさせていただきました。また、関係者とも相談をさせていただきました。また加えて、総理からもまた説得もございました。いろいろな事情を勘案いたしまして、今、日本国が求めているのはどういうことなのかということも考えました。

 私は、参議院議員になりましたのは、やはりこれからの日本、しっかりと立て直すことが必要だと、そういうことで参議院議員に立候補することを決めたわけでございます。三年前のことを考えてみますと、これも私が自主的に、はっきり申しまして自主的に参議院議員立候補を決意したわけではございません。いろいろな方のお話もございまして、私なりに大変悩んだ上での決断でございました。そのときの決断の基準も今申し上げたとおりでございます。

 今回も同じような過程で決定をさせていただいたということをここにお話しさせていただきます。よろしくお願いします。

○江田五月君 近藤新総裁、昨日あなたは、ただより高いものはないと、こうおっしゃった。だけれども、もちろん道路というのは税金で建設しているわけですよね。別にただではない、普通の道路だって。もしそうただより高いものはないと言うんだったら、普通の道路を歩くときも走るときも全部金を払えということになるじゃありませんか。元々、元々、道路というのは税金でちゃんと造るんであって、そして道路整備特別措置法があって有料部分が初めて特別の措置としてできるようになっているわけですよ。元々、原則は全部ただ、ただというのはつまり税金でちゃんと造るというのが大原則なんですが、まあそれはいいや。

 道路公団がもう会社更生法適用状態だということをおっしゃった。さあ、どうするというんで、私は民事再生法適用ぐらい頭の中にあっておっしゃったのかなと思うんですが、そういうことが頭にあるのか、それともまた別にこういうふうにやりたいという考え方が今あるのか、それをいつどういうふうに言われようとしているのか、そのことについてどうですか。

○参考人(近藤剛君) 私が会社更生法云々と申し上げたのは、前後の発言全体で判断をしていただかなければいけないと考えております。私がそのようなことを申し上げた前段といたしまして、現在の道路公団、大変な優良な資産を持っている、したがって将来日本の、日本を代表するような超一流の企業になり得る条件の幾つかを備えているということを申し上げたわけでございます。その上で、ただ、現在の公団そのまま民営化していくことはできないと。その危機感を皆さんに理解をしていただくために、例えば、たとえ、仮に民間企業であったら今の公団の財政状態はどういうふうに判断したらいいんだろうかということで、例えばのお話でさせていただいたわけでございます。

 現在の公団を民間企業に例えて言うのは必ずしも私は適切だとは思っておりませんが、しかし、現在の危機的な状況を何とか理解をしていただきたい、その一念であのような表現をさせていただいたわけでございます。

 したがいまして、本気で更生法あるいは民事再生法というようなことが念頭にあったかといいますと、全くございませんで、むしろ、今の公団の有している財産でございますね、この優良な有料道路という資産がございますし、大変優秀な人材もございます。また、技術力もございます。そのようなものをきっちりと活用をしていける環境を整えれば、将来、日本を代表する一流企業になり得ると私は考えておりますので、民営化の政府の御方針に沿った形で、私はできることを、これから同時並行的に幾つかの施策をしっかりと取っていきたいと、そのように考えているところでございます。

○江田五月君 最後の質問。

 近藤新総裁、参議院議員になるときにも自分の決断ではなかったと言われた。今、道路公団の総裁として一体どういうことをやろうとしておられるのか。国土交通省が言われるままにやるんですか。それとも、あなた、自分の意思がおありなんですか。最後の質問。

○参考人(近藤剛君) お答え申し上げます。
 今、国土交通省の言いなりになるのかと、こういうお話でございましたが、私の任務は、私の考え方に国土交通省が同意をしていただける、そのような環境を作ることが私の仕事だと、そのように考えております。

 基本的に、せっかくの江田議員の御質問でございますので、基本的な考え方、ここでお話しさせていただきまして、皆様の御理解をいただいた方がいいのではないかなと、そのように考えますが、基本的に、これからの私の任務は、民営化推進委員会の意見に可能な限り沿った形で民営化を実現をしていくと、そういうことでございます。特に、その民営化推進委員会の意見の中で、私は、大変私自身重要だと認識している点が二点ほどございます。

