2007年3月14日

戻るホーム主張目次会議録目次


166 参院・政府開発援助等に関する特別委員会

13時から、政府開発援助等に関する特別委員会に出席し、高橋基樹さんと池上清子さんの参考人意見陳述を聞き、委員からの質疑に応えていただきました。私も、最後の自由質疑の時間に、簡単に西サハラ問題に絡む基本姿勢につき質問しました。


平成十九年三月十四日(水曜日)

○江田五月君 私も触発されて、突然の質問なんですが。

 ありがとうございました。途中抜けて済みませんでした。

 もうけの先をアフリカにまで探していくという姿勢でなくて、やはりアフリカの皆さんが一生懸命努力している、これとの共感が一番大切だというのは本当にそうだと思うんですね。そういう意味でいえば、アフリカでもやっぱり植民地から独立をした、そして人権を確立をしよう、人種差別をなくしていこうと、そういう運動がずっと積み重なってきていて、南アフリカでもそうですし、そういう皆さんとの、言わば人類の進歩としての人権とか民主主義とか法の支配とか、そういうものと日本がどれだけ共鳴板をしっかり持つかということが大切だと思っておるんですが、その点でやや欠けるところがあるんではないかという気が私はしております。

 それは、例えば、AUで西サハラが自分たちが独立国だというので、AUの皆さんは皆西サハラを受け入れた。ところが、モロッコがそれに対して気に食わぬということで飛び出していく。これはアフリカの皆さんが自分のアフリカの中でいろいろ解決をしていっていただければと思うんですが、しかし、例えば西サハラの沖合で取れる漁業資源をモロッコから日本が輸入をするというようなことを日本がやっていていいのかどうかというような問題があると思うんですが、私は余り詳しくは知らないんですけれども、何か御意見ありましたらお聞かせください。

○参考人(高橋基樹君) これは、恐らく池上参考人はお答えになりにくいことだと思いますので。

 全く重要なことだと思います。西サハラの住民の意思がどこにあるかということについて、是非、日本政府としてきちっとした確認をしていただきたいと思います。

 同時に、人権のことをお話しいただきましたが、これはごく一部のケニアの野党の意見だったというふうに言ってもいいかと思いますが、場合によっては日本は政経分離という発想で援助をしている場合がございます。それは、少なくとも一部の人たちには往々にして批判を浴びる。場合によっては、独裁し腐敗をした政権を支援をしているというふうに見られることもある。ODAというのは非常にそれぞれの国で政治的な意味を持ってくることがあるということでございます。

 そのときに、私どもは、隣の大きな国、中国がそういった基準を余り考えずに援助しているということで、余りばたばたと慌てふためく必要はない。私どもは、やはり人類のグローバルスタンダードを守りながら、それを増進するために援助をしているという発想を、ODAの四原則というものをしっかり持っているわけですから、もっと胸を張るべきだというふうに私はこの点では思います。

 ありがとうございました。

○参考人(池上清子君) 国連職員は、平々、ここだけの話なんですけれど、その当該政府を批判してはならないらしいんです。それで、多分、高橋参考人は、私はそれで言いにくいと、守ってくださったんだと思っていますが。

 少なくとも、今、政権政府というんでしょうか、がいいか悪いか、軍事政権なのかどうかというところをおいておいて、そこが政権政府だから、そこと国連の機関というのはいろいろな開発にしろ緊急援助にしろ、プログラムを作っているというのが現状ですというところをお含みおきください。

 そして、済みません、もう一つ。今ちょっとお席立たれてしまいましたけれども、大学の話のところで、済みません、議長さんせっかく時間を与えてくださって、そのときにちょっと思わなかったんですが、やはり大学なり大学院なりというところでの、どういう人と出会えるか、どういう話を聞けるのかということは、非常に大きな将来のキャリアをつくっていく上で基本になると思うんですね。

 最近、日本の大学は、実務家というか、私のように仕事をしている人間を呼んできて、国連でどういう問題があるのかとかどういう仕事をしているのかということを話をするチャンスというのを結構与えてくださっているんですね。こういったところをもう少し先にたくさん機会があれば、いろいろな方がそれなりの方にいろいろ接触する、又は話をする機会が増えると、これは大きなプラスになるのかなというふうに思いました。

 ありがとうございました。


2007年3月14日

戻るホーム主張目次会議録目次