 まず一つが、将来的に、いわゆる上下分離の議論がございますが、これは上下一体でなければならないと私自身固く信じております。したがいまして、過渡的には分離であってこれは一向に差し支えないと思っております。これは政策的な判断もありましょうし、税務上の御判断もあろうかと思います。しかしながら、最終的な姿としては上下一体でなければならない、そのように考えております。

 それからもう一つ、大変重要な点は、民営化した後の新会社の判断の問題でございますが、自主判断権を最大限確保することが大変重要なんだろうと、そのように考えております。道路建設につきましても、新会社が関与する道路につきましては、新会社の経営判断、これをしっかりと尊重をしていただく枠組みの中で民営化をさせていただくことが重要なんだろうと、そのように考えております。もちろん、これは単なる経済合理性だけの話ではございません。中心的な視点は経済合理性ではありましょうが、しかし、政策的な営業判断というものも当然あるわけでございます。そのようなことを踏まえまして、新会社の自主判断権を最大限確保をする、これがまた大変重要なことだろうと考えております。

 ただ、同時に、民営化推進委員会の意見の中で必ずしも一字一句とらわれる必要はないという考え方も私は持っておりまして、例えば分割の在り方ですね。これは、分割をするということは大変結構なことで、また望ましいことだと思いますが、その分割の在り方が意見書の中でイメージとして出されておりますが、それをそのままでいいのかどうか、これは私自身これからじっくりと、これから分割した場合のいわゆるフィージビリティースタディー等も十分勘案の上、最終的な決定があってしかるべきだと、そのように考えているところでございます。
 以上です。

○江田五月君 重要な発言されました。累積債務をどう引き継ぐか、それをどう返済するかなど含めていろいろ議論ありますが、今日は同僚議員に後を譲ります。

○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。海野徹君。

○海野徹君 民主党・新緑風会の海野徹でございます。
 江田先生から御配慮いただきまして、残りの時間、関連質問をさせていただきますが、まず総理に御質問をさせていただきます。

 江田先生へのイラク問題の答弁、あるいはこれまでの総理の答弁、そして昨日の我が党の菅代表あるいは岡田幹事長への答弁を聞いていまして、これではますます反対論、慎重論が国民の中に広がっていくなという懸念を持ちました。そんな問題意識を持ちながら、私は要するに御質問させていただくわけなんですが、状況を見極めて判断するということを繰り返していらっしゃる。同じ質問だから同じ答弁するんだよという、そういう総理は御答弁されておりましたが、じゃ状況っていかなる状況なのか、その判断する基準は何なのか、この説明がない。これは国民にとって大変に不安なんですね。

 総理は十月の下旬にテレビ番組で、年内に出したい、そういう御発言をされております。政府、関係者の方々もそれで準備を進めていたと思います。十一月の中旬には閣議決定をして内容を、あるいは決定をして派遣するという作業を今までやっていたはずでございます。しかしながら、それがいつの間にかとんざしてしまった。

 また、これはいろいろの官邸筋からの情報として要するに漏れ伝わってくるところによりますと、道路公団の民営化とか郵政民営化のことについては、官僚の方々、一生懸命呼んではいろいろ討論をしている。このイラクの自衛隊派遣の問題については、だれ一人スタッフを呼んで、官僚を呼んで議論をしているという状況にはないというようなことも漏れ伝わってくると、どうもこれは、イラク問題というのは、要するにさほど総理は関心持っていらっしゃらないのかな、それで同じような答弁を繰り返すのかなというような懸念がますます私は増していくわけなんですね。

 そこで、質問なんですが、もう出さないというオプションはないと思うんです、総理には。ブッシュ大統領に約束したでしょうから。年内に出すんですか、出さないんですか。そのことをお聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) だれから聞いて、イラクの問題、話聞かないと。あきれちゃいますね、そういうガセネタを基にして。どこからそういう意見出てくるんですか。イラクの問題についてだれも呼んでないで、だれとも相談しないで決めていると。あんまりそう虚偽報道を基にして質問していただきたくないんですね。

 私は、このイラクの問題は大変重要であり、真剣に考え、各方面から意見を聞いて、正しい判断をしなきゃいかぬと思っております。野党の皆さんは、いつも説明していない説明していないと御批判を受けますけれども、十分説明しているつもりであります。

 それは、イラクの安定した民主的政権を作るためには、日本の利益だけではありません、イラク国民の利益だけでもありません、国際社会、大きな利益につながると。イラクを混乱させてテロリストの拠点にしたらどれほど不安に陥るか。だからこそ、イラクに対して国際社会が協力して、イラク人のイラク人のための政府を作るために努力しようという国連決議が全会一致で採択されたわけです。そういう中にあって日本は、中東諸国全体、油だけではありません、日本が、あるいはできるだけ多くの国が圧政から逃れて民主的な平和な国家になるようにもし力をかす場があれば、お手伝いできる場があればお手伝いしていくのが日本の国際社会の一員としての責任だと思っております。

 そういう観点から、日米同盟と国際協調を両立させることが日本の外交政策の基本方針であるとかねがね言っております。対米協力、国際協力、そして日本の国益を考えて、日本に何ができるかということを考えて、イラクの復興支援、人道支援に当たらなきゃならない。

 日本には、戦闘行為には参加しないと、イラクにおいてもちろん武力行使もしないという前提の中でどのような協力があるか。資金的な協力もあるでしょう。人的な協力もあるでしょう。人的な協力とする場合には民間人も政府職員も、なおかつイラク支援法にのっとった法律の枠内で自衛隊員が活躍できる分野があるでしょう。そういう状況が許せば状況を見極めて自衛隊員も派遣しますよということは何回も言っているんです。それ説明していない説明していないと言うのは、幾ら説明しても聞きたくないというか理解したくないと。反対なんだからその意見は駄目だと言われてはそれはおしまいです。私はそういう意味においてこのような説明を繰り返しております。

 もちろん、民間人にできなくても、自衛隊諸君だったら日ごろの訓練があります。民間人にできないことも能力を持っておる分野があります。また、普通の人が持っていない装備も持っております。そういう点も考えて、自衛隊員が活躍できる分野があれば自衛隊員にも行ってもらいたいというふうに考えているわけです。

 当然、日本がやる支援というのはイラク国民から歓迎されるものでありたいと。そして、国際社会の一員として責任を果たすためにしっかりと資金協力も人的協力もしていきたい。それがイラク復興に寄与することができれば、イラク人のイラク人のための政府、イラク人自身が自らの安定した民主的政権を作るということに日本がお手伝いできれば大変望ましいことだと思っております。

○海野徹君 総理ね、私、年内に出すのか出さないかという質問をしたんです。
 いろいろな虚偽報道についていろいろな質問するのはという話があった。私は、仮に、総理は要するに誤解だ、あるいは虚偽報道だと言うかもしれません。誤解というのは理解の一種ですから、発信源は総理にあるということなんです。その辺は理解していただきたい、その辺は誤解しないように理解していただきたいなと思います。

 そして、私は、要するに年内に派遣するかどうなのか、派遣するとしたらその基準は、判断基準は何なのか、状況を見極めるというんだから、その見極める判断基準を示してくださいということなんですね。危険度は何度だ、その危険か危険でないかの判断基準があるのかないのか、あるとしたらそれが何なのか。(発言する者あり)そうですね。それで現状、じゃどこへ派遣するのか。それが非戦闘地域だということですから、非戦闘地域だという分析をした、その現状のその派遣地は今どういう状況になっているのか、現状がどういう状況になっているのか、それを判断基準で分析したら結果としてこうなりますよという、そういうような説明がなかったら、それは理解しろ理解しろといって、国民の要するに皆さん方もやっぱりそれは理解できないんじゃないですか。

 我々が要するに同じことを繰り返すといって、なぜ聞くんだと言われるんですけれども、それが分かってこないから、説明不足だから同じ質問をするようになってしまうんじゃないんですか。その辺の努力を是非お願いしたいと思うんです。いや、僕は総理に求めているんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、状況を見極めて判断すると言っているんであって、年内に派遣するとか派遣しないとか言っていないんです。これは、状況というのは防衛庁長官からも聞いておりますし、あるいは調査団もこれから帰ってくるでしょう、伺います。あるいは、今までも調査団行っております、いろいろ聞いております。それは、イラク支援法にのっとって非戦闘地域に派遣する分野があれば、また派遣する時期、いつでもよければ年内とか年明けにはこだわっていないんです。

 また、私は偽の情報を発信したということはありません。新聞が勝手に想像していろいろ記事を書いているようでありますが、新聞が合っているときもあるし間違っているときもあるというのは御存じだと思います。新聞とおりにやっているということは誤解であります。また、新聞の報道には多々虚偽報道があるということも御理解いただけると思います。

○海野徹君 私の質問に答えていただいていないんですが。年内に派遣するか派遣しないかということなんですね。そして、その判断基準さえ示していただければ、要するに、その基準をじゃ答えてください。

○国務大臣(石破茂君) これは、前国会でも何度もお答えをしたことでございますが、一つは委員御指摘のとおり、非戦闘地域、それは危なくない地域という意味ではございません。憲法九条の要請をきちんと満たしているかどうかという意味でございます。

 もう一つは、防衛庁長官が負っております派遣される隊員の安全に配慮しなければいけない。それが本当に配慮したと言えるかどうか。すなわち、現地の状況がどうであり、自衛隊の与えられている権限あるいは装備、その能力をもってして本当に任務がきちんと達成できるかどうかは、実際に赴く自衛官が行ってみなければ分かりません。民間人が行っても文民が行っても本当のことは分かりません。であるからこそ、今、総理がお答えになりましたように、自衛官を中心とする調査団を出しておるわけでございます。

 そのことによって、権限、能力、装備、どれをもってすれば法律に定められたことが達成できたと言えるのか。そのことが年内かどうかということと直接リンクするわけではございません。法律に定められた要件を満たせばそれは出す、満たさなければ出さない、それはもう法治国家として当然のことでございます。法律に定められた要件を満たすことができるかどうか、そのことを慎重に見極めるのは政府として当然の責務だと心得ます。

○海野徹君 出さないというもうオプションはないということを言っているわけですね。年内でも出すよというようなことにも私、聞こえるんですけれども。

 私は、総理にお聞きしたいんですが、先ほど総理がイラクの国民の求める今後の姿、そのために貢献するために人的貢献も必要だ、あるいは技術的貢献もあるいは資金的貢献も必要だ、それは分かります。じゃ、そのイラクが求めている、イラク国民が求めている戦後の復興のあるべき姿というのはどういうような御認識をされているんですか。それになぜ自衛隊が今派遣しなくちゃいけないのか。今、防衛庁長官も、要するに安全なところ、あるいはイラク特措法の中でも非戦闘地域であることというのがありますね。戦後復興だと。

 最近、CIAがやはりアメリカの首脳に、とてもじゃないけれども泥沼化して危険が要するに蔓延している、これはテロの連鎖だというような極めて厳しい調査報告を出しているんですね。非戦闘地域な、ありようがない。戦後復興というより、むしろますます中東周辺諸国にそれが広がっている。サウジアラビア国内でさえ混乱の可能性を指摘されているわけです。

 そういう中で、事実上は米軍の支援としか受け取られかねないような形で自衛隊を出すということにどういう意味があるのか。その辺の国民が反対論、慎重論が増えているというのはそこに原因があるんじゃないか。それに対してきちっとした大義と説明がない。イラク国民はこういうものを求めている、大義はこうだ、判断基準はこうだ、だから出しますというようなことがないから反対論がますます広がっていっているんじゃないですか。そして現状、治安がますます悪化している、それが中東全域に要するに及んでいる。

 だから、首相の姿勢と、確固たる姿勢と、治安の悪化と、そして国民にしてみれば、未知、知らないものに対してはノーと言うのは心理なんですね。そういうものが重なって私は反対論が増えていっているんではないかなと思いますけれども、総理、どうですか、その辺。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、イラク国民が望んでいるのは治安の回復だと思います。あらゆる生活面の改善をする上においても、テロリストが跳梁ばっこするような状況ではおちおち生活もできない。まず、イラク国民が治安の回復、これを望んでいると思います。安心して町が歩ける、安心して生活できる、そういう点について米英始め三十数か国の部隊が今イラクに入っている、治安の復興にも治安の安定にも協力している、テロリストの掃討にも協力している。

 そういう中にあって、あっ、テロリストがいるから日本はこういう状況では何もできませんと言うことがいいという考えもあるのは知っております。私はそうは取っていないんです。こういう厳しい状況にもあるにもかかわらず、自国が侵略されていないにもかかわらず、イラクの復興、安定、イラクの国づくりには重要だと思って活躍されている米英始め各国の部隊に対しまして、私は心から敬意の念を持っております。日本としてもこのイラクの復興支援、イラクの安定した民主政権を作るために何かしなきゃならないと思っております。

 そういう点において、民間人が出た場合に日ごろの訓練もしていないという場面もあるでしょう、あるいは自らの装備を持っておりません。ただ行って医療活動あるいは教育活動するのもあるとは思いますが、まとまった支援活動、組織的な支援活動というのは、やはり自衛隊の方がより適切にできる分野があると思っております。そういう際に、日本には自衛隊という立派な部隊を持っている、国民の財産と言ってもいいと思います。民間人、政府人そして自衛隊、これは武力行使をしない、戦闘行為をしないという中で、いろいろな生活面の支援というものは今までのPKO活動におきましても実績がございます。

 そういうことも考えまして、ほかの人々に対して援助を求めないで、自分たちだけの組織で自ら自己完結した中で生活ができて、なおかつイラクの人々のために役に立つ活動があれば、私は自衛隊も出していいのではないかということから、戦闘行為には参加しない、武力行使はしないけれどもイラクの復興支援、人道支援のために自衛隊で活躍する分野があれば自衛隊を派遣したいと思っております。

○海野徹君 私も父が軍人でおりまして、シベリアで三年間捕虜生活を送って帰ってきました。母親も同じ宿舎に住んでいましたから中国の東北地方を転々として命からがら帰ってきました。その二人が生存してくれたおかげで私は今日がある。だから戦争を憎みますし、テロのない社会を作りたい。しかしながら、テロとの戦いのために全世界が取り組んでいる。これは要するにそうだと思います。

 私は、ただアラブ人の方々にしてみれば、占領軍というか、他国の軍隊が土足で入り込んできたようなものなんですね。だから、テロがどんどんどんどん泥沼化していくというのは心情として分かるんです。だから、むしろ統治機構を、米英中心から国際社会全体でその統治機構を担うという形への努力を、当然要するにそれが最優先して、自衛隊の派遣するしないという問題よりもそれを最優先して私は外交努力を総理はすべきじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、国連の決議でも今の暫定行政当局、米英に権限を与えるということを決議しているわけですね。これは、今米英が手を引いたらどうなるんでしょうか。国連、国連軍というのは持ってないんです、国連の治安部隊もないんです。そういう中で、今の治安の回復ももちろん、復興支援についても国際社会が協力しようと。なおかつ、当面CPA、米英軍、これが治安に当たらないとだれもする人がいない。

 こういう、イラクの人たちが、反発しているイラク人もいますが、イラク人にとりましては、今いろんな調査によって、やっぱり米英軍に駐留してもらわないと困るという人の方が多いというときに、米英帰れというテロリストの声に乗ってしまったらば今のイラクの情勢はどうなっちゃうでしょうか。私は、こういう苦しいときだけでも国際社会が協力してイラク復興に当たろうと。当面、治安においても危険がある、それに対しては米英駐留軍に権限を与えて治安の回復に努力してもらおう、三十数か国の部隊も今一緒にイラクに入って、何とかイラク復興に努力している、そのときに米英帰りなさいと言って困るのはイラク国民じゃないでしょうか。

 そういう点も考えないと、私は、これはただアメリカを非難し、日本は行くなと、まだ完全に安全な状況になるまで何もするなと言って、本当に国際社会の中で、憲法の前文にある圧政に苦しむ人たちを、ほかの人がやってください、日本は完全に安全なときになったら出掛けていきますということで、経済大国二位と言われている日本の国際社会の責任が果たせるんでしょうか。国際社会の中で名誉ある地位を占めたいと憲法の前文でうたった精神に合致するんでしょうか。

 苦しくても、日本は武力行使はしない、戦闘行為には参加しないと。しかし、イラクの復興支援、人道支援にはできるだけのことをしますよという、そのことが今、実行の面において私は試されているんだと思います。

○海野徹君 今、総理が、名誉ある地位を占めたいと、前文にあると。名誉ある地位を占めたいんだったら、私は英米に要するに去れと言っているわけじゃないんです。ドイツとかフランスとかロシアが積極的に関与できるような外交努力、総理自らなさったらどうですかということを言っているんですよね。なぜそういうような努力をなされないのか、なぜそういう条件がそろわないのかと。

 その辺について、やはり国民も大変な要するに疑問を持っていらっしゃるんじゃないですか。でないと、頼まれたからやる、ポイント稼ぐからやる、お付き合いで行く、そんな印象しか与えないから反対論が増えているんじゃないですかね。私はそんなふうに思います。

 この問題はまた後日に譲らせていただいて、北朝鮮問題についてちょっとお話をさせていただきますが、体制保証の文書化、安全の保証、北朝鮮の安全保証、この問題が非常に重要な課題になってきております。

 日朝交渉が、正常化交渉が全く硬直状態、あるいは進んでいない、むしろ悪くなっている。挑発されるような、要するにするような言葉しか北朝鮮側から出てきていない。また、解決の糸口が全くなくなっているんじゃないかなと私は心配しているわけなんですが。

 そういう中で、体制の安全を保証するというのを六か国協議の中で文書化すると、十一月十七日にこの都内でもそういう調整がされた。それで、ワシントンから、十一月二十四日の報道によると、この合意の見通しも困難だと。

 非常にこれは、日米安保の弱体化についても大変な懸念が生ずるおそれがあるという懸念もありますから、この六か国協議の中で、この北朝鮮の体制の安全保証の問題について、具体的に要するにどのように進んでいるのか、それに対して我が国はどのように関与しているのか、それが拉致問題の交渉あるいは日朝の正常化交渉の中でどういうような作用をされていくとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮の懸念である安全保証についての文書化のそのお話でございますけれども、これは国際社会として、その問題と同時に国際社会全体の懸念である北朝鮮の核の開発の問題、この両方、ほかにもまだ問題がございますけれども、そういったことについて議論をしていくことが重要であると思います、と考えています。

 安全保証の問題については、米国は文書化をするということについて合意をするということでございます。その内容については、今、関係国の間で緊密に連携を取りながら議論をしております。

 安保、日米安保条約との関係の話ですけれども、これについて我が国としてもそういったことに影響を与えてはならないということは当然のことでございまして、米国との間でもこのことについては話をしておりますし、この間、ラムズフェルド長官がお見えのときに、私もそして多分総理もお話をいただいたと思いますけれども、それに対してラムズフェルド長官から、そういったことは全く懸念をする必要はないということをきちんと表明をしていただいております。

 我が国として、この問題について、正にそのリーダーシップを取りながら、知恵を出しながら、お互いに相談をしながら解決をしていきたい。平和的、外交的に、そして包括的に解決をしていくことが重要だというふうに考えています。

○海野徹君 黄さんがディフェンス・フォーラムで招請されてアメリカで発言している。金体制の要するに存続というのは誤りであると、そう言っています。あるいは、そこから出てきて、北朝鮮自由化法案ですか、それも上程される。

 そういう中で、我々日本もきちっとした毅然たる対応が必要ではないかなと思うんですが、最後の質問を私はさせていただきますが……

○委員長(片山虎之助君) ちょっと簡潔にやってください、もう。

○海野徹君 はい。
 北朝鮮への送金問題についてということで、非常に、あしぎんフィナンシャルグループ、これが要するに公的資金を注入される、それでコルレス契約が復活して北朝鮮へのまた資金パイプになるのではないかという指摘がありますが、この点については、そういう復活がされる、あるいは北朝鮮の要するに資金パイプにまたなるというようなことはないということなんでしょうか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 今、固有の金融機関の名前を挙げて信用リスクに関する話がありました。これは、そういう報道等、すべて憶測に基づくものでありますので、信用リスクに関する問題に関して憶測等々に基づいて発言することは控えさせていただきます。

○海野徹君 これで質問を終わります。

○委員長(片山虎之助君) 以上で江田五月君の質疑は終了いたしました。(拍手)


2003/11/26

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